「ビブリオバトル」という書評合戦が、全国的に人気だ。ルールは簡単。参加者がお薦めの一冊を持ち寄って、順番に資料を使わず5分間で本の魅力を紹介。一番読みたくなったのはどの本かを投票し、「チャンプ本」を決めるゲームだ。 特別研究員として京大大学院にいた2007年、ゼミの輪読会で読む本を決める仕組みを作ろうと考案。その経緯や魅力などをビブリオバトルを題材にした自作小説も交えてまとめた。現在、人工知能やロボットなどを研究する立命館大情報理工学部の准教授=写真中央=は、「ゲームの考え方がシステム論的で工学的。書物そのものを愛(め)でることだけから発想したわけではない」と振り返る。 たしかに、書評というよりは、本をネタに自分の言いたいことを語るという方がしっくりくる。そうして本や他人の考えを共有し、「人を通して本を知り、本を通して人を知る」のが最大の魅力だ。 それだけに、ルールの改変によりゲームの魅力