JR木次線の存廃問題に気をもむ山陰両県から見ると、異次元の出来事のようだ。それだけ資金をつぎ込むなら、ローカル鉄道の維持へ、少しでも回してほしいと恨み節も出てくる。 東京・品川―名古屋間でリニア中央新幹線の工事が進んでいる。だが、計画通りに推進して大丈夫なのだろうか。静岡県知事選の争点になっただけではなく、トンネル工事に伴う井戸の水位低下や残土の処理など問題が山積みだからだ。 JR東海が2014年に着工したリニアは、超電導磁石を使って浮上走行し、最高時速は500キロ。名古屋を40分、最終的に大阪までを67分で結ぶことによる経済波及効果と、東海道新幹線に並ぶ大動脈開通のメリットを同社はうたう。名古屋までは27年に先行開業の方針だったが...