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economicsの検索結果81 - 120 件 / 1270件

  • 高橋洋一『恐慌は日本の大チャンス』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    日本で景気対策が事実上不在になった今、高橋さんの復帰は本当に嬉しいことです。この本はネット書店で発売日が一度確定しててその後未定に表示されてましたので出ないんではないか、と思ったのですが、杞憂でした。正直いって冒頭の例の事件については個人的には関心がないのでとばしてさっそく本文へ。 1 日本のGDPギャップは80兆円規模。それを政府紙幣25兆円、金融緩和25兆円、埋蔵金25兆円で対応するというもの。 2 麻生政権時の「官僚専制体制の復活」。景気対策にすべて「基金」が附属していて、それは官僚のピンはねと景気効果の減少を意味する。国民の減税や給付金で使い道の自由な選択をまかせるのがいいのに、日本ではなぜか官僚が使い道を決める手法が採用されてしまう(ここ重要。なぜか減税や給付金がばらまきで効果がないと批判する連中にかぎって、政府や官僚が決める「産業政策」みたいなものが効果がある、という欺瞞が僕の

      高橋洋一『恐慌は日本の大チャンス』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
    • 佐藤優「「封印された高橋洋一証言」官僚無能論と窃盗事件」と公的金融改革骨抜き 2009-05-19 - Economics Lovers Live

      偶々、本屋の店頭にあった新刊のムックに目がとまった。事件の前に収録したものを、高橋さんが掲載を辞退したのにもかかわらず?収録したものみたいだ。内容を読むと正直にいって特に目新しい話題はなかった。長谷川幸洋さんとの共著『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』や『霞が関をぶっ壊せ』での議論を読んでいればわかる内容かと思う。 例えば佐藤氏は官僚を本当に怒らせた発言が対談の中にあると書いているが、どれも前からの発言ばかりであり、新奇な怒りの元を探し出すことはできなかった。むしろ今回の事件によって高橋さんが沈黙を守ることこそ、高橋さんによって批判されていた勢力にとって思うツボである、と佐藤氏が強調しているところは、僕もはっきり明言するが、本当にそう思う。そう思うだけにいまの状況は残念である。 高橋さんは社会的な処罰をすでに十分すぎるほど受けたと思う。もちろんだからといって前と同じように彼の発言がそ

        佐藤優「「封印された高橋洋一証言」官僚無能論と窃盗事件」と公的金融改革骨抜き 2009-05-19 - Economics Lovers Live
      • 世襲議員をどんな理由で規制するのか? - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

        新年度の講義の最初の週が終わり、やはり疲れた。テレビはほとんどみない生活習慣なんだけど、昨日の夜は、イチローのホームランがみたかったので、テレ朝の別なフ@イチロー氏がでている番組をボーっとみてしまった。なんでも政治とお金が選挙の論点になりそうなならなそうなそんな感じ。このブログでも何度も書いているけど民主党のいまの経済政策案をみても自民党でもできるものばかり(つまり財務省とか官僚のご提案でできるものばかり)。似たようなことフ@イチロー氏と一色氏も話していた。 で、メインの話題は世襲議員への規制の話。僕は政治制度とか不勉強でよく知らないのだが、イギリスの小選挙区制が政党が自由に候補者の選挙区を割り振るので世襲議員がほとんどいないということだそうだ。日本でも類似のやり方で規制することの声があるらしい。 ところでそもそも世襲候補者を規制するのはどんな観点から正当化されるのだろうか? 例えば、世襲

          世襲議員をどんな理由で規制するのか? - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
        • 復権する「計量経済学」 ITやコロナで活用広がる Global Economics Trends 鹿野繁樹・大阪府立大学准教授 - 日本経済新聞

          かつてないほど計量経済学への期待が高まっている。経済や経営の分野だけでなく、医療や教育など幅広い分野で、データをもとに事実を明らかにすることが求められるようになってきたからだ。非常事態宣言と感染者減少の関係の説明を求められる近年の計量経済学では、できごとの原因を分析する高度な手法が相次いで開発されており、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起きたことで、分析の要請が次々に押し

            復権する「計量経済学」 ITやコロナで活用広がる Global Economics Trends 鹿野繁樹・大阪府立大学准教授 - 日本経済新聞
          • 露軍戦車が装備する「鉄の檻」のような物体は何? ウクラ軍兵器対策も…ネットで嘲笑される - コリア・エコノミクス - KOREA ECONOMICS

            露軍戦車が装備する「鉄の檻」のような物体は何? ウクラ軍兵器対策も…ネットで嘲笑される 2022年3月15日 政治 ロシア軍が自軍戦車取り付けている鉄の檻のような物体が注目されている。 (参考記事:ロシア軍工学旅団司令官が暗殺される…ウクラ軍スナイパーか 露軍の移動・拠点構築に影響も) ロシア軍は戦車に取り付ける鉄杖のようなものは何なのか?英エコノミストは14日、この物体の用途について軍事専門家などから疑問や懐疑の目が注がれていると報じた。 (人気記事:韓国紙「進撃する日本のロボット産業、世界の45%を掌握」「韓国でも絶対的存在に…日本産は代替不可能」) ウクライナを侵攻したロシア軍のタンクを見ると、砲塔の上部に鉄の棒を繋いだような物体が掛かっているが、これについてオランダの軍事専門家のスティーズン・クレイチャーは「この鉄装の機能は戦車を保護する役割とは距離が遠い」とし「むしろ重量だけ加わ

              露軍戦車が装備する「鉄の檻」のような物体は何? ウクラ軍兵器対策も…ネットで嘲笑される - コリア・エコノミクス - KOREA ECONOMICS
            • “政策通”与謝野大臣をめぐる現実 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

              与謝野氏:米政権の経済政策に「全幅の信頼」−単独会見詳報 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aUiZf0O_gkfY インフレターゲット:  「インフレターゲット論というのはインフレの国がインフレを抑制するためのターゲット。今言われているのはむしろ逆で、あたかもデフレを脱却するための目標のように言われているが、インフレというのは目指してできるものではない。一度インフレになると制御は利かない、そういう危険性もあるので、われわれは、インフレターゲット論は取らない」 これをうけて、知人のmixi日記からの架空取材ーー 与謝野大臣! インフレは目指してできるものではないとのことですが、そうなりますとインフレターゲットを採用してもインフレは起こらないということですね? 「ええ。インフレターゲット論というのはインフレの国がイン

                “政策通”与謝野大臣をめぐる現実 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
              • 亀井大臣の日本銀行寝言発言 2009-10-06 - Economics Lovers Live

                http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/091006/fnc0910061241009-n1.htm まあ、これ自体はどうでもいいんだけど、まだ僕の本務校は統計とってる真っ最中ではっきりいえないんだけど、他の大学の来年3月卒業の学生の就職率がどうも実質ベースで10〜20%程度前年比で低下しているという情報がある。このブログたぶん多くの大学教員がみているはずだから、学生の就職状況がちょっとまずいのは直感でもわかってるんじゃないか、と思う。 高卒の方はかなり深刻化しているわけで、この事態をみてまだメディアとかは「雇用のミスマッチ」とかたわけたことを書いている。そりゃ、見つかりますよ。この不況だって構造的に人材難もしくは待遇低くて人手が来ない企業なんて日本にごまんとあるから。それを「雇用のミスマッチ」とか「潜在的な成長部門へのここ数年続いている雇用増を活

                  亀井大臣の日本銀行寝言発言 2009-10-06 - Economics Lovers Live
                • 小野善康(菅首相の「政策ブレーン」)の「増税で景気回復」に裏付けなし 2010-06-25 - Economics Lovers Live

                  菅政権の政策ブレーンだったらすぐにやめたほうがいいと思う。この程度の水準かと思うと本当に驚くべきレベルだ。 NaokiGwinさんがまとめられたTwitterより。 http://twitter.com/NaokiGwin/status/17007904934 http://twitter.com/NaokiGwin/status/17008179392 http://nico.ms/sm11174048 (69:55〜)小野善康氏「半分同じで半分違う。小渕さん森さんの時にましになってきたのは赤字を増やしたからではなく、雇用を増やしたから。なので増税で雇用を増やしても同じことが起こる。」 http://nico.ms/sm11174048 (70:20〜)小野善康氏「結局、雇用を増やしさえすれば財政再建は出来るということ。過去なぜ増税したときに失敗したかといえば、その時同時に政府が縮小(歳

                    小野善康(菅首相の「政策ブレーン」)の「増税で景気回復」に裏付けなし 2010-06-25 - Economics Lovers Live
                  • The Economics of a Cloud Computer 「クラウドコンピュータ」の経済学 - 楽天テクノロジーカンファレンス講演

                    The Economics of a Cloud Computer 「クラウドコンピュータ」の経済学 - 楽天テクノロジーカンファレンス講演 2010年10月16日に開催された「楽天テクノロジーカンファレンス」での講演スライドです。 ----- 「クラウドコンピュータ」の経済学 中田敦(日経BP社日経コンピュータ記者) 「クラウドコンピューティング」とは、恐ろしく高性能なのにびっくりするぐらい安く使える「クラウドコンピュータ」を使うこと、です。ではなぜ、クラウドコンピュータは高性能で安いのでしょうか。その理由を、データセンター視点と産業視点の二つから考えてみます。 【プロフィール】 1998年慶応義塾大学商学部卒業後、日経BP社に入社。「日経レストラン」「BizTech」「日経Windowsプロ」「ITpro」を経て、 2008年10月より「日経コンピュータ」記者。共著として「クラウド大全

                      The Economics of a Cloud Computer 「クラウドコンピュータ」の経済学 - 楽天テクノロジーカンファレンス講演
                    • デフレ脱却議連、本日発足 2010-03-30 - Economics Lovers Live

                      先日、その準備会合でお話させていただいた民主党のデフレ脱却議連が本日、正式に発足した。政権与党にこのようなデフレを問題視した議連が結成された意義は大きい。今後、デフレ脱却議連が実際の日本銀行の政策変更を促す大きな力になることを期待したい。 日本銀行の独立性(政府との政策目的の共有の上で、単なる政策手段の選択の自由が限定的に確保されているにすぎない。文字通りの政府からの権力の独立ではない。この種の誤解は深刻なほど大きい)というものは、民主的な統制ーすなわち政府、政治的集団、世論などとの好ましい緊張関係の下にあることを想起すべきである。 政権党だけではなく、さらに他党にもデフレ脱却の問題意識が広く共有され、まさに超党派的関心となり、日本銀行の先進国の中でも異常なデフレ政策の転換、そして経済成長。雇用改善重視、インフレ率の1%以上から3%範囲までの低位安定にこそその政策の主眼をおくことをうながす

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                      • 竹内薫『バカヤロー経済学』 - Economics Lovers Live

                        小学生のように素直な気持ちで著者が、相方の「先生」とともに、このギトギトの欲望のインセンティブにからまった日本社会を解剖する、誰にでもわかる超経済学入門書である。「先生」の姿が暗黒のベールに隠れて誰なのかがわからないが、「国内外の一流大学で数学と経済を専攻し、政府首脳のブレーンを務めた人物」だそうである。まあ、そういう暗黒先生の正体などどうでもいい。僕らはこの稀有な対談の書をその過激な内容とともに楽しむだけでいいのだ。 本書は実によく工夫されていて、題名の通りに経済学の知識がゼロであっても一冊読み終える頃には、なんと日本や世界経済を単に経済学の言葉で理解するだけでなく、実にシビアかつ批判的に物事を見る目が養えるのだ。このような書を書いた竹内氏と編集者の企画力には敬意を表したい。 冒頭から、いまでも広範囲にある誤解の最たるものである「経済学を学べば金儲けになるのか?」というど〜しようもない愚

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                        • 長期的雇用と自己責任について - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                          数日前のエントリー「雇用流動化論の失敗」の続きともいえるところを以下で抜粋。『日本型サラリーマンは復活する』は、いまから考えると、現在に至るおよそすべての僕自身の考えを全面展開したもので、いま読んでも自分で勉強になったりする(笑)。いまはこの本でとりあげたテーマを三つの方向で深めようとしている。今度出るものはおいといて、もうひとつはネットカフェ難民論、もうひとつは福田徳三論である。三つとも最優先で取り組んでいるのでそのうち(ひとつは来週末には出るだろうけど)。 図表や参照文献の表記などは省略。表現も元原稿のまま 長期的雇用と自己責任(『日本型サラリーマンは復活する』)より ところで日本型雇用システムが九〇年代から今日までの不況の原因のひとつであるという批判がある(野口悠紀雄『一九四〇年体制』)。しかしこの批判は妥当ではない。九〇年代におけるデフレ圧力こそが不況の真の原因である。デフレによる

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                          • ポール・クルーグマン『世界大不況からの脱出』 - Economics Lovers Live

                            本書は世界が「恐慌型経済」−利用可能な生産力に見合うだけの個人消費など需要が不足している経済のことーに陥った、という前提のもと、緊急の政策的対応を提示することを目的にしている。本書は1999年に旧版がでていたものに大幅に加筆し、まさに90年代の経済危機、恐慌の事例を総ざらえした上で、今日の世界同時不況を検討する内容になっている。 本書における主要な観点は主に二つである。一つは、景気がなぜ落ち込むか、時には今日のようにひどい不況や恐慌に陥るかを、非常に簡単なベビーシッター協同組合モデルというもので説明していること(ここを参照)。そしてこれを補助するものとして、なぜ経済は異常な過熱(つまりバブル)とその後の崩壊(信用市場の破綻=信用フローの停滞)に直面するのかという点を「モラルハザード」で説明している*1。 その上で、特に本書で注目すべき事例は、私にとってはふたつである。ひとつは日本経済、もう

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                            • 日本経済新聞も少しは考えるべき - Economics Lovers Live

                              こういう記事を読むと、1)リーマンショック以後、一年以上、他国に比べて極端に低い金融緩和しかしなかったこと(日銀の資産増加率では約5%、イギリス、米国は130~140%)→デフレ進行、実体経済(失業率など)悪化の事実上の放置、2)昨年12月の日銀の「新資金供給」の変化率でさえせいぜい従来の規模の20分の1の伸び率→すでに多くの論者が効果が限定的を示唆、3)「デフレ」を目的にしながら日本銀行自体がデフレを審議して決定したといえない→政治的圧力によるきわめて恣意的な変更→市場の信任もなにもなし、4)3)を踏まえて多くの人は日銀の本音はデフレ対策ではなく「金利正常化」路線への早期復帰であり、景気対策ではないと考えておる→金融政策の効果を減殺している。 もちろん日本の異常ともいえる風土(多くのマスコミの暗黙知であるように日本銀行の地均し≒事実上の政策内容の事前リークという対外活動)をギブンと考えれ

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                              • 2008-01-18 - Economics Lovers Live ■[アイドルの経済学]モーニング娘。の経済学

                                モーニング娘。やハロー!プロジェクトの参加人数はなぜあんなに多いのだろうか。そしてどうして頻繁にそこを母体にしたユニットが次から次へと現れるのだろうか。こんな疑問を抱いた人もいるかもしれない。今回はちょっとこの問題を考えてみよう。 大竹文雄氏が編集した新刊の『こんなに使える経済学』には、もちろん「使える経済学」がいくつか入っている。ここでは僕も便乗してこの本から道具を取り出して、モーニング娘。の「謎」を解明してみよう。今回は、鈴木彩子氏が書いた「セット販売商品はお買い得か」の経済学が使える道具だ。 鈴木氏の説明をモーニング娘。に応用すると次のようになる。私たちがモーニング娘。の関連商品を購入するのは、その商品の価格が「支払い意思額」以下の場合だ。例えばいま話を簡単にして、モーニング娘。が高橋愛氏と道重さゆみ氏のふたりだけしかいないと仮定しよう。 鈴木氏の設例をそのまま利用させてもらう(元々

                                • サブプライム危機メモ「ふつうの不況が世界を覆う?」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                  ちょっと必要あって作成した簡単なメモを以下に。竹森俊平さんが『資本主義は嫌いですか?』で開陳したのが、サブプライム危機による世界バブル崩壊というシナリオだったのに対して、僕は主にこの間お会いした原田泰さんとの対話をヒントにして「ふつうの不況が世界を覆う」という視点。 以下はラフなメモ書きなので誤記・誤解が多いかもしれないので注意(断り無くそのときは修正する)。最近の新聞や雑誌などから情報は拾ってある。 1 金融安定化法案修正案雑感 最大約75兆円の公的資金での不良資産買取(無条件なのは2500億ドル、約26兆円に当初案から引き下げられた→金融機関の財務体質の強化が狙い。ただし買取価格はまだ不明)。政府が株式取得の権利を保有、時価会計の一時的な凍結を証券取引委員会が権限をもつ。経営陣の報酬抑制(貪欲グリーディを促すようなインセンティブの抑制→世論向けか?)、預金保険の支払額の上限の引き上げ、

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                                  • The Economics of Abundance

                                    My speech last weekend at Pop!Tech on the Economics of Abundance is getting some attention, which is really gratifying. It's something I mention in the book, but am now fleshing it out in a series of presentations and, I hope, some forthcoming blog posts. I'd like to link to a video of the speech, but Pop!Tech only streamed it live and it's no longer available. I'd embed a copy of the Powerpoint d

                                    • 新入生の皆さんえ。裏経済セミナー2008「不謹慎な経済学ガイダンス」 - Economics Lovers Live

                                      なんでも『経済セミナー』が元気がないという。いや、本当に元気がないかどうかは知らないが、策謀渦巻く(笑)匿名掲示板での噂レベルで見聞した。確かに一時期に比べると印象度が薄れた感はある。私は学生のときな勉強で、そして研究者に加えて物書きを始めた初期には寄稿先として、同誌には非常にお世話になった。そのためそのような風評を見るとかなり残念であり、また同誌のいまの実態を表しているとはまったく思われない。 とはいえ今回の4月号をみると飯田さんや岡田さん中村さん佐藤さん佐々木先生まで加わりまるで知り合いのオンパレードなのだが、いまいちみんなまじめである。著者らの誠実な人柄ゆえであろうが、手堅く行くものだけが揃いすぎている。そこで『経済セミナー』4月号を補うべく(補わなくていいという意見もあるが今日はいまのところこれしかネタがないので 笑)、ネタノミストとして新入生のみんなに裏経済セミナー風のネタをお送

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                                      • 岩田規久男「日本銀行の金融政策の評価」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                        全国銀行協会の『金融』11月号に掲載された岩田先生の論説です。リーマンショック以降の日本銀行の政策を包括的に点検したものです。これに加えて12月以降の日銀の政策についての岩田先生の見解を示すこのエントリー、さらにインタビューのここ、そして『日本銀行は信用できるか』を併読すると、いまの日本銀行の問題が包括的に理解できるでしょう。噂によれば岩田先生の新連載が某誌で始まるとか。これも要チェックです。 さてリーマンショック以降の日本銀行の政策を岩田先生は次のように評価します 1)政策金利の引き下げ → リーマンショック後一カ月以上の経てから引き下げた 2)金融市場の安定確保のための措置 → 長期国債の増額(14.4兆→21.6兆)があったが、日銀券発行残高を上限としているのでデフレ脱却の目的には不十分。また 長期国債買い入れの残存期間の構成に注目し、1年以下のものが全体の36%をしめこれは短期国債

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                                        • 雇用対策妨害して、縦割り前提の「雇用対策」唱える虚しさ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                          さて民主党の雇用対策にはまともな財政・金融政策がないことは散々指摘したので今日は違う角度から。 民主党は「雇用対策」を急ぐらしいが、僕はそれを虚しく受け止めている。所詮、その「雇用対策」(ミクロ的なものにいまは絞る)は、既存の省庁の縦割りを前提にしているものにすぎないように思う。具体的にいえばせいぜい厚労省の守備範囲。 文科省の補正予算の執行停止の具体的な事業名がわからないので(これも酷い話ではある)以下は推測が入るのがやむをえないが、たぶん補正予算の枠内で、全国の大学数百校に対して就職支援のための予算がついていたはず。それを前提に、各大学の就職担当部署は、この10月の事実上の3年生の就職のキックオフ、4年生のフォローアップ、さらにはマイノリティで無視されやすいけど留学生の就職支援のために、さまざまな支援計画をしていたはず。 それがなんの音沙汰もなしに予算が全然おりてこないらしい。上にも書

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                                          • デフレ脱却議連起動す! - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                            今日、参議院議員会館の会議室において民主党の衆参両院の議員の方々に招かれて、その設立準備会でお話をさせていただいた。専門的な話というよりも、デフレ不況の原因としての日本銀行の政策の失敗、政策の失敗をまねく日本銀行のガバナンスの失敗、そしてそれを正すための政府・与党への期待と対策をストレートに話させていただいた。 驚いたのはご本人の出席者がほとんどでその数も多く、また質問に立たれた方々がすべて問題点を的確に指摘されていた。いままで個々で問題意識をもたれていた方々が集結した感じである。 果たしてこのような日本の脱デフレに向けての重要な最初の会合で、僕が話すのがふさわしいのか、と思わないでもなかった。それだけ重要な会合だった。たまたま巡り合わせた僥倖と思い、そして岩田先生や浜田先生、野口さんやネットでは山形さんらご指導いただいた方々を代表する心意気で、経済学や経済の問題ではなく、日本のデフレは日

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                                            • フリードマン悪玉論 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                              赤間さんところで土曜の朝日新聞で経済思想関係の記事があったことを知り、ちょっと読んでみた。 http://d.hatena.ne.jp/akamac/20090207/1234016184 折しも,藤生京子「古典の思想家 再注目 世界不況の経済学」(朝日新聞,2009年2月7日付)の記事があった。危機の時代を迎え,スミス,ケインズ,ハイエク,シュンペーター,ガルブレイスなど近現代の「経済学・経済思想の泰斗」が引っ張りだこで,「遠ざけられがちだった古典」が注目されている,という。スミス,ケインズ,ハイエクの写真を載せ,堂目さん,間宮さん,稲葉さんらの談話などを引いて,「公共政策と個人の生活をつなぐ回路が,人間社会を,深く多角的に洞察する古典の知見から見つかるかもしれない」と結んでいる。 元記事http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY20090

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                                              • 雇用関係雑感&民主党の雇用対策は? - 2009-09-03 - Economics Lovers Live

                                                日経ビジネスのインタビュー記事は、いま気がついたけど結構注目を浴びてたんですね。はてブとかいま見ましたが。 http://b.hatena.ne.jp/entry/business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090820/203030/ http://b.hatena.ne.jp/entry/business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090820/203030/?P=1 まあ、インタビューの中の企業内失業、派遣労働禁止、公的雇用拡大、というのはどちらかというと僕の本題とは脇にそれたテーマで、インタビューの主眼は、景気対策が重要(特に金融政策と財政政策を積極的に)、それと長期不況に転じさせないこと(最も基本的に僕は90年代からの長期不況の悪化継続といまの日本の状況をみているだけですが)の二点だと、と思います。 失業

                                                  雇用関係雑感&民主党の雇用対策は? - 2009-09-03 - Economics Lovers Live
                                                • 原油高など日本の「インフレ」時代に対応した財政政策のすすめ(スティグリッツとバーナンキの提案再録) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                  この場合の「インフレ」とはCPI表示です。さてこの状況で、日本国民の懐をいかに暖めるか。与党はこれを財政政策によって対応しようというのが基本方向です(おそらく誰が政権をとってもそう変化ないのではないか、というのが僕の見立てです)。 しかし現状の財政政策は単に一時的な効果しか与えないものです。それは現在、懐が暖かくなる(減税や補助金などで)ことはあっても近い将来に増税は予想される場合には、あまり効果が期待できないことなどが理由としてあげられます。そもそも単年度の財政政策にはあまり効果がなく、それは政府の財政赤字だけ累増させ、政策対応の不十分さが「失われた10年」を継続した理由ともなった、という指摘がされてきました。 さて今回はいかに「インフレ」のもとで、国民の懐を暖かくして、暮らしを楽にするか。その意味で望ましい「財政政策」を考えて見ます。この「財政政策」は、現状の与党の財政政策に主にふたつ

                                                    原油高など日本の「インフレ」時代に対応した財政政策のすすめ(スティグリッツとバーナンキの提案再録) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                  • 「AKB48」大島麻衣の経済学 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                    「オジサンにミニスカートから出ている足を見られただけでチカンと思う」と発言した「AKB48」大島麻衣氏のブログが炎上したというニュースを読んだ。ここで炎上そのこと自体には関心はない。リンク先を読んで興味を魅かれた発言があった。もともとこの発言はテレビの番組内で飛び出したもののようで、出演していた「オジサン」徳光和夫氏が・大島氏に「見られることに優越感を感じないと。オシャレってことは、男に見られたいってことでしょ」と論する様に話したらしい。それに対して、大島氏は、「見られてもいいけど、オジサンにはイヤなんです。どうせなら女の子から『足がキレイだね』とか、そう思われたくて」と答えたという。 この発言は私のアイドル経済学研究からいっても非常に重要な発言であると思う。この大島氏の発言はミニスカートをはく女性たちの心理と戦略を的確に表現していると思ったからだ。コーネル大学の経済学者ロバート・フランク

                                                      「AKB48」大島麻衣の経済学 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                    • 岩田規久男前日本銀行副総裁の真意を日本経済新聞の記事はより正確に伝えた方がいい - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                      日本経済新聞の岩田規久男前日本銀行副総裁の記事が話題だ。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28642670X20C18A3EE8000/ 日本経済新聞のネットの見出しでは、「緩和推進「単純すぎた」 岩田・前日銀副総裁 物価2%目標実現できず」とあり、見出しだけの印象だと岩田先生がリフレ政策について反省をしているような印象さえもたらす。 実際に見出ししか読まない、いわゆる「ヘッドライン寄生」(by古谷経衡)の読者にはそういう反応もある。だが、記事を読めばそのようなリフレ政策が効果がなく、リフレ政策の失敗を反省する内容ではない。むしろリフレ政策の改善の余地について説明しているものだ。 またこの日本経済新聞のインタビューは題名だけでなく内容も読んでみると、岩田先生の従来からの主張と重要な点が抜けている印象をうける。 YCC(イールドカーブコントロール)は

                                                        岩田規久男前日本銀行副総裁の真意を日本経済新聞の記事はより正確に伝えた方がいい - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                      • 5分間だけ見た - Economics Lovers Live

                                                        エントリーを書いた手前、少しは見ておくかな、と思い朝生をたぶん10数年ぶりに見た。5分間ぐらい 笑。そのときはちょうど政治家たちしか映らず、「どうして朝生はこんなに政治家がすきなんだろうか? そしてこの政治家たちはどうしてこうもレベルが低いのだろうか?」と情けない思いが一杯した。ちょうどそのときの話題が、今回の世界金融危機が「資本主義の限界か、社会主義の復活か」(表現は厳密ではないがそんな論点)という感じの話しだった。正直、竹森さんの本の題名にもなってはいるんだけれども、別にそんな資本主義とか社会主義なんか今度の事件には関わってないと思う。金融危機自体は単に実践的な緊急避難の話にしかすぎない。 目の前で火事が発生していて、そこに消防車がかけつけて、消火活動する際に、「資本主義の限界か、この消火活動は社会主義的か」なんぞ問答するのはまったく愚かなことである。この種の議論を「根本病」と僕はいっ

                                                          5分間だけ見た - Economics Lovers Live
                                                        • アルファブロガーの経済学の準備メモ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                          「アルファブロガーの経済学」というのは検討材料としてどうかな? と春めいた陽気に誘われて頭ゆんゆん状態になったのでしょうか、検索して知ったんだけどメリケン国家ではそもそも「アルファブロガー」という範疇が成立してないか無視されてて、日本みたいに毎年賞で騒いで、そこで選ばれた人たちのブログの記事や読書感想文が制度的な感じで自動的に配信されてくような感じにはなってないんだ。へ〜。違ったらごめん。 しかしこのhttp://alphabloggers.com/nominee_2007/entertainment/anond.html のアルファブロガーの人たちで、経済問題に関してはそれを主話題にしているかいなかにかかわらず書いたものみるかぎり、finalventさんところと切込隊長*1以外のところは思わず「逝ってくれ」といいたくなる人たちが勢ぞろいしているのは気のせいだろうか? もしそれが春の陽気で

                                                            アルファブロガーの経済学の準備メモ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                          • クルーグマン、フリードマン、グレーバーら『未完の資本主義』(大野和基インタビュー&編)PHP新書と日本など先進国の生産性比較 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                            これは面白かった。クルーグマンとコーエンは相変わらずなんだが、ビクター・マイヤー=ショーンベルガーのデータ資本主義論が興味深い。セドラチェック、ブレグマンはおじさん版のグレタ・トゥーンベリなんだなと得心いった(笑。 AI型失業についてはクルーグマンとコーエンの将来ビジョンが違うところも相変わらずだが、やはり現時点の分析ではクルーグマンに軍配をあげるべきでしょう。しかしビクター・マイヤー=ショーンベルガーのデータ資本主義は、これはマッチングの話でもあり、価格で調整してきた市場モデルから、価格というデータの集約メカニズムを使わずに、直接にAIなどのプラットホームが情報を集約し、それを市場に提供できれば、価格はやがてすたれるかもしれない。データが直接の貨幣的表示となる。それがまあ、仮想通貨なんだろうけど、データ納税の話ともからんできていろいろ面白い空想ができる。彼の『データ資本主義』も読んでみた

                                                              クルーグマン、フリードマン、グレーバーら『未完の資本主義』(大野和基インタビュー&編)PHP新書と日本など先進国の生産性比較 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                            • 上念司『日本は破産しない!』 - Economics Lovers Live

                                                              日本政府の負債ゆえ「国家破産」を唱えるさまざまな妄説のたぐいをわかりやすく論駁していて一気に読める。日本がアルゼンチンやギリシャのように「財政破たん」するという論者には、アルゼンチンとギリシャの経済体制の違いから詳細に語りおこし、その認識の間違いを指摘しているところは特に必読だろう。 また「人口減少している国はデフレ」という最近流行のトンデモ経済学にも本書は(まだいい足りないところは最近の上念さんのTwitterがフォローしている)批判していてすっきりした見通しを与えてくれる。 そもそも国のバランスシートをみたときに、なぜ負債側だけが誇張されるのか、そのおかしな宣伝(財務省発だがいっこうにあらためる気配はない)を徹底的に暴き、日本の財政をバランスシート的観点から客観的にみていることもわかりやすいだろう。 また日本の財政の維持可能性を高めるには、まずは現状のデフレを克服することが重要であり、

                                                                上念司『日本は破産しない!』 - Economics Lovers Live
                                                              • 宮崎駿の経済学 - Economics Lovers Live 2009-07-04

                                                                いま出ている『ユリイカ』のメビウス特集でも書いたけど、紙数が足りないのでほとんど言及できなかったのが、メビウスと宮崎駿との関係。まあ、そう遠くない将来になんらかまとめて語る機会もあるかもしれないけれども、少なくとも宮崎駿について語る機会がすぐにやってきそう。まだ準備の段階だけど、7月に本務校のオープンキャンパスで、ミニ講義をする予定です。高校生が主なる対象なので、できるだけなじみやすいテーマにしたく、『風の谷のナウシカ』のマンガ版を利用して、経済学とは何か、それがどうナウシカ世界の解読に役立つのか、構造改革とは、テクノクラート(実務家)や産業政策とは何か、などを織り交ぜて話すつもりです。 マンガ版のナウシカは、従来から経済学者に愛好されていて、野口悠紀雄氏の「『風の谷のナウシカ」に関する主観的一考察」(『超整理日誌』所収)や、稲葉振一郎さんの『ナウシカ解読』などはその代表作でしょう。この両

                                                                  宮崎駿の経済学 - Economics Lovers Live 2009-07-04
                                                                • ハーバード大学がAKB48を研究する理由 Global Economics Trends 編集委員 小平龍四郎 - 日本経済新聞

                                                                  この連載コラムでよく言及される米国教育機関の一つに、米ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)がある。ケースメソッド(事例研究法)とよばれる授業に特色があり、世界各地の先端的な経営の事例が豊富に取り上げられる。世界の経営学を映す鏡HBSの授業は世界の経営学の現在を映す鏡だ。一例がジョージ・セラフェイム教授のReimagining Capitalism。短期の利益を求めすぎる風潮を反省し、環境

                                                                    ハーバード大学がAKB48を研究する理由 Global Economics Trends 編集委員 小平龍四郎 - 日本経済新聞
                                                                  • クルーグマン最適財政政策など - Economics Lovers Live

                                                                    伊藤元重先生のご提案。 消費税10%で日本を救う法 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090114-00000001-voice-pol :そこで、1つの政策のアイディアを考えてみた。この政策を実行できるかどうかは別として、こうした方向で政策を考えたらよいというアイディアである。まず、3年後から消費税を10%にまで引き上げると決定する。これから景気は2、3年は悪そうだから、3年後からの消費税の引き上げであれば、それまでに駆け込み需要が期待できる。消費税を10%に引き上げれば12兆5000億円ほどの税収が見込める。その2年分程度、つまり25兆円を現在、ケインズ政策として将来の日本をよくするための投資に回す。これによってケインズ政策としての景気刺激策が期待される。: 日本人の健忘症はすざまじいが、実際には「三年後景気回復したら(してなくても)

                                                                      クルーグマン最適財政政策など - Economics Lovers Live
                                                                    •  ミルトン・フリードマン逝去(享年94歳) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                                      http://www.nytimes.com/2006/11/16/business/17friedmancnd.html 最近まで元気に長時間のインタビューにもでておられただけに残念です。現在のマクロ経済政策の基本(期待で修正された短期と長期のフィリップス曲線、自然失業率の概念)を構築した重要なひとりであることはもちろんのこと、負の所得税、教育クーポン制、現在いわれている「小さな政府」論の祖形、マネタリズム、シカゴ学派の形成、経済学の啓蒙教育、変動為替相場制、投機の理論、恒常所得仮説、経済学の方法論への貢献、そして大恐慌の分析やアメリカの金融史の基礎的研究、などその業績はいまさら紹介するまでもなく大きな影響力を持っていました。日本の経済論壇の一部では感情的な反発がフリードマンに対して強いのですが、いまの日本はまさに「フリードマンの時代」に事実上直面しているといえるでしょう。 すこしまとめ

                                                                      • 宮崎哲弥・飯田泰之・河合正弘・小此木潔「経済・メディア衆論」 - 2009-08-22 - Economics Lovers Live

                                                                        公然リフレ派(実名さらしてネットで活動するリフレ派)の主要メンバーがスペイン出張中につき、わたくし田中が代わって事後宣伝。ところで僕も近いうちロンドンいくんだけどあっちらはリフレの嵐が吹き荒れてて、庶民レベルでもヘリマネ全開だとか。ぜひ日本も見習いたいものです。 朝日新聞の昨日の記事。まず飯田さんの問題提起ー「底打ち」を楽観的に見ることで景気回復がないまま不況が長期化するリスクが大きいこと、本来なら政策的対応を備えなければいけない自民党と民主党の両方のマニフェストが、十分な成長(つまりここでは景気回復)がないまま再分配を強く志向していることへの危惧などが指摘されている。 この飯田さんの問題提起に対して各論者がどう答えたかであるが、実は一番のこの座談の売りは飯田さんのこの問題提起があるということに尽きると思う。なぜならこれだけ大規模な総需要不足の不景気が、こんなに簡単に終わるわけない、という

                                                                          宮崎哲弥・飯田泰之・河合正弘・小此木潔「経済・メディア衆論」 - 2009-08-22 - Economics Lovers Live
                                                                        • 円高・株安を本当に止めたければ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                                          数日前にも書いたけれども、円高に連動して株安が進行(まあ、円キャリートレードの巻き戻しと考えたければ考えればいい)していることがそんなに問題ならば、日本銀行がいまの不況でも利上げ路線を放棄して、不況では利下げと積極的な金融緩和をしないかぎり無理*1。以下、雑感というかネタとして書きます。 対外通貨に対する自国通貨の価値は、ほぼその国の金融政策のあり方によって規定される。現時点ですべての対外通貨に対して円だけが異常に独歩高を続けていて、それがG7あたりでも懸念されてる(実際に懸念するべきは実体経済への影響を考えると特に日本なのだがw)。 この円高・株安を経済的にまずいと思って、本日も麻生総理は中川財務相らを官邸に招き、対策を練ったらしいが、この「対外通貨に対する自国通貨の価値は、ほぼその国の金融政策のあり方によって規定」という方程式からその対策が妥当かどうかネタとしてコメントしてみよう。 空

                                                                            円高・株安を本当に止めたければ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                                          • [話題]不況の中で増税に執心、次には不況対策棚上げで郵政民営化見直しにまい進? - 2009-02-06 - Economics Lovers Live

                                                                            麻生首相の選挙向けの秋波だかなんだか意味が不明だが、郵政民営化事業の見直しの答弁。いったいどこまで不況対策をないがしろにして明後日の方向にまい進するのか? 本当に日本は大丈夫なんだろうか? 郵政民営化で事業の将来は薔薇色みたいなかっての暗黒卿の路線に僕は否定的だったが、いまや郵政事業の見直しなど、真剣に時間を割く必要さえもない(数年前に民営化がどうでもいい話題だったのと大して変わらない)。よくはわからないけれども例のオリックス不動産への売却話ご破算もこの一連の見直し路線の露払いなわけなのかな? そうだとしたら本当に茶番で迷惑な話。 ところで『セイビング・キャピタリズム』の仮説が、こういう話とかみると、既得権者(天下りに固執して暗黒卿に報復したい財務官僚とか、郵政民営化反対の既得権者たち)たちが、不況をバネにして、市場の成果を否定し、規制を求めることで、なんと労働者の一部(経済的な困窮にある

                                                                              [話題]不況の中で増税に執心、次には不況対策棚上げで郵政民営化見直しにまい進? - 2009-02-06 - Economics Lovers Live
                                                                            • このまま経済状況が悪化すれば利下げは行われるだろう、しかしそれは政策転換ではなく、政策の失敗の結果として行われる可能性が大きい - Economics Lovers Live

                                                                              長いエントリー題名になりましたが、昨今のネット状況をみるに(アジア危機以降の国際資金余剰がデフレを持続させている、というトンデモなものがブームなようなので 笑)、二時間ドラマのような説明口調のエントリー題名の方が好まれるのかもしれません。 景気悪化への転換をすでに迎えたのではないか、という懸念がありますが、もし仮にいまよりも景気の減速がはっきりしてきた場合に、日本銀行は利下げを行う可能性が大きいでしょう。しかしそれは現状の政策スタンス(政策レジーム)の下では、政策の転換というよりも政策の失敗として行われる可能性が大きいでしょう。 つまり将来への積極的な金融緩和への明示的な約束(コミットメントといってもいいけどわかりやすく表現しときます)をしないかぎり、たとえゼロ金利にしてもそれは事態の悪化が自然と導いた消極的なものであり、単なる追い込まれ「緩和」でしかない。 例えばの話、単純な利下げ派が、

                                                                                このまま経済状況が悪化すれば利下げは行われるだろう、しかしそれは政策転換ではなく、政策の失敗の結果として行われる可能性が大きい - Economics Lovers Live
                                                                              • Causal Inference in Economics and Marketingを(今更)読んだ感想と備忘録 – かものはしの分析ブログ

                                                                                都内の事業会社で分析やWebマーケティングの仕事をしています。大学・大学院では経済学を通じて統計解析を行うなどしておりました。企業に勤めてからは、機械学習やテキストマイニング、クローリング技術などに関心を持っています。 Twitterアカウント Mr_Sakaue( SKUE ) GitHub 読書メーター ほしいものリスト 2016年にバリアンがPNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)に投稿した”Causal Inference in Economics and Marketing”というペーパーを見つけました。内容的に非常にわかりやすかったし学びがあったので、要約して自分のためにメモを残しておきたいと思います。要約なんぞいらないという方はこちらのPDFを見て

                                                                                  Causal Inference in Economics and Marketingを(今更)読んだ感想と備忘録 – かものはしの分析ブログ
                                                                                • スティグリッツ・バーナンキ案の現実的適用(高橋洋一埋蔵金活用法)と麻生政権は賢明か? - Economics Lovers Live 2008-09-11

                                                                                  総裁選は麻生氏の圧勝に終わりました。 さて昨日のスティグリッツとバーナンキ両氏の「インフレ」の下における望ましい「財政政策」ですが、これをいまの日本の文脈でさらに現実可能性を高めたのが高橋洋一さんの埋蔵金活用方法です。この両者の観点は埋蔵金というショッキングな表現で見失われてしまいますが、高橋案は、スティグリッツとバーナンキの「財政政策」の理論的コンセプトをそのまま体現しているものとみなせます。 そして昨日、発足した麻生政権が賢明かどうかもこの埋蔵金の利用の仕方にかかわってきます。一応、念のため書いておきますが、埋蔵金を利用しないでは麻生首相の経済政策は(いまの与党の合意の範囲で推測するかぎり)実行不可能です。ですので、スティグリッツとバーナンキ=高橋案は、その現実可能性をかなり満たしています。つまり埋蔵金を使うことはすでに現実可能性をみたしているので、あとはその使い方が重要な論点だ、とい

                                                                                    スティグリッツ・バーナンキ案の現実的適用(高橋洋一埋蔵金活用法)と麻生政権は賢明か? - Economics Lovers Live 2008-09-11