アニメ『まちカドまぞく』というのを見た。れいによって偶然であり、見ているときも、それほど面白いかなあと思いつつ、見ていた。面白いか面白くないかでいうと、面白かった。基本コメディで、そのコメディさは普通に以上に面白かったのだが、そうした面白さより、奇妙に心にひっかかるものがいくつかあった。 一つは明確にわかっている。風景である。私の育った三多摩の風景。特に、多摩川というものの作り出す風景が、出てくるたびに、心にじーんとくる。自分に馴染みのある風景だし、懐かしいのだから、じーんとくるというだけかもしれないが、風景がただ風景でなく、なんというのか、人の心としてそのままあるというような、そんな何かだった。 もう一つは、これがまたうまく言えないし、言うと失当だろうという感じもするのだが、いちおう印象でいうのだが、これは極めて優れたフェミニズム作品なのではないかという感覚だ。男子が出て来ない、恋愛要素