読書週間(10月27日~9日)のイベントが各地で開かれる中、本県の公立図書館の司書が不足している。図書館職員に占める司書などの有資格者は33%で全国44位(2012年度)と低迷。公立図書館の設置率自体も低く、未設置町村の図書室では司書がいないケースが多い。司書不在で図書館ごとの選書の質や、郷土史研究などに必要なレファレンス(調査・照会)機能に差が出ることが懸念される。専門家は「よい図書館になるかは人次第」と指摘、資料の充実だけでなく人材育成が必要と訴える。 「国会図書館から資料を借りられるようになり、地元の歴史家による研究が活発になった」。上野村が10年に開設した初の村立図書館の司書、武部裕子さん(57)は喜ぶ。蔵書こそ少ないが、同図書館は林業など山村の生活にあった選書が評判だ。 公立図書館は図書館法に基づく基準を満たし、自治体ごとに設置条例を持つことが条件。公立化すると著作権法の例外