本レポートでは、論文生産性として行われる分析や分析結果の解釈に際して考慮すべきポイントについて議論する。また、幾つかのパターンについて論文生産性の分析を行うことで、論文生産性の分析は分母、分子の選択によって、分析結果が変化し国際比較における順位すら変わり得ることを示す。これらを通じて、論文生産性の分析実施や分析結果の利用に際しては、データの内容や分析方法等の情報(メタデータ)を確認することが重要であること、論文生産性の分析自体の課題を認識する必要があることを述べる。また、論文生産性の数字は、単なるアウトプットとインプットの比であることが多く、研究経営や政策立案に結び付けるには、インプットとアウトプットの間を結ぶプロセスの理解が必要であることを指摘する。 キーワード:研究開発費,論文数,論文生産性,科学技術指標 我が国が厳しい財政状況にある中、科学技術イノベーションへの公的投資に対する説明責