しかし2018年、日本海において韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊のP-1哨戒機に対して火器管制レーダーを照射した問題や、徴用工訴訟をめぐる問題が激化したことから、再び日韓関係は悪化した。安倍元首相も文在寅大統領も(いずれも当時)問題解決のための姿勢を見せていたが、最終的にコロナ禍や安倍元首相の退陣によって「戦後最悪」と称された日韓関係が修復することはなかった。 排外主義の盛り上がり 一方、安倍元首相が、いわゆる「嫌韓」言説に影響力を持っていたことは間違いない。2014年11月には自身の Facebook で、まとめサイト「保守速報」をシェアしたことが波紋を呼んだ。同サイトは、2018年に在日朝鮮人の女性に対する差別が最高裁で認定されるなど、韓国や中国に対する差別的な言説で知られていた。 こうした姿勢は、首相退任後にも見られた。たとえば今年1月には佐渡金山の世界遺産登録をめぐって、韓国から「歴