高速道路の一部区間で無料化の社会実験が始まって28日で1カ月。無料区間の交通量は倍増し、沿線の観光地はマイカー族でにぎわう。半面、連休には各地で渋滞が発生。高速バス会社からは悲鳴が上がり、物流業界の反応も冷ややかだ。民主党の目玉公約だが、その効果を見せつけるところまでは至っていない。 ■交通両増加で明暗 北海道旭川市の旭山動物園。25日の日曜日、園近くの民間駐車場は午前中で満車に。札幌市から来た会社員(26)は「有料なら旭川まで平日の片道で3千円前後かかる。無料区間を使って釧路にも行った」と話した。 全国的に人気の旭山動物園だが、来場者数は3年前をピークに年約30万人ずつ減っていた。だが、旭川周辺の高速が無料化された7月に入り、1日あたりの来場者数は約9千人と前月から約1割増えた。 福井県小浜市にある若狭湾の名勝・蘇洞門(そとも)近くの駐車場も21日、他府県ナンバーの車で埋まっていた