古い発想にとらわれず、新たな試みをどんどん取り入れる。どんな製品開発にも欠かせない方針だが、グーグルの徹底度合いは群を抜く。電子メールという定番ツールすら、同社にかかれば見直しの対象。中核サービスである検索にいたっては、仕様は1日たつと様変わりする。 「現在のオフィスソフトや電子メールは、すべて紙を使ったアナログ世界の技術を模したもの。それがITの使い方として本当にふさわしいのだろうか」。グループウエア製品「Google Apps」などの製品企画を担当するマシュー・グロツバック ディレクターは、こう問題を提起する(写真1)。「我々は人々の仕事の進め方を再考する。そしてクラウドのパワーを使って、新しい価値を届ける」。 古い発想にとらわれず既存の価値観や方法を見直す。それを製品やサービスの開発に生かしていく。どの企業でも求められる、当たり前の考え方だ。問題はそれを実践できているかどうかである。