苦しんでいるのは彼らだけではない。広東省の建設労働者フーさんには2カ月間、賃金が支払われなかった。抗議のストを始めたとき、碧桂園はすでに約7万人の従業員を解雇していた。「会社が危機的状況にあろうがなかろうが関係ない。血と汗で稼いだ金を手にしたい」とフーさんは言う。 事情に詳しい関係者によれば、碧桂園の創業者、楊国強氏の一族は国有企業からの資本注入を得ようと当局との面会を期待して北京に飛んだが、不首尾に終わったという。 犠牲 経済の奇跡としか見えないような急成長において、住宅購入者や労働者、不動産開発会社、そして政府はそれぞれの役割を果たしてきた。 20年余りにわたり、不動産は中国経済の比類なき成功を支えた成長エンジンだった。負債をてこに拡大の波に乗ったこのセクターは2019年には国内総生産(GDP)の4分の1に相当する52兆ドル(約7780兆円)規模に達した。世界中の投資家が殺到し、ドル