2019年のM-1グランプリにおいて、優勝こそ逃したものの、もっとも世間の話題になったコンビ、ぺこぱ。 普通の漫才であれば、ボケがおかしなことを言ったのに対して、ツッコミが訂正や叱責や暴力やときにはドン引きするといった否定的なリアクションをとることで笑いを生んでいくところ、ぺこぱはどんな素っ頓狂なボケに対してもすべて受け入れていくという、他にはないスタイルを打ち出した。 そんな彼らを評価する際によく言われるフレーズが、「誰も傷つけない笑い」というやつ。 誰も傷つけない笑いだからいいよね、と。 誰も傷つけない笑い…。 ちょっと前このフレーズを初めて聞いたときに感じた、よくわからない違和感。 そのままにしておくのが気持ち悪かったので、ちょっと考えてみました。 なにが笑えてなにが笑えないのか 「笑いとは『緊張の緩和』である」と定義してみせたのは桂枝雀。 人一倍の常識人じゃないとギャグ漫画家にはな