中国・北京にある製薬会社シノバック・バイオテックの新型コロナウイルスワクチン製造施設で、ワクチンを検査するスタッフ(2020年9月24日撮影)。(c)WANG Zhao / AFP 【12月17日 AFP】世界の富裕国が供給量に限りのある大手製薬会社の新型コロナウイルスワクチン確保に奔走する中で、中国は積極的に、資金力の弱い国々に中国製ワクチンの提供を申し出ている。だが、その気前の良さは100%利他的なものとはいえない。中国政府が求めているのは外交上の長期的な見返りだ。 この戦略には、新型コロナ流行初期の中国政府の対応への怒りや批判をかわし、中国のバイオテクノロジー企業の知名度を上げ、アジア内外での中国の影響力を強化・拡大するなど、複数のメリットがある。 「中国が、悪化したイメージの回復を図ってワクチン外交を展開しているのは間違いない」と、米外交問題評議会(CFR)上級フェローの黄延中(H