鳥取県立博物館(鳥取市)が所蔵する弥生時代中期中ごろ(紀元前2世紀)の銅剣に、サメの絵が刻まれていたことがわかった。鳥取県と奈良文化財研究所(奈文研)が10日発表した。サメを描いた弥生時代の土器や木製品は日本海側で見つかっているが、青銅器では初めて。そうした地域に「サメ信仰」が広がっていたとみられる。 銅剣は全長約42センチで、鳥取県の収集家(故人)の遺族が26年前に博物館に寄贈した。箱書きには「鳥取県某神社伝来」と書かれているだけで、出土地は不明。奈文研が光をあてるなどして調べたところ、柄を装着する部分のすぐ上にサメの絵(長さ2・3センチ)が見つかった。流線形や二つの背びれなどの特徴から、イルカや魚ではなく、サメと判断したという。 「因幡(いなば、鳥取県東部)の白ウサギ」の神話が示すように、古事記の昔からサメは人々になじみ深かった。絵が刻まれた弥生時代の土器や木製品は、鳥取市の青谷上寺地