みごとに様変わりしていた。 町を歩く人はまばらで子供を見かけることはほとんどない。 人に会えばひたすら放射能の話で、みんなイライラしている。 訪れた友人の家では、部屋のドアの前に座っていて邪魔だというだけで、 12歳の兄が8歳の弟の腹に容赦なくつま先を蹴り込んでいた。 震災以降、つまらないことで感情が爆発することが増えたという。 海の方に行けば、なんだろうかあれは、本当に夢みたいな感覚。 家はすっかり流されてしまって、町の区画も全然わからず、 道路もめくれ上がっていて、どこにどう道がはしっていたのか思い出せない。 波打ち際が記憶より大分手前に迫っていて、岬の崖の一部が崩れていた。 瓦礫の真ん中に立って、まわりをみるとまさに「ぐにゃあり」。 東京へ帰ってきて1ヶ月以上経つけど、未だに現実感が戻らない。 電車に乗っても、街を歩いても、なにがどうなっているのか全然わからない。 頭の骨の中に綿が詰
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