1杯200円台の安さで「うどん県」こと香川県の胃袋を支えてきたうどん。その原料の輸入小麦がさらに値上がりする懸念から、店主らが苦渋の決断を迫られている。戦時下のウクライナからの輸出が綱渡り状態で、価格が高止まりしているためだ。その影響が日本を直撃するとみられる来春に先んじて、うどんの値上げを探る動きも出ている。ウクライナで取材を続けるジャーナリストが実情を追った。(文・映像・写真/ジャーナリスト・村山祐介/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 夜明け前の午前6時。高松市内の讃岐うどん店「手打十段うどんバカ一代」の店先にのれんがかかるとすぐ、十数人が次々とくぐっていった。客の多くが頼むのは「釜バターうどん」(小で490円)。熱々のうどんにバターと生卵、だし醤油を絡めて食べる看板メニューで、週末には数十人が列をなす。 壁の品書きは金額部分にテープが貼られ、数字が手書きされていた。7月