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  • 米紙が注目「新海誠とRADWIMPSがアニメの輪郭を描き変える」 | それはまさに「運命」だった

    新海誠監督の最新作『すずめの戸締り』が米国で公開され、それとほぼ同じタイミングでRADWIMPSの初となる北米ツアーが開始した。互いに相乗効果をもたらす彼らのコラボレーションに、米「ニューヨーク・タイムズ」紙がスポットライトを当てた。 2016年の世界的メガヒット作『君の名は。』の公開以来、日本人監督・新海誠(50)の大作アニメーションを彩る心躍る音楽は、観る者を夢中にさせる映像と切り離せない存在になっている。 新海の最新作『すずめの戸締り』は、2011年に起きた東日本大震災に着想を得た幻想的サーガだ。今回もまた、日本のロックバンド「RADWIMPS」によるアップテンポの楽曲と、鮮やかなインストゥルメンタルの音楽に乗って展開する。新海はこのバンドの曲を聴いて、自身が書いた物語に重大な変更を一度ならず加えてきた。 新海作品の世界的な人気は、翻ってRADWIMPSのオーディエンス層を広げ、いま

      米紙が注目「新海誠とRADWIMPSがアニメの輪郭を描き変える」 | それはまさに「運命」だった
    • 日本初のeスポーツ専門高校が不登校の子供たちを惹きつける「納得の理由」 | 他の学校とは一線を画す授業風景

      2022年に開校した日本初のeスポーツ専門高校には、それまで不登校だった子供たちが多く入学した。親ではなく、彼らが自ら通うことを選んだという同校の魅力を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 不登校の子供を学校に呼び戻す「モデルケース」 ヨシダ・ワタルはもう限界だった。学校に戻るつもりはなかった。 彼は教師たちが嫌いで、校則にも苛立っていたし、授業には退屈していた。日本でパンデミックによる学校閉鎖が終わり、対面授業が復活した2020年の半ば頃、彼は家にこもったまま一日中ゲームをすることに決めた。 「『学校からは何も得るものがない』と言うんです」と話すのは、母のヨシダ・カエだ。 教室を離れて1年以上が経過した現在、16歳のワタルは再び学校に通っている。だが、普通の学校ではない。彼を含む20名ほどのティーンエイジャーたちは、2022年に東京で開校した日本初のeスポーツ専門高校、「eスポー

        日本初のeスポーツ専門高校が不登校の子供たちを惹きつける「納得の理由」 | 他の学校とは一線を画す授業風景
      • 「AIに感情がある」と錯覚してしまうのは、そもそも脳についてわかっていないから | 「意識」の正体を知らないまま「意識」を語れない

        ChatGPTが世界的に大きな話題となっているいま、実際に使ってみた人も多いだろう。そしてAIが台頭するにつれて、一度は誰もが考えたことがあるはずだ──人工知能に感情や人格は生まれ得るのか? 2022年、AI倫理学者のブレイク・レモインが「AIにも感情がある」と主張して、グーグルを解雇されるという事態が起きた。彼の主張を足がかりに、感覚や感情を持つとはどういうことなのかを再考しよう。 ブレイク・レモインというグーグルの社員が、同社のAI言語モデルの1つ「ラムダ(LaMDA)」が有感性(sentient:感覚や感情を感じる能力)を持っていると主張し、休職処分となった後に解雇された。 彼は自身の懸念を公表し、ラムダと交わした対話テキストを公開している。レモインが「あなたにとって『魂』という言葉はどんな意味を持ちますか」と尋ねたとき、ラムダは「私にとって魂とは、意識と生命そのものの背後にある活力

          「AIに感情がある」と錯覚してしまうのは、そもそも脳についてわかっていないから | 「意識」の正体を知らないまま「意識」を語れない
        • フィンランドの子供たちが学校で身につける「フェイクニュースを見抜く力」 | 世界が注目するメディアリテラシー教育の現場

          ネットで拡散されるデマやフェイクニュースが世界的な問題となるなか、フィンランドでは学校で子供たちに「真実と作り話を見分ける方法」を教え、成果を上げている。成功事例として注目されるフィンランドのメディアリテラシー教育の現場を取材した。 誤情報へのレジリエンスが欧州一 フィンランド南部のハメーンリンナで中学教師をしているサーラ・マルティッカはいつもこんな授業をする。生徒にニュース記事を読ませ、記事の目的は何か、いつどのように書かれた記事か、筆者が一番言いたいのは何かを議論させる。 「良い記事、優れた記事だからといって、それが真実であったり正当であったりするとは限りません」と彼女は言う。先月の授業では、TikTokの動画3本を生徒に見せ、制作者の動機や動画が視聴者に与える影響について話し合わせた。 フィンランド中の教師がそうであるように、彼女の目標は、生徒たちが偽情報の見分け方を学ぶのを手助けす

            フィンランドの子供たちが学校で身につける「フェイクニュースを見抜く力」 | 世界が注目するメディアリテラシー教育の現場
          • エフゲニー・モロゾフが一刀両断「AIは人工的でもなければ知的でもない」 | アルゴリズムを精査するくらいなら、シェイクスピアを読め

            「インターネット界の異端児」と呼ばれるテクノロジー評論家のエフゲニー・モロゾフ(39)は、AI(人工知能)のそれは人間の知能の域には達しないと断言する。さらに、「人工知能」という言葉を使うのをやめるべきだと訴える。 イーロン・マスクと、アップルの共同創業者のスティーブ・ウォズニアックは最近、AIシステム開発に6ヵ月間のモラトリアムを求める書簡にサインをした。その目的は、サインをした当事者たちが「AIサマー(夏)」と表現するものに適応するため、社会に時間を与えることだ。「正しいガードレールが設置される限り、最後は人類の利益になる」と彼らが信じているものである。このガードレールには、厳重に検査された安全プロトコルが含まれる。 賞賛に足る目的であるが、この6ヵ月を費やすのにもっと良い方法がある。公的な議論から「人工知能」という使い古されたラベルを引退させることだ。この用語が属しているのは、「鉄の

              エフゲニー・モロゾフが一刀両断「AIは人工的でもなければ知的でもない」 | アルゴリズムを精査するくらいなら、シェイクスピアを読め
            • 「GAFAで働くのが夢だったのに」巨大テックの人員削減に翻弄される米国の優秀な学生たち | インターンシップすら難しい

              やっと叶えた巨大テック企業で働く夢が… GAFAを始めとする、アメリカの巨大テック企業でキャリアを積むために何年も勉学に励んできた「将来、有望なはず」の学生たちが、予想外の現実に直面していると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。 最近まで、大手テック企業は、一流大学のコンピューター・サイエンス専攻の学生を採用するために、熾烈な競争を繰り広げていた。 一部の学生は、初年度から日本円にして1000万円以上、さらに数百万円の賞与(ボーナス)が約束されるといった好条件で、複数の企業からオファーを受けていたという。 それが一転、今年の夏以降、複数の巨大テックで人員削減が行われており、学生たちは好条件のオファーどころか、インターンシップの機会すら手に入れるのが難しくなっているという。

                「GAFAで働くのが夢だったのに」巨大テックの人員削減に翻弄される米国の優秀な学生たち | インターンシップすら難しい
              • 脳も身体も鍛えるために、この「4つのエクササイズ」に取り組もう | Kwik Brain: 脳トレコーチが伝授するブレインハック術──遺伝子が求めている動きとは

                今回はこの連載の特別編として、「マインド・マッスル・コネクション」というコンセプトを紹介する。意識と筋肉のつながりのことで、脳が筋肉に指令を出すだけでなく、筋肉が脳に作用するという考え方だ。 そのために私の親友で、ポッドキャスト「The Model Health Show」のホストであり、ベストセラー『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』の著者でもあるショーン・スティーブンソンにゲストとして来てもらった。脳を鍛えることができる具体的なエクササイズを紹介してもらうことにしよう。 ジム・クイック マインド・マッスル・コネクションについて教えてください。 ショーン・スティーブンソン 筋肉と同じように脳も成長し発達するが、衰えもする。これは恐ろしいことだ。さらに、年をとるにつれて脳の体積や機能が低下する傾向がある。これから紹介する大きな戦略のひとつとして、筋肉の働きと実際の脳の働きのつな

                  脳も身体も鍛えるために、この「4つのエクササイズ」に取り組もう | Kwik Brain: 脳トレコーチが伝授するブレインハック術──遺伝子が求めている動きとは
                • ミャンマー国軍の偏狭な思想と実態─兵士が市民を殺せるのは、徹底的に洗脳され監視されているから | 軍に従わない者は皆、犯罪者だ

                  市民500人以上を虐殺し、残虐さに歯止めがかからないミャンマー国軍。その実態は闇に包まれているが、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、クーデター後に脱走した2人を含む、4人の将校へのインタビューに成功し、驚くほど偏狭なミャンマー国軍の思想と実態を伝えている。 国を破壊する、残虐な国軍からの脱走 トゥン・ミャット・アウン大尉は、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの舗道で空薬莢を拾うと、吐き気に襲われた。その銃弾の残骸は、ライフル銃を用いて実弾が人々へ向けて実際に撃たれたことを意味するからだ。 3月初旬のその日の夜、彼はフェイスブックで、ヤンゴンで何人もの一般市民が国軍の兵士に殺されたことを知った。殺した兵士らは、自分と同じように制服を着た男たちだった。 それから数日後、第77軽歩兵師団の大尉は基地を抜け出し、脱走した。彼は現在身を隠している。同師団はミャンマー全土で民間人を虐殺してきたことで悪名高い

                    ミャンマー国軍の偏狭な思想と実態─兵士が市民を殺せるのは、徹底的に洗脳され監視されているから | 軍に従わない者は皆、犯罪者だ
                  • 孫正義はなぜ判断を誤り、ウィーワークを失墜させてしまったのか | 蜜月関係だった創業者との関係が破綻した理由

                    ——— 2020年、クーリエ・ジャポンで反響の大きかったベスト記事をご紹介していきます。1月2日掲載〈孫正義とWeWork創業者の“蜜月関係”はなぜ破滅的な結末をむかえたのか〉をご覧ください。 ——— 「太陽の光は神々からの贈り物です」 2018年10月3日の朝、孫正義は投資家の一団の前で上機嫌にそう話した。インドの首都ニューデリーの東郊グレーター・ノイダで太陽光発電についてスピーチをしたときのことだ。 暑い日で気温は35度になろうとしていた。ソフトバンクのCEOにとって、その日は単に暑いだけでなく、まぶしいほど明るかったはずだ。ソフトバンクをテクノロジーと人工知能(AI)の投資の分野で世界最先端の企業にする、という孫のビジョンが、グローバルなマネーの世界で注目の的となっていたからだ。 「この土地とこの太陽の光があるかぎり、皆さんに無料で電力を供給できます」 孫はそう述べて、インドの太陽光

                      孫正義はなぜ判断を誤り、ウィーワークを失墜させてしまったのか | 蜜月関係だった創業者との関係が破綻した理由
                    • 国家によってつくり出される「記憶喪失」─20世紀ロシアは「全体的にポジティブなものだった」 | ロシア「歴史修正主義」の主戦場・サンダルモフの森

                      焦点は西欧との「区別」 ロシアが国家として推し進める歴史観が、もっぱら「親ソビエト」的というわけでもない。1917年ロシア革命からの100周年行事も、非常に控えめな祝典だった。 じつのところ、重要なのは、帝政ロシアだろうがソ連だろうが、「偉大な国の物語」を築き上げることだけなのだ。 このロシア史の連続性という傾向は、プーチンの行動にも顕著に表れている。2000年以降、ニコライ2世とその家族を列聖したり、反ボリシェビキ派軍人の遺骨をロシアに戻したりしたことなどからも明らかだ。

                        国家によってつくり出される「記憶喪失」─20世紀ロシアは「全体的にポジティブなものだった」 | ロシア「歴史修正主義」の主戦場・サンダルモフの森
                      • 専門家が伝授! 大人になってからの「新しい友達の作り方」 | マインドセットが肝

                        大人になればなるほど、利害関係のない純粋な「友達」を新たに作るのが難しいと感じている人は多いのではないだろうか? しかし、新しく知り合った人と仲良くなるコツは意外と単純なところにあるようだ。 心理学者のマリサ・フランコ博士は7月、単身でメキシコへ休暇に出掛けた。10日後、ワシントンDCに戻ってきた彼女には、まったく新しい友達グループができあがっていた。 フランコは友人関係の研究者であり、友達作りにかけては一般人よりも一枚上手だ。そんな彼女がもっぱら友達作りのよりどころとしたのは、このほど刊行されたばかりの新著(『プラトニック:友達作りと維持に役立つ愛情学』)の準備調査で学んだ戦法だった。 フランコの友達獲得戦法の一例は、「みんなはきっと私のことが好きになる」だ。人生の移行期にいる人はどうだろう。転居したばかりの人、別れを経験した人、旅に出ている人──皆、新しい友達を欲しがっているのではない

                          専門家が伝授! 大人になってからの「新しい友達の作り方」 | マインドセットが肝
                        • 「ユヴァル・ノア・ハラリは間違っている」と公衆衛生の社会学者が論じる根拠 | ホモ・サピエンスがネアンデルタール人に勝った理由

                          世界史を病原体や伝染病と人類との関係から捉え直すと何が見えてくるのだろうか? 人類がさらに進化すれば、新たなパンデミックは防げるのか? 英国人の公衆衛生社会学者ジョナサン・ケネディに、イスラエル紙「ハアレツ」が聞く。 ジョナサン・ケネディ教授は、歴史をウイルスや細菌からつながるひと続きのものとして見ている。無数の人命を犠牲にする大疫病や伝染病は軍事クーデターや社会革命よりはるか前から存在していたし、それが人類を前進させてきた、とロンドン大学クイーンメアリー校の教授で公衆衛生社会学者のケネディは言う。 「われわれは病気を貧困と関連したものと見がちですが、ウイルス性疾患は社会発展の直接的な結果である場合が多いのです」 ケネディは「ハアレツ」紙のZoom取材に、英国ロンドンにある自宅から応じてくれた。新著『病原の起源──8つの疫病に見る世界史』(未邦訳)では、細菌やウイルスをネアンデルタール人の

                            「ユヴァル・ノア・ハラリは間違っている」と公衆衛生の社会学者が論じる根拠 | ホモ・サピエンスがネアンデルタール人に勝った理由
                          • 教授と教え子と妻─3人をめぐる2つの裁判に米紙が見た、日本の性のヒエラルキー | 「教授にセクハラされた」と訴えた教え子は、教授の妻に敗訴した

                            教授とその教え子は夕食を終えると、京都の川沿いを散歩し、途中でバーに立ち寄った。 何ヵ月もの間、2人は多くの時間を一緒に過ごしてきた。教授はすでに東京の公園で彼女に一度、キスをしていた。そしていま、バーで何杯か飲んだ後、彼は彼女を自分のホテルに誘った。そこで2人は性的関係を持ったのだが、それは自分の意思に反するものだったと教え子は言う。いっぽうで、その著名な美術史の教授は、同意の上だったと主張する。 互いの認識が一致しないこの始まりから、2人は10年にわたって内密の関係を続けた。人目を忍んで会い、色っぽいメッセージを送り合い、海外へも何度か一緒に行った。 だが、時が経つにつれて教え子は、教授が2人の間の不均衡な力関係を利用したのであり、自分は2人の関係の一切に、本当は同意したわけではないと考えるようになった。 ようやく関係を断ち切った彼女は、大学に正式に苦情を申し立て、教授をセクハラで訴え

                              教授と教え子と妻─3人をめぐる2つの裁判に米紙が見た、日本の性のヒエラルキー | 「教授にセクハラされた」と訴えた教え子は、教授の妻に敗訴した
                            • 「世界屈指の赤ちゃん輸出国」 韓国の養子縁組事業の知られざる実態 | 北朝鮮にも非難された「国ぐるみの事業」

                              過去数十年にわたり、韓国は多くの子供たちを養子として海外に送ってきた。いま、養子先の国で成長した彼らが、この国の腐敗した養子縁組制度の実態を明らかにしようと、力を合わせている。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 亡くなったはずの我が子が現れた ミア・リー・ソレンセンはオランダ人の両親から、自分は韓国にいる実親によって養子に出されたと聞かされていた。養子縁組証明書によれば、彼女は1987年に未熟児として生まれたが、両親は医療費を支払えず、我が子が海外で「幸せ」になることを望んだのだという。 しかし2022年、ソレンセンが韓国で実の両親を発見すると、彼らは娘が生きていることを信じられなかった。両親いわく、母親は出産中に気絶してしまい、目が覚めてから診療所のスタッフに、子供は亡くなったと聞かされていた。 韓国は、国際養子縁組によって海外に移住した人が世界一多い国であり、国際養子縁組の総数

                                「世界屈指の赤ちゃん輸出国」 韓国の養子縁組事業の知られざる実態 | 北朝鮮にも非難された「国ぐるみの事業」
                              • 同胞に国を売られ、米仏に利益を貪られ、破綻した貧困国ハイチの苦しみの歴史 | フランスでは教えられない、闇に葬られた過去

                                アメリカもハイチから利益を貪った その後1915年の夏、アメリカ軍はハイチに侵攻した。アメリカ政府は、ハイチがあまりにも貧しく不安定であったため、そのままにはできなかったのだと公式には説明した。 しかし他にも動機があったようだ。米海兵隊のグループがハイチの国立銀行に入り、50万ドルの金塊を持ち出したのだ。その金塊は、数日のうちにウォール街の銀行の金庫に置かれていた。数十年分の外交文書、財務報告、記録文書を調べたところ、当時、ウォール街の勢力が、ハイチとその財政を掌握するようワシントンに働きかけていたようだ。

                                  同胞に国を売られ、米仏に利益を貪られ、破綻した貧困国ハイチの苦しみの歴史 | フランスでは教えられない、闇に葬られた過去
                                • 成熟したプーチン主義者が持つ“平和的な世界観”と5つの特徴 | 彼らも「快適さと富」を求めている

                                  ウラジーミル・プーチン大統領を支持するロシア人の特徴とはどんなものなのか? 社会学者のスヴェトラーナ・ステファンソンが、SNSで話題となった「プーチン主義者との対談動画」を分析すると、5つの特徴が浮かび上がってきた──。 プーチン政権の受益者たちについて知る ロシアの人気ブロガーであるユーリー・ドゥーチと、同国の俳優オスカー・クチェーラの対談が大きな話題を呼んでいる。クチェーラはSNS「テレグラム」で愛国的な投稿をしていることで知られる。 「ロシア軍を支持する人との対話」というタイトルで1月16日に公開されたこのインタビュー映像は、同月22日時点で1700万回も再生された。 3時間近くにわたるインタビュー映像のなかで、クチェーラはロシア当局の行為を擁護する。ウラジーミル・プーチン大統領を支持するということは、彼の汚職や嘘、不法行為、そしてウクライナ人やロシア人の死を支持することだとドゥーチ

                                    成熟したプーチン主義者が持つ“平和的な世界観”と5つの特徴 | 彼らも「快適さと富」を求めている
                                  • ピーター・ターチン「米国には終焉の時代が訪れ、共和制は衰退する」 | 来るべき暴力的な激動の時代の、予測される結末は…

                                    ピーター・ターチンは1957年、ロシアの都市オブニンスクで生まれた。父はもともと物理学者で、のちに数学者にもなり、さらには反体制運動家にもなった。 ピーターがモスクワ大学の生物学部に在籍していた1977年、ターチン家はソビエト連邦から追放される。一家は米国へ移り住み、ピーターはニューヨーク大学で生物学の勉強を続けた。1985年にはデューク大学より動物学の博士号を授与されている。 1990年代後半、ターチンは奇妙な行動を起こす。新著『終焉の時代』によると、当時ターチンは、動物環境学における「興味深い諸問題」はすでに解決されていると感じていたらしい。彼は専門を歴史学に変更する。 「同じ複雑系科学のアプローチを、過去と現在における人間社会の研究に応用するにはどうしたらよいかを考えるようになりました」 ターチンとその同僚たちは、このアプローチを「クリオダイナミクス」と呼ぶ。彼らは、自分たちが人類の

                                      ピーター・ターチン「米国には終焉の時代が訪れ、共和制は衰退する」 | 来るべき暴力的な激動の時代の、予測される結末は…
                                    • ロサンゼルス市警察の「堕胎班」による取り締まりで起きていたこと | 「ロー対ウェイド判決」が覆った米国は逆行するのか?

                                      「ロー対ウェイド判決」が覆った米国は逆行するのか? ロサンゼルス市警察の「堕胎班」による取り締まりで起きていたこと 1935年に行われたモーゼス・ヤコブソン博士の裁判。ヤコブソンによる違法な中絶手術を受けた女性は、術後に死亡したとされている Photo: Los Angeles Times/TNS

                                        ロサンゼルス市警察の「堕胎班」による取り締まりで起きていたこと | 「ロー対ウェイド判決」が覆った米国は逆行するのか?
                                      • アンソニー・ホプキンス85歳「何もわからなくなるのも、人生の終わりの一部だ」 | ハリウッドの大御所が語る年を重ねるということ

                                        アンソニー・ホプキンス(85)は、今もなお予測不可能な俳優だ。映画『日の名残り』(1993)で演じた執事の眼差しや、不滅のキャラクター「ハンニバル・レクター」の狡猾そうなよだれの啜り方は、決して色あせることがない。 だがホプキンスは、過去の役者ではない。フローリアン・ゼレール監督作『ファーザー』(2020)で、『羊たちの沈黙』(1991)以来2度目となるオスカーを受賞したのは、わずか2年前のことだ。この人間ドラマでホプキンスは、認知症を抱えた老人の役に命を吹き込み、続く『The Son/息子』(2023)でも同監督とコラボレーションしている。 ジェームズ・グレイの最新作『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』でホプキンスが演じた祖父の役は、今シーズン屈指の感動を呼ぶキャラクターだ。彼はこの役を演じるうえで、自身の母方の祖父からインスピレーションを受けたという。ホプキンスの祖父は、孫が孤独な

                                          アンソニー・ホプキンス85歳「何もわからなくなるのも、人生の終わりの一部だ」 | ハリウッドの大御所が語る年を重ねるということ
                                        • 最初の一口から地獄の二日酔いまで──専門家が明かす「アルコールの真実」 | 私たちはアルコールとどう付き合うべきか

                                          赤ワインはポリフェノールが含まれているから、グラス1杯なら体に良い。飲む量を控えれば、健康に害はない──世の中には、少しでもアルコール摂取を正当化しようとする言い訳が出回っているが、果たしてそれはどこまで科学的根拠に基づいているのか。 チャールズ・ダーウィンが『人間の由来』に書いたように、「多くの霊長類は……強い酒を好む」生き物だ。人間は車輪を発明する以前からすでにアルコール飲料、つまり酒の醸造をしていた。しかしながら、私たちはアルコールが脳や体にどのような影響をおよぼすのか、どれほど理解しているだろうか? 知識はかなり蓄積されている。ここ数十年のあいだに多数の研究がされ、昔から言い伝えられてきた教訓の正しさを裏付けたり、誤りを証明したりしてきた。これまでの研究で得られた知見をいくつか紹介する。 生まれて初めてのアルコール体験 酒を生まれて初めて飲んだとき、口にふくむとほぼ同時にアルコール

                                            最初の一口から地獄の二日酔いまで──専門家が明かす「アルコールの真実」 | 私たちはアルコールとどう付き合うべきか
                                          • ビョルン・ロンボルグ「地球温暖化して悪影響が出ても、私たちの未来は明るい」 | 気候変動については落ちついてその影響を見極めるべき

                                            気候変動対策をしても人類への恩恵は限られる コペンハーゲン・コンセンサス・センターの創設者ビョルン・ロンボルグは、気候変動の危機が近年煽られ過ぎていると主張する。しかし、彼は気候変動という事実を疑っているのではなく、まずは落ち着いて考えようと訴えるのだ。 2001年刊行の著書『環境危機をあおってはいけない』に関しては、一部の専門家から科学的に不正確だと批判されたが、ロンボルグは人類のイノベーション力に絶大の信頼を寄せる。 ロンボルグは単におめでたい人なのか。それとも危険人物、あるいは楽天家なのか。彼にタブーなしのインタビューをおこなった。 ──気候変動への不安が煽られ過ぎているとご指摘されています。なぜですか。 コペンハーゲン・コンセンサス・センターでは世界の資源をどう使えば人類への恩恵が最大になるかを研究していますが、気候変動に対する関心は高くありません。なぜなら同じ1ドルを使うにも、気

                                              ビョルン・ロンボルグ「地球温暖化して悪影響が出ても、私たちの未来は明るい」 | 気候変動については落ちついてその影響を見極めるべき
                                            • 震災で、空襲で、バブルで、そして「再開発」で… またも消される東京の魅力 | 神宮外苑再開発に「ル・モンド」は何を思う

                                              明治神宮の創建以来、100年以上守られてきた景色は、変わってしまうのだろうか。大規模な反対運動を引き起こし、物議を醸している東京・神宮外苑の再開発事業。仏紙「ル・モンド」の東京特派員、フィリップ・ポンスは、東京が数ある平凡な大都市の一つになりつつあると懸念する。 近代史のなかで、東京は時代への大いなる適応力を発揮してきた。その一方、過去の遺産を消し去り尽くすことで、恐ろしく似たり寄ったりな、アジアの巨大諸都市の一つにならんとしている。そしてそのことは、多くの東京都民も認識している。 神宮外苑地区の再開発計画に対して、反対運動が起こっている。明治神宮外苑の並木通りには、道路の両側にそれぞれ二列ずつ、300mにわたって樹齢100年を超えるイチョウが立ち並んでいる。再開発が進められれば、この並木にも影響が及び、神宮外苑の樹木約1000本が切り倒されることになる。 これは、2020年の東京オリンピ

                                                震災で、空襲で、バブルで、そして「再開発」で… またも消される東京の魅力 | 神宮外苑再開発に「ル・モンド」は何を思う
                                              • プーチンが世界中に潜伏させていた「スリーパーセル」を起動しはじめた | ロシアのスパイ活動に変化

                                                ロシア政府は外交官という名目で世界中にスパイを派遣していたが、ウクライナ侵攻後、各国はロシア外交官を追放した。従来の諜報活動が難しくなったロシアはいま、眠らせていたスリーパーセル(潜伏工作員)を起こしはじめている。 ロシアのスパイが次々と“身バレ” スロベニアに住むアルゼンチン人夫妻、アテネで毛糸店を営むメキシコ系ギリシャ人の写真家、そして英国で逮捕された3人のブルガリア人……。この1年ほどの間に、世界中の警察や治安当局が、一見普通の生活を送っている多くの人々をロシアの諜報員や工作員として告発してきた。 ベルリンの英国大使館に勤務していた警備員は、ロシアに情報を流した罪で禁固13年を言い渡された。ポーランドでは、十数人がロシアの情報機関のためにさまざまな任務を遂行していたとして逮捕されている。 冒頭で述べた3人のブルガリア人に関しては、すでに2月に身柄を拘束されており、最近になって逮捕され

                                                  プーチンが世界中に潜伏させていた「スリーパーセル」を起動しはじめた | ロシアのスパイ活動に変化
                                                • 「欧米大学を卒業しても就職できない」いま中国で急速に“海外留学離れ”が加速している | 中国の大学の方が就職には有利

                                                  いま中国では「海外大学の学位」がこれまでとは違って就職活動で不利に働いているようだ。中国の大学の「世界大学ランキング」が上昇するにつれて、海外留学は勉強のできない人の「逃げ道」だと見られている。香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が報じる。 「海外大学卒業」というブランドが、中国国内での就職で意味をなさなくなってきている。 一部の地域では「西洋が最高」という考え方があるものの、就職市場では国内の学位取得者のほうが有利と考える人たちが増えてきているのだ。 教育省の統計によると、2019年に留学した中国人の総数は70万3500人だった。2019年から2020年度には、イギリスだけで新たに10万人以上の学生が送り出され、前年の20%増を記録していたことが、イギリスに拠点を置く高等教育統計庁の調べでわかっている。 比較的裕福な家柄の学生にとって、イギリスは相変わらず人気の留学先だ。しかし

                                                    「欧米大学を卒業しても就職できない」いま中国で急速に“海外留学離れ”が加速している | 中国の大学の方が就職には有利
                                                  • 「日本食に欠かせない“あの食材”が危機に瀕している」─米紙が見た日本の「ワサビ危機」 | 日本一の産地・静岡県で生産量が“半減”

                                                    ワサビ栽培に山積する問題 浅田充康はこの30年間、山の斜面にある青々としたワサビ田を、誇りをもって管理してきた。ここは、彼の父と祖父がワサビを育ててきた場所でもある。 しかし、まだ56歳という年齢で、浅田はすでに引退を考えている。寿司や蕎麦に必須の薬味であり、日本食に欠かすことのできないワサビは現在、多くの危機に直面しており、浅田はそれに疲れ果てているのだ。 気温の上昇により、浅田の育てるワサビはカビに弱くなり、腐りやすくなった。予測できない降水や豪雨による洪水、威力を増す台風などが、浅田を悩ませている。

                                                      「日本食に欠かせない“あの食材”が危機に瀕している」─米紙が見た日本の「ワサビ危機」 | 日本一の産地・静岡県で生産量が“半減”
                                                    • 孫正義の「右腕」マルセロ・クラウレが突然の退任を発表した舞台裏 | ソフトバンクグループを支える「問題解決役」だったが……

                                                      英半導体メーカーのアームの米エヌビディアへの売却を断念したソフトバンク。同社は、保有するテクノロジー株の下落などによって難しい局面にある。そんななかで孫正義の右腕としてグループを支えてきた大物幹部が退任した──その裏に何があったのか、英経済紙が探った。 グループの困難を乗り切ってきた大物幹部 2022年1月末、ソフトバンクグループ副社長兼最高執行責任者であったマルセロ・クラウレが退任した。 英紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、彼は社内の問題解決役で、この8年間、投資がうまくいかないときに孫正義が直接解決を依頼していたほどの腹心だったという。 クラウレはボリビア出身の起業家で、ソフトバンクが買収したスプリントのCEOに2014年に任命され、難関を乗り越えてTモバイルとの合併を2020年に完了させた。その後、WeWorkなど複数の不振事業を立て直すのに貢献してきた。 また、ソフトバンクの

                                                        孫正義の「右腕」マルセロ・クラウレが突然の退任を発表した舞台裏 | ソフトバンクグループを支える「問題解決役」だったが……
                                                      • スタジオジブリ鈴木敏夫が英紙に語る「作品をつくるときは、日本の観客のことしか考えていない」 | 親友3人組が生んだ、夢の工房

                                                        『となりのトトロ』『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』に『風立ちぬ』──タイトルをいくつか挙げただけでも、それぞれの思い出が蘇ってくる人は多いのではないだろうか。 私たち日本人にとって、ジブリ作品は幼いときの幸せな記憶であり、10代で見た青春の夢だ。そして大人になってまた見返せば、そこには懐かしさだけでなく社会に潜む問題に光をあてる鋭い視点があることにも気がつく。 高畑勲が亡くなり、現在はコロナ禍にあって作品づくりもかつてのようにはいかないが、それでも「ただ良いものを作りたい」という直向きな思いで宮崎駿と鈴木敏夫は、スタジオをまわし続けている。 日本では、数週間にわたって新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態措置が全国的にとられ、他国同様、巣ごもりによるストレスが溜まっていた。とくに子供たちは怖がっていたし、退屈もしていた。 「ちょうど

                                                          スタジオジブリ鈴木敏夫が英紙に語る「作品をつくるときは、日本の観客のことしか考えていない」 | 親友3人組が生んだ、夢の工房
                                                        • アップル「Vision Pro」を着けたまま24時間過ごしてわかったこと | 仕事や動画視聴、料理、スキーをした結果…

                                                          アップルの複合現実ヘッドセット「Vision Pro(ビジョンプロ)」をほぼ24時間ぶっ続けで装着してみた結果、驚いたことがいくつかあった。 1. 吐かなかった 2. 多くの仕事をこなせた 3. おいしい料理を作れた それともう一つ。筆者のペルソナ(ビデオ通話用のアニメーションのアバター)にあなたは夢でうなされるだろう。 筆者は先週、スマートフォン後の未来に関するアップルの最も大胆な賭けとなるビジョンプロをテストした。重さ約635グラムのゴーグルを着けると、リビングルームにアプリが浮かんでいるのが見える。イライラするほど散らかったリビングルームを仮想現実(VR)の世界に変えれば、ハワイの火山の火口に据えられた巨大なスクリーンで3D映画を視聴できる。 最初にはっきりさせておこう。あなたは恐らく3500ドル(約51万円)するアップルのビジョンプロを買わないだろう。アプリ開発者やアップルの筋金入

                                                            アップル「Vision Pro」を着けたまま24時間過ごしてわかったこと | 仕事や動画視聴、料理、スキーをした結果…
                                                          • 英紙が徹底取材「統一教会の正体は、宗教の名を借りたビジネス組織だ」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

                                                            現代も行われる世界平和統一家庭連合による合同結婚式(写真は2018年8月の韓国でのもの) Photo: Chung Sung-Jun / Getty Images 安倍元首相殺害がきっかけで再び注目を浴びる旧統一教会。何十年も前から問題を起こしてきた同団体は一体どんな組織なのか? 巨大なビジネス利権を抱える同団体はそもそも宗教と言えるのか? 英紙「フィナンシャル・タイムズ」が、その謎に包まれた正体に迫った。 【動画で見る】桜田淳子と山崎浩子が参加した合同結婚式の様子 巨大なビジネス帝国を築いた統一教会元オリンピック新体操選手の山崎浩子は、1992年8月に、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)によってソウルで開催された合同結婚式に参加した。しかし、その7ヵ月後、彼女の行方はわからなくなった。 広範囲な捜索後、彼女は46日後に突然姿を現し、統一教会での体験について記者会見で次のように語った。

                                                              英紙が徹底取材「統一教会の正体は、宗教の名を借りたビジネス組織だ」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
                                                            • ロシア反体制派の英雄ナワリヌイが獄中から語る「ロシアの未来にまつわる15の原則」 | 「われわれはいま、どん底にいる」

                                                              ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年を機に、ロシア反体制派のリーダーで服役中のアレクセイ・ナワリヌイが、現在の戦争について、また戦後ロシアをどうすべきかについて、自身の政治綱領を発表。その「15の原則」を、ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」が紹介している。 アレクセイ・ナワリヌイは、ロシアの体制を公然と批判してきた活動家だ。2018年には、ウラジーミル・プーチンと争うべくロシア大統領選に出馬を表明したこともある。 2020年には、何者かによる毒殺未遂で昏睡状態に陥り、ドイツで療養。2021年1月に帰国直後、拘束され、過去の詐欺事件に関して禁錮2年8ヵ月の実刑判決を受けた。 2022年3月には、その刑期を9年へと大幅に延長する判決が下され、5月に控訴するも棄却されている。 「メドゥーザ」は2014年に設立され、ラトビアを拠点に活動しており、ロシアで最も読まれているニュースサイトのひとつだ

                                                                ロシア反体制派の英雄ナワリヌイが獄中から語る「ロシアの未来にまつわる15の原則」 | 「われわれはいま、どん底にいる」
                                                              • 「スーパーアプリ」を制するものが史上最大の価値を持つ企業になる | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」

                                                                ついに※1。 2年前、私はツイッターの会長宛に手紙※2を書き、ジャック・ドーシーCEOを交代させるべきだと忠言した。というか、より正確には、取締役会にフルタイムのCEOを任命すべきだと勧めた。自分の時間の90%を別の会社※3の経営に費やし、1年の半分を別の大陸で過ごそうと計画している経営者※4は、微々たる配当金を生み出す秘訣に思えた。ネタばれになるが、実際その通りだった。 今年2月、株主のために行動する取締役が取締役会に加わったことで、私はドーシーが年末までに交代するだろうと予測した※5。ジャックがCEOに返り咲いた日から退任するまでのあいだ(6年間)に、ツイッターの株価は33%上昇した。一方、S&P500、フェイスブック、グーグルの上昇率は、それぞれ121%、283%、447%だった。 次なる私の予測は何かって? ツイッターは2022年末までに買収されるだろう。可能性が高い買い手はセール

                                                                  「スーパーアプリ」を制するものが史上最大の価値を持つ企業になる | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
                                                                • K-POPは「黒人差別」と「文化盗用」の歴史を精算できるか─BLM支持は口先だけ? | ブラックミュージックにインスパイアされたのに…

                                                                  アメリカでも人気のK-POPは、黒人差別に抗議する「Black Lives Matter」運動に支持を表明したり寄付を行ったりした。だが一部のファンや識者たちは、それだけでは不十分だと指摘していると米紙は報じる。そう遠くない昔、K-POP業界で“顔の黒塗り”や“文化の盗用”が繰り返された過去にも向き合うべきだという声が高まっているのだ。 ソウルに黒人の居場所はなかった アレクサンドラ・リード(28)は、居場所のなさをずっと感じていた。 リードはガールズグループ「BP RaNia」のメンバーになる契約を結び、ソウルで2年間生活した。K-POP初の黒人アーティストのひとりだった彼女は、単なる客寄せの目玉ではなく、「K-POPミュージックの真の進化」に貢献すべく溶け込もうと必死だったという。 だが、自分がそこにいることが「場違い」だと感じずにはいられなかった。食事の注文の仕方やエアコンの操作方法

                                                                    K-POPは「黒人差別」と「文化盗用」の歴史を精算できるか─BLM支持は口先だけ? | ブラックミュージックにインスパイアされたのに…
                                                                  • ソーア・ハンソン「私たちは間違ったやり方で気候危機に対処してきた」 | 気候変動を正しく理解するためには

                                                                    もし私たちが、これまで間違ったやり方で気候危機に対処してきたとしたら? 迫り来るとされる大惨事を列挙することや、気候変動をめぐってよく聞かれる批判が、逆にこの問題に対する反感や強い無関心を生んでしまうとしたら? もし、庭を観察するというごくシンプルなことのほうが、もっと役に立つとしたら? これらはいずれも、米国の保全生物学者ソーア・ハンソンがその著書『ハリケーン・トカゲとプラスチック・イカ』(未邦訳)で支持している見解だ。本書は面白いだけでなく、教育的な秀作でもある。 望むと望まざるとにかかわらず、私たちはすでに気候変動を生きている。そして生き物たちはこの変化に適応するため、すでに変わりつつある。 ハンソンの著書のタイトルにあるトカゲはその一例だ。近年、ハリケーンに襲われることが増えたアノールトカゲなどの一部のトカゲは、よりしっかり木につかまるために手を進化させた。もし生物を観察して学ぶこ

                                                                      ソーア・ハンソン「私たちは間違ったやり方で気候危機に対処してきた」 | 気候変動を正しく理解するためには
                                                                    • 私が親だと思っていた人は、実の両親を殺した犯罪者だった | アルゼンチンの「盗まれた子供たち」の子孫が見つかりはじめ…

                                                                      アルゼンチンの「盗まれた子供たち」の子孫が見つかりはじめ… 私が親だと思っていた人は、実の両親を殺した犯罪者だった ブエノスアイレスで、子供を連れ去られた母親たちがデモをしている様子(1982年撮影) Photo by Horacio Villalobos/Corbis via Getty Images

                                                                        私が親だと思っていた人は、実の両親を殺した犯罪者だった | アルゼンチンの「盗まれた子供たち」の子孫が見つかりはじめ…
                                                                      • 哲学者ホセ・アントニオ・マリーナ「人々が『自身の幸福』の内に閉じ込められていくことは惨事だ」 | 私たちは知的に再武装しなければならない

                                                                        行動は、欲望、情熱、恐怖、つまり情動によって引き起こされます。明確な欲望に動かされて決断を下す人物たちがいて、彼らが他者を巻き込むと、集合的な欲望が形成されます。それが歴史を変える要因となるのです。 たとえばロシアのプーチン大統領は、欲望に衝き動かされてウクライナ侵攻を決断しました。権力を行使したいという欲望、自分の金とロシアの偉大さを守りたいという欲望、西側に復讐したいという欲望──何でもいいですが、とにかくそれは「欲望」であり、論拠はそのあとに生まれます。 プーチンは演説のなかで、戦争を正当化するために西側に対する恐怖と、ロシアの偉大さを取り戻す必要性、そして彼が望む徴兵の必要性をロシア国民のうちに目覚めさせようとしました。論拠だけで人々を徴兵することはできません。論拠が欲望と結びつく必要があるのです。権力は、最大の欲望の一つです。そしていかなる権力も、国民が服従しなければなりません。

                                                                          哲学者ホセ・アントニオ・マリーナ「人々が『自身の幸福』の内に閉じ込められていくことは惨事だ」 | 私たちは知的に再武装しなければならない
                                                                        • ピケティも称賛する若き経済学者が提唱─従業員に権力を与える「職場の民主主義」とは | いまの企業は「慈悲のある独裁状態」だ

                                                                          ダニエル・チャンドラーは新著『自由と平等』で、格差のない社会を実現するために、企業内のヒエラルキーを見直し、従業員により多くの権限を与えるべきだと訴える。『21世紀の資本』で知られるトマ・ピケティや、ノーベル経済学賞受賞者のアマルティア・センらに高く評価された気鋭の経済学者を、英紙が取材した。 企業を動かしているのは、誰か? コロナ禍が落ち着いた後、「柔軟な働き方を求める従業員の声に応え、自由主義的な価値観を擁護しなければならない。従業員のメンタルヘルスや、個人的な事情に配慮する必要もある」と嘆く経営者は多い。ミレニアル世代やZ世代はこうしたことを企業に期待するからだ。 だが、経済学者のダニエル・チャンドラー(37)に言わせれば、このような要求を聞き入れてもらえるのはホワイトカラーの高給取りのみだという。 英国企業の場合、権限を握っているのはたいてい経営のトップだ。ドイツやフランスでは、企

                                                                            ピケティも称賛する若き経済学者が提唱─従業員に権力を与える「職場の民主主義」とは | いまの企業は「慈悲のある独裁状態」だ
                                                                          • 元イスラエル軍戦闘兵「互いのトラウマに向き合わずして前進の道なし」 | 米大手ユダヤ系メディアに寄稿

                                                                            「パレスチナ問題」が解決に向けて前進する道はあるのか? イスラエル国防軍の戦闘兵として兵役に服したユダヤ人男性が、生々しい経験に基づいた持論を米大手ユダヤ系メディア「フォワード」に寄稿。その全訳をお届けする。 この記事は米大手ユダヤ系報道機関「フォワード」で最初に掲載されたものです。フォワードの無料ニュースレター登録はこちら。 第2次インティファーダ(2000年代のパレスチナ人民衆蜂起)勃発中のエルサレムで育つと、子供が問うべきでない問いを発することに慣れてしまう。 自分が乗っているこのバスは爆発するのかな? あれは両親や友達への最後のさよならだったの? 誰がこんなことを僕たちにできるの? なんで? 18歳になると、その死活問題はなおさら絶え間ないものになる(イスラエルには徴兵制があり、おもに18歳から男性は最短で32ヵ月、女性は24ヵ月の兵役に就く)。兵役義務でどこに行くのか? 戦争に派

                                                                              元イスラエル軍戦闘兵「互いのトラウマに向き合わずして前進の道なし」 | 米大手ユダヤ系メディアに寄稿
                                                                            • 「我々の前に中国は無力だ」 台湾・半導体TSMC創業者が断言 | 巨大企業を一代で築いた男が語る半生

                                                                              台湾の首都・台北市街と、それを取り巻く緑に覆われた山々を見下ろすオフィスで、モリス・チャン(張忠謀、92)はテクニカラーのパターンが刻印された古い本を手にとった。 『超LSIシステム入門』(培風館)と題されたその本は、難解なコンピューターチップの設計を解説した大学院レベルの教科書だ。チャンはその本をうやうやしくこちらに見せた。 「重要なのは、1980年という出版年です」 同書はパズルの「最初の1ピース」となり、チャン自身のキャリアのみならず、世界の電子産業を変えた。 「最も不安定な場所」にある巨大企業 チャンはこの教科書を読み、コンピューターの頭脳として機能するマイクロチップ(半導体素子)の生産工程を設計と製造に分けることができるかもしれないとひらめいた。それは、当時の半導体業界の常識とは正反対の発想だった。 当時エンジニアだったチャンは54歳で、多くの人が引退を考えはじめる年齢に達してい

                                                                                「我々の前に中国は無力だ」 台湾・半導体TSMC創業者が断言 | 巨大企業を一代で築いた男が語る半生
                                                                              • アフリカで起きた「中国人惨殺事件」が暴露した習近平とワグネルの“不協和音” | 誰の怒りを買ったのか?

                                                                                2023年3月、中央アフリカ共和国の金鉱山で、9人の中国人労働者が殺害された。同国政府は、地元の反政府武装勢力の犯行と発表したが、この奇妙な殺人事件の背後には中国とワグネルの私欲にまみれた確執があると専門家は指摘する。 2023年3月、在中央アフリカ共和国(CAR)中国大使館は、次のような厳しい警告を発した。 「外国人を狙った誘拐が増加している。首都バンギにいる在留中国人はそこから離れてはならない。それ以外の地域にいる人は、ただちに退去せよ」 それから1週間も経たないうちに、銃で武装した集団が金鉱山で働く9人の中国人労働者を惨殺した。 不可解な殺人事件 鉱山は、バンギから北東に車で数時間ほど行ったところにあり、被害者は中国企業ゴールドコーストグループで働いていた。事件は、同社が金鉱山で採掘を始めてすぐの、3月19日に起きた。 中央アフリカ政府は捜査の結果、国内の有力な反政府勢力「変化のため

                                                                                  アフリカで起きた「中国人惨殺事件」が暴露した習近平とワグネルの“不協和音” | 誰の怒りを買ったのか?
                                                                                • 偉大な哲学者たちの言葉に学ぶ「より良い人生を送るための10ヵ条」 | 歴史に名を残す賢人らが語る「知性的な徳」の身につけ方

                                                                                  人間と他の動物の大きな違いは、複雑で抽象的な問題について考える能力にある。この並外れた能力によって、人間は多様な文化を育み、科学を発展させ、未来を想像し、そして(願わくは)過去よりも良い未来を作り上げてきた。 しかし、人間の不完全な心は恐ろしい過ちや危険なイデオロギーも生み出した。悪い考えと良い考えを区別する方法を知らなければ、私たちは信じるべきではないことを信じ、自分にも他者にも、果ては地球にも害を及ぼす行動をとってしまう可能性がある。 考えることの専門家といえば、もちろん哲学者だ。哲学は、誤った考えを避け、演繹的推論と帰納的推論、破綻した議論と正しい議論を区別するための形式的な方法だと考えられることが多い。 こうした役割が重要であることは確かだが、哲学は単なる技法と捉えるべきではない。「よく考える」ためには適切な態度を身につけ、効果的な習慣を育てる心構えが必要だ。そのような「知性的な徳

                                                                                    偉大な哲学者たちの言葉に学ぶ「より良い人生を送るための10ヵ条」 | 歴史に名を残す賢人らが語る「知性的な徳」の身につけ方