舐達麻(なめだるま)というヒップホップグループをご存知だろうか。 埼玉県熊谷市をレペゼンし、ストリートの垣根を越えて若者に爆発的な人気を誇る、 ジャパニーズヒップホップシーンの最前線を走る3人組グループである。 舐達麻は現在3人のメンバーから構成されている。 BADSAIKUSH(バダサイクッシュ)、DELTA9KID(デルタナインキッド)、G-PLANTS(ジープランツ)だ。 本稿ではその中でもBADSAIKUSH(以下「バダサイ」)に焦点を当てて論じる。 彼は全身刺青だらけの不良然とした風貌ながら、埴谷雄高や志賀直哉を愛読する読書家の一面も持ち合わせている。 今日はそんな彼のリリックを文学的、あるいは形而上学的観点から読み解く、というチャレンジを試みてみたい。 読者の皆様には最後までお付き合い頂けるとありがたい。 未来を規定した「運命の日」バダサイは埼玉県深谷市、隣の熊谷市との市境付近