ウシのような形や色から、島根県・隠岐諸島で「ベコ」と呼ばれる軟体動物・アメフラシが、地元の海岸で産卵し始めた。卵は黄色っぽく、縮れた毛糸のような形で、さながら海の中にラーメンが漂っているよう。 アメフラシは海に住む貝の仲間で、隠岐諸島では6~7月頃に海中の岩場などに卵を産む。卵は触ると弾力があり、普段は岩などにひっついているが、しけの後には海岸に打ち寄せられる。 島で野生生物などの観察を続ける環境省自然公園指導員の野津大さん(67)(隠岐の島町卯敷(うずき))は「岩場で独特の姿を見つけると、初夏の訪れを感じる」と話している。(佐藤祐理)