関西電力がクラゲの大量発生に悩まされている。例年は数件というクラゲによるトラブルが今年は100件超も発生。梅雨明け後もその数は減らず、蒸気を冷やす海水を十分に取水できずに7月下旬には火力発電所が運転停止に追い込まれた。関電の電力供給力は大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働で一息ついたが、クラゲ対策に有力な手段はなく、関係者は頭を抱えている。 気温が高まり、関電管内の電力需要が2673万キロワットにまで上昇した7月27日。兵庫県赤穂市にある赤穂火力発電所2号機が午後2時半、運転を緊急停止した。押し寄せたクラゲを処理できなくなったからだ。 発電所はタービンを回す蒸気を冷やすため、海水を循環させている。取水口にはゴミなどを取り除くネットが張られ、ここをすり抜けた異物は回転式の集(しゅう)塵(じん)機で取り除かれる。台風時の流木などのほかは異物の大半はミズクラゲ。集めたクラゲはミキサーにか