ペンは剣よりも強し──という言葉がある。 僕はこの言葉が正しいとは思わない。しかし「剣よりも強いペンの力を持った人間」というのは存在する。これは天から与えられた才能だと思う。誰もが持っているわけではない。 ときたま、僕はこの力を与えられた人間なのではないかと思うことがある。かつて、自分の書いた文章を読んで恍惚とした顔を浮かべた人間を何人もみたことがある。僕は剣よりも強いペンの力を与えられているのではないか。思い上がりかも知れないが、たまにそう思う。 Aくんに伝えておきたいことがある。それは、ペンの魔力というものに知名度は関係がないということだ。あなたの書く文章は綺麗だが、人を殺せるほどの魔力を持っているとは思えない。 幻冬舎の社長がキミを恐れているのは、手紙の内容が怖かったからではない。キミがかつて人を殺したことがあるからだ。 もしもひとを殺したことのない僕が、異端者を気取る見城社長の出演