並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

321 - 360 件 / 581件

新着順 人気順

Courrierの検索結果321 - 360 件 / 581件

  • アフリカで起きた「中国人惨殺事件」が暴露した習近平とワグネルの“不協和音” | 誰の怒りを買ったのか?

    2023年3月、中央アフリカ共和国の金鉱山で、9人の中国人労働者が殺害された。同国政府は、地元の反政府武装勢力の犯行と発表したが、この奇妙な殺人事件の背後には中国とワグネルの私欲にまみれた確執があると専門家は指摘する。 2023年3月、在中央アフリカ共和国(CAR)中国大使館は、次のような厳しい警告を発した。 「外国人を狙った誘拐が増加している。首都バンギにいる在留中国人はそこから離れてはならない。それ以外の地域にいる人は、ただちに退去せよ」 それから1週間も経たないうちに、銃で武装した集団が金鉱山で働く9人の中国人労働者を惨殺した。 不可解な殺人事件 鉱山は、バンギから北東に車で数時間ほど行ったところにあり、被害者は中国企業ゴールドコーストグループで働いていた。事件は、同社が金鉱山で採掘を始めてすぐの、3月19日に起きた。 中央アフリカ政府は捜査の結果、国内の有力な反政府勢力「変化のため

      アフリカで起きた「中国人惨殺事件」が暴露した習近平とワグネルの“不協和音” | 誰の怒りを買ったのか?
    • 偉大な哲学者たちの言葉に学ぶ「より良い人生を送るための10ヵ条」 | 歴史に名を残す賢人らが語る「知性的な徳」の身につけ方

      人間と他の動物の大きな違いは、複雑で抽象的な問題について考える能力にある。この並外れた能力によって、人間は多様な文化を育み、科学を発展させ、未来を想像し、そして(願わくは)過去よりも良い未来を作り上げてきた。 しかし、人間の不完全な心は恐ろしい過ちや危険なイデオロギーも生み出した。悪い考えと良い考えを区別する方法を知らなければ、私たちは信じるべきではないことを信じ、自分にも他者にも、果ては地球にも害を及ぼす行動をとってしまう可能性がある。 考えることの専門家といえば、もちろん哲学者だ。哲学は、誤った考えを避け、演繹的推論と帰納的推論、破綻した議論と正しい議論を区別するための形式的な方法だと考えられることが多い。 こうした役割が重要であることは確かだが、哲学は単なる技法と捉えるべきではない。「よく考える」ためには適切な態度を身につけ、効果的な習慣を育てる心構えが必要だ。そのような「知性的な徳

        偉大な哲学者たちの言葉に学ぶ「より良い人生を送るための10ヵ条」 | 歴史に名を残す賢人らが語る「知性的な徳」の身につけ方
      • ジョン・マエダ「テクノロジーの時代を誰よりも理解しているのは芸術家だ」 | AIが賢いわけではない

        ジョン・マエダはニューヨーク近代美術館(MoMA)に作品が展示されているコンピュータ・アーティストだ。そして、『シンプリシティの法則』や『機械の言葉を話す方法』(未邦訳) などのベストセラー作家でもある。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの教授を務めた経歴があり、マイクロソフトのデザイン&AI統括責任者も務めている。 1966年、シアトルに生まれた「ジョン・マエダ」とは一体、何者なのか。スペイン「エル・ムンド」紙が、さまざまな顔を持つ世界的デザイナーの素顔を探った。 「ヒューマニスト・テクノロジスト」とは ──数学者、芸術家、プログラマー、作家、企業幹部……。あなた自身にとって、ジョン・マエダとは何者なのでしょうか? 何者か? 私には、88歳と89歳の年老いた両親がいます。人生の終わりがどんなものか、それがどんなに辛いものかを理解するため、できるだけたくさんの時間を彼らと過ごそ

          ジョン・マエダ「テクノロジーの時代を誰よりも理解しているのは芸術家だ」 | AIが賢いわけではない
        • 英誌がベトナムの学校教育を「世界最高レベル」と称賛─徹底した「教師の育成」が鍵 | 男女差・地方格差もなし

          ベトナムは、東南アジア諸国のなかでも急速な経済成長を遂げている。IMF(国際通貨基金)によれば、今後5年の成長率は6%を超えると推測され、人口もまもなく1億人に達すると言われている。 この発展を支えるのが、質の高い教育だ。先進国にも引けを取らない子供たちの優秀な学力の秘密を英誌が探った。 教育の質を常に改善 「10年後の利益ためには、木を植えなければならない。100年後の利益のためには、人を育てなければならない」──ベトナム建国の父ホー・チ・ミンは口癖のようにこう話していたという。彼は、母国の発展への道筋を明確に描いていた。 ベトナムは、世界で最も優れた学校教育システムを持つ国のひとつだ。同国の子供たちは読解力、数学、科学の能力を調べる国際テストで、優秀な成績を収めている。 世界銀行によれば、ベトナムの学生の成績は同じ東南アジアのマレーシアやタイだけでなく、英国やカナダといった自国より6倍

            英誌がベトナムの学校教育を「世界最高レベル」と称賛─徹底した「教師の育成」が鍵 | 男女差・地方格差もなし
          • 米紙が報じた「山上容疑者の母親と“統一教会”」 安倍元首相殺害と宗教 | 日本のメディアは「特定の宗教団体」のままだけど

            安倍元首相殺害の容疑者は、「特定の宗教団体への恨み」から犯行に至ったと供述していると、日本のメディアは伝えている。だがその宗教団体とはどこなのか? 日本の大手報道機関が団体名を報じないなか、米紙ワシントン・ポストが統一教会に接触した。 「容疑者の母親は信者です」 安倍晋三元首相が殺害された事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)は、ある宗教団体を恨んでおり、その団体と安倍がつながっていると思い狙ったと、捜査官らに語っている。山上の母親はその宗教団体の信者であり、多額の寄付をしたために破産したと、日本のメディアは警察からの情報を引用して報じている。 本紙ワシントン・ポストは7月10日、世界平和統一家庭連合(統一教会)の日本本部に電話をかけ、山上の母親が信者であることを確認した。

              米紙が報じた「山上容疑者の母親と“統一教会”」 安倍元首相殺害と宗教 | 日本のメディアは「特定の宗教団体」のままだけど
            • インフルエンサーが飛行機で「マスクなしパーティー」を開いて大問題に | 酒とたばこで踊りまくる…

              世界中で新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、インフルエンサーらが飛行機内で大人数のマスクなしパーティーを開催し、大問題に発展している。 まずは動画を見てほしい。インターネット上で拡散された動画には、飛行機内で、多くの人々がアルコールを手に、楽しむ様子が映し出されている。 問題が起こったのは、カナダの航空会社「サンウィング・エアラインズ」の飛行機内だ。メキシコに向かう機内には、人気リアリティ番組「ラブ・アイランド」の関係者らが搭乗していた。 Ce qui devait arriver arriva. Sunwing aurait décidé d’annuler le vol qui devait ramener une centaine de Québécois demain soir à Montréal, au lendemain d’images-chocs publié

                インフルエンサーが飛行機で「マスクなしパーティー」を開いて大問題に | 酒とたばこで踊りまくる…
              • 侵攻下におけるウクライナの「イメージ作り」 担っているのはPR企業だった | 【Eye Spy】情報の「武器化」に成功している

                日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回取り上げるのは、ウクライナが世界を味方につけるために行ってきた「PR戦略」について。 ウクライナはSNSでも優勢 ロシアによるウクライナ侵攻は、2月24日に始まってから100日以上経ってなお、動向が日本でも注目されている。 今回の侵攻でよく話題に上がるのが、ウクライナとロシアの情報戦だ。現実にはアメリカやイギリス、NATO諸国などがウクライナの情報工作を支えている。そのためにロシアは圧倒されており、勝ち目なしの状況にあると言っていい。 ウクライナ側が世界へ喧伝することに成功している今回の侵攻のイメージは、ロシアの残虐性に対してウクライナが粘り強く自衛しているということ。ロシアの軍事戦略が脆弱で

                  侵攻下におけるウクライナの「イメージ作り」 担っているのはPR企業だった | 【Eye Spy】情報の「武器化」に成功している
                • 天才指揮者ダニエル・バレンボイムが語る、6歳で受けた「人生最良のアドバイス」 | 「もしもあのとき〜だったら……」

                  ドイツ・ベルリンの住宅街。庭に囲まれた美しい家に、80歳になったダニエル・バレンボイムは暮らしている。偉大な指揮者でありピアニストである彼は、世界でもっとも名高い楽団を指揮し、もっとも美しい交響曲、協奏曲を演奏してきた。 アルゼンチンに生まれ、イスラエルに移住。複数のパスポートを持つ。スペインだけでなく、イスラエルとパレスチナ……彼はこの2つの国民の和解に向けて、懸命に働きかけもしてきた。 「もしも〜だったら、いまの自分はない」を主題に、仏紙「ル・モンド」が、音楽と平和に捧げられたバレンボイムの人生における決定的瞬間を聞く。 「もしも〜だったら……」 もしも私がピアノ教師の両親のもとに生まれた一人息子でなかったら、いまの私はないでしょう。 私は1942年11月にアルゼンチンで生まれました。当時は第二次世界大戦の真っ只中で、世界中がナチスに脅かされていました。私の家族はユダヤ人で、両親ともに

                    天才指揮者ダニエル・バレンボイムが語る、6歳で受けた「人生最良のアドバイス」 | 「もしもあのとき〜だったら……」
                  • 名門コロンビア大が「大学ランキング」不参加を表明 データ操作がバレた? | きっかけは数学教授の疑問

                    コロンビア大学は6月30日、米誌「USニューズ&ワールド・レポート」が毎年発表している「大学ランキング」に今年は参加を見送ると発表した。同誌に提出するデータの信ぴょう性について、同大学の教授が疑問を呈したからだという。 この秋に発表される2023年版「全米大学ランキング」用のデータ提出期限は7月1日だった。学長のメアリー・ボイスが出した声明によると、現在、提出予定だったデータの見直し作業が行われている。 疑問を呈したのは、コロンビア大の数学教授であるマイケル・タデウス。昨年に同大学が提出したデータについて、今年2月に問題を提起したという。 コロンビア大学は昨年秋に発表された2022年版ランキングで、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学と並んで全米2位に上昇していた(1位はプリンストン大学)。

                      名門コロンビア大が「大学ランキング」不参加を表明 データ操作がバレた? | きっかけは数学教授の疑問
                    • 英誌が分析、中国より日本の開発援助がアジアで「圧倒的に愛される理由」 | 控えめだけど「地元目線で息の長い支援」

                      強大な経済力のもと、途上国で次々と大型の開発援助プロジェクトを展開する中国。その影に隠れ、日本の国際的なプレゼンスは弱まる一方だと感じる人も多いだろう。だが、英経済誌によれば、アジア太平洋地域で「最も信頼されている援助国」は日本だという。 「最大の援助国・中国」が揺らいでいる アジア太平洋地域はダイナミックに変化しているが、開発が必要な場所はまだ膨大に残っている。 アジア開発銀行(ADB)は、2030年までの同地域の開発需要を年間1.7兆ドル(約255兆円)と見積もる。 経済の急成長に伴い、交通インフラや発電所の建設、IT分野へのニーズが特に大きい。さらにアジア太平洋地域の大部分はいまなお貧しく、教育や医療へのアクセスの悪さや失政、気候やその他の自然災害に対する脆弱性を抱えている。しかもそれは、新型コロナのパンデミック以前からの課題だった。

                        英誌が分析、中国より日本の開発援助がアジアで「圧倒的に愛される理由」 | 控えめだけど「地元目線で息の長い支援」
                      • 富を手に入れ、生き延びるために“夫を買う”──北朝鮮経済を影で動かす「闇市の女たち」 | 金銭の搾取に性暴力…女性たちの受難は続く

                        ソル・ソンギャは、自分にも「夫を“買う”とき」がきたことを覚えている。 1960年代後半生まれのソルは、北朝鮮の工業都市、順川(スンチョン)で貧困と空腹のうちに育った。 成人したソンは建設現場で働きはじめる。その数年後の1990年代初頭、彼女の母親が勤めていた製薬工場から持ち出したペニシリンをこっそり売るようになった。そこから彼女の人生は変わった。 当時、旧ソ崩壊のあおりを受けた北朝鮮では国内経済と食糧配給制度が破綻し、深刻な飢きんが起きていた。このとき、数百万人が餓死したと言われている。化学者だった母から専門知識を叩き込まれたソルは、家計を助けるために薬の生産に乗り出す。数人の従業員を雇用し、公安当局に賄賂を渡し、自力でカネを稼ぐようになった このままビジネスを続けていくには、身分の低さを補ってくれる政治的なコネを持つ夫が必要だと、ソルは考えた。北朝鮮には政治的な身分制度「出身成分」があ

                          富を手に入れ、生き延びるために“夫を買う”──北朝鮮経済を影で動かす「闇市の女たち」 | 金銭の搾取に性暴力…女性たちの受難は続く
                        • 偉大な英雄か、冷酷な怪物か… 没後200年、いま改めてナポレオンを問い直す | 世界は決して彼を「キャンセル」できない

                          ナポレオン・ボナパルトが幽閉の地、セントヘレナ島で没してから今年で200年。フランスでは、さまざまな記念行事が計画されている。一方で、彼による「負」の歴史を理由に、そうした行事を「キャンセル」しようとする動きも見られる。 大統領エマニュエル・マクロンもまた、その存在の「複雑」さから、祝福も批判もできず、命日である5月5日を前に頭を悩ませているのだ。つまり、死後200年経っても、マクロンは、フランスは、そして世界はまだ、その人をどう捉えるべきか答えを見つけられないでいる。 パリの街には、フランスの有名な軍人や戦闘、条約の名を冠した通り、橋、駅などが多く存在する。しかし、「ナポレオン・ボナパルト」、その人の名を持つ道や広場、大通りはない──左岸にある狭い「ボナパルト通り」を除いては。 21世紀のフランスにおいて、ナポレオンはどこにでも存在すると同時に、どこにも存在しないのだ。 1804年に公布

                            偉大な英雄か、冷酷な怪物か… 没後200年、いま改めてナポレオンを問い直す | 世界は決して彼を「キャンセル」できない
                          • 「欲望」をマネジメントに生かす──追うべきは「プラトン発スピノザ行の道」 | アンドレ・コント=スポンヴィルが哲学で紐解くマネジメント

                            鍵は「プラトン発スピノザ行」の上昇の道 哲学では欲望について主要な理論が二つあります。一つ目はプラトンの理論で、これは「欲望とは欠乏だ」と考えます。 「私たちが持っていないもの、私たちがなれないもの、私たちに足りないもの、それが欲望の対象である」というわけです。欠乏がなくなれば、私たちはそれに欲望を抱かなくなり、「退屈」に陥るのです。 欲望に関するもう一つの理論は、スピノザのものです。この理論では、欲望は欠乏ではなく、活動能力だと考えます。簡単に言ってしまえば、「欲望とは楽しむ力、喜ぶ力、愛する力」だという話です。 この二つの理論は大きく異なりますが、私はどちらにも真理があると考えています。マネジメントにも両方の理論が応用されるべきです。 「欲望とは欠乏のことだ」という理論で考えると、マネジメントが問題に直面するのは、その「欠乏」が満たされて欲望がなくなってしまったときです。欲望の対象を手

                              「欲望」をマネジメントに生かす──追うべきは「プラトン発スピノザ行の道」 | アンドレ・コント=スポンヴィルが哲学で紐解くマネジメント
                            • 哲学者ピーター・シンガー 「AI企業は“残酷な畜産業”にこれ以上加担すべきではない」 | 「生きとし生けるもの」のためのAIへ

                              AIは動物実験の一部を代替したり、動物の「言語」を解読したりするために役立つかもしれない。 だがAI企業は効率性を追求するあまり、劣悪な環境に苦しむ動物たちをさらに増やすことになる──そう警告するのは哲学者のピーター・シンガーだ。 AI企業が力を注ぐべき分野とは? 米誌「ノエマ・マガジン」に掲載されたシンガーの論考から考えていこう。 より多くの動物を詰め込む技術 工場畜産にAIを導入すれば、動物の成長の度合いをモニターしたり、寄生虫や潰瘍、けがを検出したりできる。AIによって疾病率や死亡率、そして“もっとも重要”な基準である畜産業の収益性を分析できる。 AIを用いることで病気を治療したり、給餌量を変えたりすることも可能だ。これは動物にとって有益と思われるかもしれない。病気になる頻度が減るし、病気になってもすぐに原因が特定できる。ヒューマンエラーの余地も少なくなるだろう。 しかし、AIが動物

                                哲学者ピーター・シンガー 「AI企業は“残酷な畜産業”にこれ以上加担すべきではない」 | 「生きとし生けるもの」のためのAIへ
                              • ウィキペディアはネット上のデマとどう闘っているのか? 次期CEOに聞いた | 「分極化した社会では、行きつ戻りつしながら議論できる場所が必要」

                                20年前、ウィキペディアは不特定多数のボランティア編集者が人類の知識と歴史をリアルタイムで記録する、一風変わったオンラインプロジェクトとして始動した。疑い深い人たちは、このサイトの多くに信ぴょう性に欠ける情報が含まれていることを懸念し、間違いを頻繁に指摘した。 しかし最近では、このインターネット百科事典は、よそで広まっている偽情報や誤解を招く情報を正す場として名前を挙げられることも多い。 ウィキペディアを運営するウィキメディア財団は、2022年1月からマリアナ・イスカンデルがCEOに就任することを発表した。南アフリカ出身の社会起業家であるイスカンデルは、長年、若者の失業問題と女性の権利問題に取り組む非営利団体で働いてきた人物だ。

                                  ウィキペディアはネット上のデマとどう闘っているのか? 次期CEOに聞いた | 「分極化した社会では、行きつ戻りつしながら議論できる場所が必要」
                                • ニーアル・ファーガソン「AIを手にした人類は“核兵器開発での教訓”を生かせるのか」 | AIは人類を滅ぼすのか?

                                  AI研究は即時中止すべき? 4月初旬に米誌「タイム」に掲載されたエリーザー・ユドコウスキーの予言ほど衝撃的な終末予測は、そうそう読めるものではない。彼はこう記している。 「超人的に賢いAIを構築した場合、現状に近い状況下で最も起こり得る結果は、文字通り地球上のすべての人が死ぬことだ。『ひょっとしたら』という意味ではなく、それが起きるのは明白である。(中略)もし現在の状況で、誰かが強力すぎるAIを構築したら、人類をはじめ地球上のあらゆる生物が、その後ほどなく滅亡するだろう」 さて、この記事に注目していただけただろうか? ユドコウスキーはありきたりのカサンドラではない(註:カサンドラはギリシア神話に登場する王女。予知能力を持つがその予言を誰にも信じてもらえない)。カリフォルニア州バークレーに拠点を置くNPO「機械知能研究所(MIRI)」のトップで、人工知能にまつわる問題について著作の中で網羅的

                                    ニーアル・ファーガソン「AIを手にした人類は“核兵器開発での教訓”を生かせるのか」 | AIは人類を滅ぼすのか?
                                  • サッカーワールドカップ開催国のカタール首長が語る 「スタジアムへの批判は二種類ある」 | 仏誌が5年越しのインタビューに成功

                                    首長自らが運転してご案内!? カタールの首長とアポをとるにはどうすればいいのか。まずは辛抱強さが必要だ。カタールという国では遠い先まで見据える長期的な思考が尊ばれる。せっかちな人に出る幕はないのだ。私たちがカタールの首都ドーハに到着したとき、最初の連絡から5年の歳月が過ぎていた。 大臣や高官との会見で2日を過ごした後、首長本人と会うときが訪れた。まずは「オフレコ」での会見だ(正式なインタビューは翌日、首長の執務室ですることになっていた)。待ち合わせの場所に選ばれたのは、ルワンダ直輸入のオーガニック・ネクターが飲めるドーハの流行りの小さなカフェだった。笑みを浮かべたタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ(42)は、店内に入ってくるやいなや、さっそく「ボンジュール、コモンタレヴ?」とフランス語で話しかけてきた。 カタールの首長は子供時代、夏を何度かベルギー南部の町マルメディで過ごしたのでフラン

                                      サッカーワールドカップ開催国のカタール首長が語る 「スタジアムへの批判は二種類ある」 | 仏誌が5年越しのインタビューに成功
                                    • 34歳女性記者の体験記「卵子凍結に本気で取り組んでみた私の1年間」 | 実際にかかる費用と体への負担は?

                                      東京都が費用の助成を開始するなど、国内外で注目を集める「卵子凍結」。一般的に年齢とともに卵子は老化するが、若い頃に卵子を冷凍保管すれば、妊娠したいタイミングで卵子を融解して体外受精に使えるというものだ。英紙の記者が、1年間にわたって卵子凍結をしてみた体験談を記録した。 注射が毎日の儀式に オスロ空港の奥まった片隅にあるトイレの個室。扉の向こうでは、乗客たちがせわしなく行き交う足音が響いている。薄暗いなか、私は白い粉の入った6本の小瓶の上に身をかがめ、手探りで注射針と注射器を探り当てた。 注射器でごく少量の生理食塩水を吸い上げ、それを各瓶に順番に注入していく。粉と混ざった液体は白く濁り、やがて透明に変わる。私は注射器から最後の気泡を弾き出してから、Tシャツをまくり上げ、下腹部に注射針を刺した。 「ロンドン・ヒースロー行きの最終のご搭乗案内でございます」と、頭上でアナウンスが流れた。 普段はロ

                                        34歳女性記者の体験記「卵子凍結に本気で取り組んでみた私の1年間」 | 実際にかかる費用と体への負担は?
                                      • 「欧米は日本を見習うべきだ」─独誌が日本の対中政策を高く評価する理由 | 日本は「リスク低減」の実例を示してくれている

                                        中国との間に、隣国同士であるがゆえのさまざまな問題やしがらみを抱える日本。その対中政策について国内では、対立を煽りすぎ、弱腰、中途半端などなど、さまざまな考えがある。 いま、欧米の国々の多くも、国際社会で大きな力をつけるとともにますます強権的になる中国にどのように向き合うべきか、頭を悩ませている。それらの国の目には、日本の対中政策はどのように映っているのか。 ひとつの見方として、ドイツの「シュピーゲル」誌に掲載されたコラムを紹介する。そこでは、日本の対中政策がしたたかにバランスをとるものだと高く評価され、欧米もそれを見習うべきだと主張されている。 混迷を極める対中政策 中国のこととなると、西側の同盟諸国は最近、一致団結した態度をとれず、さながら学生集会のようだ。 米国では、民主党と共和党が、どちらが中国に対してより好戦的になれるかで張り合っている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、

                                          「欧米は日本を見習うべきだ」─独誌が日本の対中政策を高く評価する理由 | 日本は「リスク低減」の実例を示してくれている
                                        • 人が最も孤独を感じるのは何歳? 研究で「孤独感の曲線」が明らかに | 「若年期と60歳以降」は要注意…

                                          日本のみならず、海外でも孤独の問題が深刻化している。地域コミュニティが減少し、交流の多くが対面からオンラインへと移行した現代では、高齢者にみられるレベルの孤独感を訴える若者が増えているのだ。 最新の研究では、孤独感は年齢に合わせて「Uの字カーブ」を描くことが明らかになっている。“最も注意すべき年齢”と、その対策とは……? 社交力も筋力のように衰える 2024年5月、学術誌「サイコロジカル・サイエンス」に掲載された研究では、孤独感はU字型の曲線を描くと報告されている。 自己評価による孤独感は、若年期から中年期に近づくにつれて減少する傾向にある。だが、60歳を過ぎると孤独を感じる割合がふたたび上昇し、80歳になるころには特に顕著になることがわかったのだ。 中年期の人々は、同僚や配偶者、子供や地域コミュニティの人たちと交流する機会が多いため、ほかの年齢層よりも社会的なつながりを感じやすく、人間関

                                            人が最も孤独を感じるのは何歳? 研究で「孤独感の曲線」が明らかに | 「若年期と60歳以降」は要注意…
                                          • 死者の肉で飢えを凌いだ…「アンデスの墜落事故」からリーダーが学べる“6つの教訓” | 事故から50年──なぜ彼らは団結できたのか

                                            極限下で組織行動はできない…はウソ? 1972年10月13日、ウルグアイのラグビー選手たちとその関係者を乗せた旅客機が凍てつくアンデス山脈の上空で消息を絶ったとき、当局は乗客全員が死亡したものと思い込んだ。その72日後、生存者のナンド・パラードとロベルト・カネッサが、チリの山すそにまで辿り着いて救助を要請。その後、総勢16名の生存者が救出された。 この奇跡は、人間の適応力と組織的な創意のあり方を伝える驚異に満ちた物語であり、いまの時代に求められる「慣習に囚われないリーダーシップ」について、教訓を与えてくれる。 生存者の証言は、ウィリアム・ゴールディングの人気小説『蠅の王』に象徴される、集団力学に関するディストピア的な見解に疑問を投げかける。小中高校や大学で広く教えられているこの小説で、ゴールディングは、人々が自由奔放に行動できるシナリオでは、残忍な無秩序と集団生活の破綻しか期待できないと読

                                              死者の肉で飢えを凌いだ…「アンデスの墜落事故」からリーダーが学べる“6つの教訓” | 事故から50年──なぜ彼らは団結できたのか
                                            • ナチスのスパイ売春宿「サロン・キティ」と“金髪の野獣” | 戦時下ベルリンで最も知られた売春宿の秘史

                                              ドイツのベルリンにあった売春宿「サロン・キティ」は、第二次世界大戦中にナチスのスパイの家と化した。その支配人キティ・シュミットとナチス幹部ラインハルト・ハイドリヒをめぐる新刊の共著者に、イスラエル紙「ハアレツ」が聞いた。 アドルフ・ヒトラーが1933年に権力を掌握してからほどなく、キティ・シュミットはドイツ脱出を計画しはじめた。 ベルリンに高級売春宿を開き、その支配人をしていたシュミットは、ロンドンにすでに逃れていたユダヤ人の友人3人に電信送金し、そこで売春宿を始めて稼げたらと考えていた。 だが1937年、シュミットは税務当局に呼び出され、取り調べを受ける。国外に金を密かに持ち出そうとしたとの疑いをかけられたのだ。その後、シュミットは、ロンドンへ出かけるエスコートにこっそり現金を運ばせることにする。 ナチスが自分の売春宿に戦時の協力を求めてこようなど、シュミットには思いもよらなかっただろう

                                                ナチスのスパイ売春宿「サロン・キティ」と“金髪の野獣” | 戦時下ベルリンで最も知られた売春宿の秘史
                                              • 韓国文学を読んで「性差別に怒ることを知った」日本人女性たち | 「他の国の物語とは思えない」

                                                近年、K-POPのみならず、韓国文学が日本で女性を中心に人気を博している。若者の経済不安や性差別など、両国に共通する社会課題を取り上げていることが背景にあると英誌は分析する。

                                                  韓国文学を読んで「性差別に怒ることを知った」日本人女性たち | 「他の国の物語とは思えない」
                                                • 「ボトックスや美容整形でプーチンの表情はいっそう謎めく」仏政治学者がプーチンの“容姿”を分析 | 「強く男らしい権力者像」を追求したら、皮肉な結果に…

                                                  ──政治の世界では、いまも「精悍な男らしい人」が好まれる傾向が残っているとご指摘されています。プーチンは上半身裸で釣りや狩りをし、ウエイトトレーニングに励む自分の姿を見せて「精悍な男らしさ」を演出していますが、あそこまで行くと滑稽ではないのでしょうか。 プーチンの体を男らしく見せる写真が何枚も出回りましたよね。上半身裸での釣りや狩りもそうですが、氷のように冷たい水のなかで泳ぐ姿もありました。柔道黒帯のプーチンが畳で対戦相手を投げとばす写真もありました。 こうした写真を見ると、政治を心のなかで思い描くとき、勇猛な男らしさのイメージと権威が直結する人もいるのだとわかります。もっともここまで精悍な男らしさを増幅するのは、西洋ではあまり見かけないロシア的なものではありますけれどもね。 フランスのマクロン大統領がこの種の写真を撮らせる場面は想像できません。フランスのエリートは、どちらかというと教養の

                                                    「ボトックスや美容整形でプーチンの表情はいっそう謎めく」仏政治学者がプーチンの“容姿”を分析 | 「強く男らしい権力者像」を追求したら、皮肉な結果に…
                                                  • ディズニーの“最も不運”な新CEOに託された「魔法の国」の稼げるビジネス | 就任して「20分後」にはパンデミック

                                                    ボブ・チャペックは水を得た魚のようだ。 肌寒い11月の夜、ウォルト・ディズニー・カンパニーの最高経営責任者(CEO)は、「美女と野獣の城」のはるか上空に毎晩打ち上げられる花火を見ようと、スタンバイしている。同社のテーマパーク前責任者として、チャペックはディズニーランドで数え切れないほどのショーを見てきたが、今でもスナップ写真を撮りたくなる衝動には抗えない。 煙が途切れると、チャペックは自分が撮った写真を誇らしげに見せた。ベストな瞬間を捉えているように思える。「しばらくすると、フィナーレがいつくるかわかるようになるんですよ」と、彼はクスクス笑った。

                                                      ディズニーの“最も不運”な新CEOに託された「魔法の国」の稼げるビジネス | 就任して「20分後」にはパンデミック
                                                    • 亡命中の中国人学者が語る「習近平の“失策”で中国は重大な転換点を迎えている」 | 彼が目指しているのは「毛沢東時代のアップデート版」

                                                      習近平氏の異例の3期目、ゼロコロナ政策の崩壊、各地で発生した反政府抗議デモ……大きな転換期にある中国社会を、海外に住む中国人学者はどう分析しているのか。 今回クーリエ・ジャポンでは、天安門事件をきっかけにフランスへ亡命し、現在はCYセルジー・パリ大学で教鞭をとる社会学者の張倫氏にインタビューを実施。2022年の中国を振り返りながら、2023年の中国政治、経済、外交の動向を予測してもらった。 ──2022年の中国を振り返って、最も印象に残った出来事は何でしたか。 私にとって2022年に中国で起きた最も印象深い事件は、中国共産党第20回党大会が開催される数日前に、勇敢な1人の市民が北京の四通橋で反政府の意思を示す横断幕を掲げた抗議運動と、その後に全国の若い人たちを中心に広がりを見せたゼロコロナ政策への反発を示した“白紙革命”運動です。 ──なぜそれらが印象に残ったのでしょうか。 一連の抗議運動

                                                        亡命中の中国人学者が語る「習近平の“失策”で中国は重大な転換点を迎えている」 | 彼が目指しているのは「毛沢東時代のアップデート版」
                                                      • 「AIによる人類滅亡」を警告する“うぬぼれたテックエリート”を信じてはいけない | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」

                                                        この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に2回お届けしています。 いま、コッツウォルズで開催中のファウンダーズ・フォーラムに来ている(コッツウォルズはロンドン郊外のどこかだそうだ)。テスラや再利用されたメイソンジャーが至る所にある……私たちが世界をより良い場所にしようとしている証だ。 2023年開催のテックエリートが集まる会はどれもそうだが、フォーラムの内容は「AIと7人のこびとたち」と言い表すのがぴったりだ。ビジョンを持った若者たちは、インスピレーションを掻き立てられる瞬間と、テクノ・ナルシシズムの発作のあいだを行き来している。まあ無理もない。もし30代の男性に「君はイエス・キリストだ」と伝えれば、きっとその気にな

                                                          「AIによる人類滅亡」を警告する“うぬぼれたテックエリート”を信じてはいけない | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
                                                        • 「AIのゴッドファーザー」ジェフリー・ヒントンが語る人類滅亡の危機 | カナダ誌が自宅まで訪問して聞いた

                                                          人工知能(AI)は2023年、これまでの大言壮語にようやく追いついた。 いまや遍在するチャットボット「ChatGPT」を、米国の研究所「オープンAI」がリリースしたのは、2022年の11月だった。それは小説を数秒で要約できるし、コンピュータコードも書ける。脚本まで生成できるポテンシャルがあると、ハリウッドの脚本家らがストライキするまでになった。 それから2ヵ月もしないうちに、ChatGPTユーザーは1億人に達し、史上で最速の成長を見せたアプリとなる。「マイクロソフト」はオープンAIに100億ドル(1兆5000億円超)をつぎ込み、このパーティを続けようとした。スタートすると見せかけ続けた数十年を経て、AIはついに動き出したのだ。 ところが、シャンパンの栓を抜こうとしない男がひとりいた。トロント大学のコンピュータ科学教授で、AIのゴッドファーザーとして知られるジェフリー・ヒントンだ。 理論上で

                                                            「AIのゴッドファーザー」ジェフリー・ヒントンが語る人類滅亡の危機 | カナダ誌が自宅まで訪問して聞いた
                                                          • “世界一幸せな国”フィンランドで幸せを探したら「悲観主義」にたどり着いた | 「幸福は涙で終わるのがお決まり」

                                                            その秘訣はサウナか、自然か──。「世界一幸せな国」の幸せの秘訣を探しに、2023年度版「世界幸福度ランキング」19位の英国から、ライターのルーシー・ピアソンがフィンランドへ旅立った。彼女がそこで見つけたのは、日本(47位)に暮らす私たちも知っておきたい、フィンランド人の“心の持ち方”だ。 「フィンランドの湖水地方で開かれる、“幸せ”のマスタークラスに参加しないかって声をかけられてる」。そう話すと、友人たちは驚いてこう言った。「待って、ルーシー。世界でいちばん幸福な部類のあなたが、フィンランド人から何を学ぼうっていうのよ」 なるほど。私は「コップにはまだ水が半分もある」と言ってはうざがられるタイプ。フィンランドの人たちはなぜ世界でもっとも幸福度が高いのか、それを教わりにわざわざ4日間の旅に出るとは、どういう風の吹き回しか。それでも根っからの極楽トンボの私は、その誘いを快諾した。 英国には、幸

                                                              “世界一幸せな国”フィンランドで幸せを探したら「悲観主義」にたどり着いた | 「幸福は涙で終わるのがお決まり」
                                                            • 結婚してから「自分は同性愛者」だと気付いた… しかも夫婦のどちらも! | カミングアウトしたら、カミングアウトされた

                                                              私は母親になるように、主婦になるように育てられた。それは私の母も同じだった。1980年代に小さな町で育った私は、ゲイカルチャーについてよく知らなかったし、耳にしたこともなかった。 10代後半の頃、一時的に女性と付き合ったけれど、うまくいかなかった。それで私は「ストレートになる」と決めた。当時はそれで納得していた。でも、まさか似た者同士で結婚することになるとは思わなかった。 ジョーとは1989年に出会った。私は19歳で、彼は23歳だった。とても可愛い人だと思った。私は意地っ張りで自立心の強い、社交的な娘だったけれど、彼と出会って何かが起きた。当時、私はカリフォルニア州オーバーンのコミュニティカレッジに通っていて、彼こそが運命の人だと思った。出会ってすぐに本能が動き出して、この人と家族を持ちたいと強く思ったのだ。 1年後、私たちは結婚し、すぐに長男が生まれた。自分たちのセクシュアリティについて

                                                                結婚してから「自分は同性愛者」だと気付いた… しかも夫婦のどちらも! | カミングアウトしたら、カミングアウトされた
                                                              • 世界金融危機を予言したヌリエル・ルービニの警告「次の深刻な脅威が迫っている」 | 彼が警鐘を鳴らす「メガスレット」とは

                                                                2008年の金融危機を予言した経済学者ヌリエル・ルービニが、「巨大な脅威」が迫っていると警鐘を鳴らす。次なる経済危機はどのようにして起きるのか──。 これまでとは違う脅威 世界は今後数十年の間に、世界経済や金融資産を危険にさらすだけでなく、平和と繁栄をも危うくする「メガスレット(巨大な脅威)」に直面するだろう。 難題への対応を先送りする党派的な政治の世界では、短期的な計画に偏り、将来を考えることを他人任せにしているが、この脅威はこれまでのものとは違う。放置すれば世界中の人々の生活を悪化させることになる。リーダーたちは公共の利益のために、これらの脅威を無視せず、認識し、真剣に受け止め、迅速に対処することが不可欠だ。 メガスレットの一部は経済に関するものだ。たとえば、3つ挙げるとすれば、インフレと景気後退の同時進行、民間債と公共債の負債比率が歴史的な高水準に達することによる最悪の負債危機、高齢

                                                                  世界金融危機を予言したヌリエル・ルービニの警告「次の深刻な脅威が迫っている」 | 彼が警鐘を鳴らす「メガスレット」とは
                                                                • 「ドローンを使えばこの戦争に勝てるのに…」ウクライナ“最強”のドローン操縦士が前線で語る | ウクライナ軍のドローン戦略には不満も

                                                                  ウクライナとロシアの戦闘において重要な役割を果たしているのが、偵察から攻撃までを遠隔でおこなうドローンだ。両陣営ともにドローンを積極的に使用していることが報じられている。 英紙「ガーディアン」が、ウクライナで最も活躍しているドローン操縦士の一人を取材。彼はウクライナ軍に所属しない民間人だ。軍に入らない理由、ドローン任務の重要性などを聞く。 ウクライナのドローンの「エースパイロット」 2022年にウラジーミル・プーチンがウクライナへの全面的な侵攻を開始する前、32歳のオレクサンドルは物流会社のIT担当として働いていた。「我々の会社は英国にも大きな倉庫を持っているから、あなたも知っていると思いますよ。私は行ったことありませんが」と彼は言う。 こんにちの彼の高い名声は、多国籍企業でソフトウェアの不調を解消する能力によるものではない。最前線での戦果の数々が、彼をウクライナ最凶の「カミカゼ」ドローン

                                                                    「ドローンを使えばこの戦争に勝てるのに…」ウクライナ“最強”のドローン操縦士が前線で語る | ウクライナ軍のドローン戦略には不満も
                                                                  • “遺伝子操作”と“人工子宮”で「マンモスの復活」を目指す企業のワイルドな野望 | すでに初期資金15万ドルを調達済の新会社「コロッサル」

                                                                    何千年も前に絶滅したマンモスを遺伝子操作で復活させる──耳を疑うような、そんな壮大な野望に挑む科学者や投資家たちがアメリカにいる。どうやって実現するのか、問題はないのか、その桁違いな取り組みに米紙が追った。 シベリアの永久凍土地帯にマンモスを蘇らせる 9月13日、遺伝子操作によるケナガマンモスの再生を目指す新会社「コロッサル」の設立が発表された。 同社が目指すのは、数千年前に絶滅したマンモスを復活させ、永久凍土の広がるシベリアのツンドラ地帯に何千頭ものマンモスを蘇らせることだ。 ハーバード・メディカル・スクールの生物学者であるジョージ・チャーチ教授は、「これは我々にとって大きな節目です」と言う。彼は8年前から、マンモスを蘇らせるためのツールを開発する小さな研究チームを密かに率いてきた。

                                                                      “遺伝子操作”と“人工子宮”で「マンモスの復活」を目指す企業のワイルドな野望 | すでに初期資金15万ドルを調達済の新会社「コロッサル」
                                                                    • メッシとバルサの20年に及ぶ「蜜月関係」はこうして破綻をむかえた | 本人は選手の補強に口出ししなかったが…

                                                                      FCバルセロナはこの10年にわたって、世界のサッカーファンを最も魅了したクラブだった。そしてその中心にはメッシが君臨していた。 だが、13歳でバルサに入り、17歳からトップチームで活躍してきたメッシが、ついにこの愛着のあるクラブとの別れを決断しようとしている。破綻に至った原因は何だったのか。 サッカー史上最高といっても過言ではないかもしれないその選手は、キャリアのほとんどをバルセロナ郊外の何の変哲もない町カステイダフェルスで暮らしてきた。いまFCバルセロナに関する本を執筆中の私は以前、地元住民に案内されて車でリオネル・メッシ(33)の家の前を通ったことがある。 そのとき気づいたことが一つある。それは15年にわたって毎試合のように繰り広げられてきた、あの燦然と輝くサッカーが退屈な生活によって支えられてきたということだ。 メッシの家は地元のビーチから丘を一つ越えたところにある。隣の家も買ったの

                                                                        メッシとバルサの20年に及ぶ「蜜月関係」はこうして破綻をむかえた | 本人は選手の補強に口出ししなかったが…
                                                                      • TSMC誘致で明暗を分けた日米、英誌が分析する「日本が成功した3つの理由」 | 労組、現地パートナー企業、補助金

                                                                        台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場は順調に開所式を迎えたのに対し、米アリゾナでの工場建設プロジェクトは暗礁に乗り上げている。日米両政府はともにTSMC誘致に熱心だったが、なぜ日本は成功し、米国はつまずいたのか。英誌「エコノミスト」が3つの理由を挙げて分析する。 対照的な熊本とアリゾナ 日本の産業政策の成果が九州で花開いた。2月24日、半導体受託製造の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)が、日本で初となる生産工場を熊本県菊陽町で開所した。同社はすでに、第2工場を近隣に建設する計画も発表している。 これと対照的なのが、TSMCのもうひとつの大規模な海外展開事業で、その舞台は米国だ。2023年夏、同社はアリゾナ州に建設中の2つの工場のうち、第1工場の生産開始を2024年から2025年に延期した。 今年1月には、第2工場の稼働が当初予定の2026年には間に合わず、2027年か2028年にず

                                                                          TSMC誘致で明暗を分けた日米、英誌が分析する「日本が成功した3つの理由」 | 労組、現地パートナー企業、補助金
                                                                        • 「ジャック・マーの時代は終わった」 アリババとテンセントが苦境に陥った原因は”中国国営企業”にあり | テック企業の締め付けと激化する競争が成長を妨げる

                                                                          失速するアリババのクラウド事業 ちょうど1年前、アリババは反トラスト法違反の捜査に直面し、創業者のジャック・マーは政治的な圧力を受けた。それに対して同社財務責任者のマギー・ウーはすぐに行動を取り、急速に成長する同社のクラウド事業について投資家へ訴えていた。 しかし、アリ・クラウドの前年比50%の成長が持続可能であるというウーの予想は楽観的すぎた。 2021年2月のゴールドマンサックスのカンファレンスにおいて、彼女は「中国は10年後に最大の経済大国になり、企業や数百万のビジネスがクラウドに移行するだろう」と述べていた。

                                                                            「ジャック・マーの時代は終わった」 アリババとテンセントが苦境に陥った原因は”中国国営企業”にあり | テック企業の締め付けと激化する競争が成長を妨げる
                                                                          • ノーベル賞から無視され続けた「原爆の母」 その隠された真実が明らかに | 物理学をこよなく愛した女性の葛藤

                                                                            リーゼ・マイトナーは核分裂の理論形成に貢献したにもかかわらず、ノーベル賞を受賞したのは、彼女と一緒に研究を進めてきたオットー・ハーンだけだった。だがマイトナーの存在が無視されたのは、女性研究者だったからという理由だけではないという。 人類史上初の原子爆弾が製造されるまでを描いた大ヒット映画『オッペンハイマー』には、印象的なシーンがある。 カリフォルニア大学バークレー校の物理学者ルイス・アルヴァレズが理髪店で散髪中、新聞を広げる場面だ。彼は突然、弾かれるように椅子から飛び上がって外に出ると、同僚の理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマーを見つけようと街路を全力疾走する。そして、彼は声を張り上げる。 「おいオッピー、オッピー! 連中はやったぞ。ドイツのハーンとシュトラスマンだ。ウラン原子核の核分裂を確認したぞ!」 ここで言及されているのは、オットー・ハーンとフリッツ・シュトラスマンだ。2人は

                                                                              ノーベル賞から無視され続けた「原爆の母」 その隠された真実が明らかに | 物理学をこよなく愛した女性の葛藤
                                                                            • 宝くじに当たったら子供を生みますか? 研究からわかった「出生率の向上に必要な3つのこと」 | ワークライフバランスが改善したら、子供は本当に増えるのか?

                                                                              出生率を向上させるためには、仕事と家庭生活を調和させる必要があると叫ばれて久しい。しかし、スウェーデンでおこなわれた宝くじ当選者をめぐる研究から、この「ワークライフバランス説」は必ずしも正しいとは限らないことが判明した。カナダのマギル大学で人口問題を研究している社会学者が解説する。 ワークライフバランスと出生率の関係 韓国の2022年の合計特殊出生率は、女性1人当たりわずか0.78人だった。米国の多くの地域でも、出生率はそれほど高くない。(米国自治連邦区の)プエルトリコでは0.92、バーモント州では1.36、ベイエリアでは約1.3だ。 人口統計学者たちは出生率の低下についてさまざまな説明をしているが、最も一般的なもののひとつは、仕事と家庭をめぐるものだ。 北欧の社会福祉国家のように、女性が仕事と家庭を両立できる柔軟な環境を与えられている国では、出生率は比較的高い。一方、仕事と家庭のどちらか

                                                                                宝くじに当たったら子供を生みますか? 研究からわかった「出生率の向上に必要な3つのこと」 | ワークライフバランスが改善したら、子供は本当に増えるのか?
                                                                              • イーロン・マスクの衛星通信システム「スターリンク」はいかにしてウクライナを救い、軍事の世界を変えたのか | 火星移住のサイドビジネスが軍事上不可欠な存在に

                                                                                火星移住のサイドビジネスとして始まった この世の驚異の一つというべきなのか、それとも正確を期してこの世の外にある驚異といったほうがいいのだろうか。スターリンクと呼ばれる衛星コンステレーションのことである。現在、通信衛星3335基で構成されており、大雑把に言ってしまえば、現役の全衛星の約半数がこのスターリンクの衛星ということになる。 この半年だけでも平均すると1週間に20基というペースで新しい衛星がこのコンステレーションに加えられてきた。これを構築した企業は、かのスペースXだ。スターリンクは、通信インフラが整備されていない地域でも使える高速インターネット接続サービスとして現在、45ヵ国で提供されている。利用者数は百万人ほどだ。 現在、このシステムのトラフィックの大半はウクライナからのものだ。ウクライナではロシアの侵攻以後、スターリンクが軍事でも民間でも必要不可欠な基幹のサービスになっているの

                                                                                  イーロン・マスクの衛星通信システム「スターリンク」はいかにしてウクライナを救い、軍事の世界を変えたのか | 火星移住のサイドビジネスが軍事上不可欠な存在に
                                                                                • 最新の心理学研究でわかった「男女が平等に家事や育児をできない理由」 | 男性が家事をするようになるために必要なこと

                                                                                  「二人とも働いているのに、夫は家事もあまりしないし、子育ても任せきり……」。そんな不満を聞いたことがあるのではないだろうか。なぜ男女で家庭内の仕事を平等に分担できないのか、その理由について英国とオーストリアの心理学者が新たな調査結果を発表した。 男女で異なる物の見え方 ジャックとジルというあるカップルについて想像してみよう。二人とも働いていて、「家事は平等に負担する」と約束している。しかし、家庭内の物の見え方が、二人では違っていたとしたらどうだろうか。 キッチンが散らかっていたとする。ジルはそれを見て、食器を洗わなくては、いっぱいになったゴミ箱の中身を捨てなくてはと考える。ジャックも流しに皿があり、ゴミ箱がいっぱいになっていると認識する。だが、彼はそれに対応しなければいけないとは考えない。 最近の研究の結果、散らかった家を見たときの行動は、社会的に刷り込まれていることがわかった。それが男女

                                                                                    最新の心理学研究でわかった「男女が平等に家事や育児をできない理由」 | 男性が家事をするようになるために必要なこと