大手企業を中心に脱PPAPが進んだ。しかしクラウドストレージとの連携という手間が生じる、誤送信のリスクが低減しないといった課題もあり、改善が求められている。安全かつ便利なファイル共有の方法は何か。企業が採用できる選択肢を解説する。 セキュリティの常識は、IT環境や脅威の動向に応じて変化する。かつて誤送信や情報漏えい対策として広く採用された「PPAP」も、その位置付けがここ数年で変わってきた。 PPAPは、部外者に見せたくないファイルを電子メールで共有する手段として長年使われてきた。パスワードで保護したZIPファイルを電子メールで送付し、パスワードを別の電子メールで送るという方法だ。手間が大きい割に情報漏えい防止の効果が薄い上に、マルウェアの感染経路になること、政府が「PPAP廃止」を打ち出したことが追い風となって、大手企業を中心に脱PPAPが進み、別の手段でファイルを共有する動きが広がって