「嘉手納基地内で最新の訓練を取材したい」 在沖米空軍に取材依頼を提出したのは2022年の8月のことだった。交渉の末、約1年後の2023年6月にようやく単独取材の許可を得た。最新の訓練プログラムとは一体どのようなものなのか。私たちは嘉手納基地へと向かった。 (NHK沖縄放送局記者 小手森千紗) 一見普通の拠点設営訓練 しかし… 意外にも、彼らが公開したのは「地味」な訓練だった。基地内の駐車場脇の芝生で、テントを立てたりアンテナを立てたりする10数名ほどの兵士たち。作戦拠点を設営する手順を確認しているという。 実は、彼らはふだんはこうした作業には関わらない、さまざまな部署から集められた隊員なのだという。本来の職種は、制服左肩のワッペンに書かれたアルファベットで判別することができる。例えば、「AVI」はAvionicsを意味し、機体に搭載された電子機器の修理などを担当。「AFE」はAircrew