誰しもが大なり小なり、生きることに苦痛を感じているものです。時には周囲にその苦しみを理解して貰えず、孤独を抱えることもあるでしょう。しかし、「相手に理解される」ことばかり望んでいても問題は解消されません。かえって孤立する可能性も高めてしまうのです。哲学者の岸見一郎さんが語ります。 ※本稿は、月刊誌『PHP』2024年3月号より、一部編集・抜粋したものです。。 孤立しないために大切なこと もしも人がこの世界にただ一人で生きているのであれば、孤独を感じることはないでしょう。 しかし、実際には一人で生きているのではないので、どこかに誰かがいる限り、他者のことを思って孤独を感じることがあります。他者とつながっていると感じられたら孤独であると感じることはないでしょうが、どのように人とつながるかが問題です。 キム・ヨンスの小説に、次のような一節があります。 「私は母のおかげで、生と死の間には苦痛がある
![哲学者が親の介護で理解した「孤独を抜けだせない人」の一つの特徴](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dbb0f3e835474fdbed891c6d03ece61915132526/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fshuchi.php.co.jp%2Fuserfiles%2Fimages%2FutilityG%2Fpixta_shadow.jpg)