視覚障害者に新聞記事や本の音訳活動をしているボランティア団体から、記事の読み方の問い合わせがあったことをきっかけに、公共図書館で障害者サービスを行っていることを知った。視覚障害者にどのように文字情報を伝えるのか。全国でも珍しい、利用者と職員が1対1で視覚障害者のパソコン指導にあたっている日野市立中央図書館(豊田2)を取材してみた。【斉藤三奈子】 ◇社会に出るきっかけに 障害者サービス担当の中山玲子主任(38)は、国内の公共図書館で20人ほどしかいない視覚障害を持った職員だ。「こんにちは、どうぞこちらへ」。スムーズに私を案内する姿からは、全盲だと思えない。95年から中央図書館に勤務している中山さんは、図書館の中はつえなしで歩けると言う。 図書館の障害者サービスは「利用者の不便を取り除くことが基本」と考え、点訳のサービス・指導、視覚障害者のパソコン指導、デイジー図書(CD-ROMに記録した音声