自殺の要因は数あれど、それを防ぐ手段というとぼやけたメッセージしかないのが疑問だった。「生命を大切にね」「生きていてよかった」みたいなメッセージを繰り返し繰り返し、どんなに素晴らしい文章や体験談で述べられても、実際にいままさに死のうかどうしようか迷っている側からすれば、そのへんの標語と同じぐらい無関係じゃなかろうかと。1万の言葉より目の前に存在しているマイナス要因を誰かが強制的に排除してくれというのが一番の望みだろう。 別に「生命を大切にね」と言うなといっているわけではない。一般的な考えではある。死ぬのはいつでもできるのに生き返るというのは今なかなかできないんだから、一回限りのカードを切るには十全に考えたほうがいいだろう。しかしそれをただメッセージとして発するのって、どの程度の効果があるというシュミレーションの元で言ってるんですか? ほんとに効果があるんですか?? ってことだ。 本書は自殺