【ソウル=加藤達也】長崎県対馬市から仏像が盗まれて韓国に持ち込まれた問題で、日本への即時返還を韓国政府に求める訴えを20日、ソウル行政裁判所に起こした韓国人僧侶の真意をめぐり臆測を呼んでいる。 僧侶は慧門氏で、「仏像が明白な盗難品であることが裁判で確定した。直ちに返還手続きに着手すべきだ」と主張。「(盗まれた)仏像のために日本で嫌韓の雰囲気が広がっている。仏像の返還は韓日関係の改善につながるだろう」と強調しているという。 ただ、慧門氏は盗まれた仏像2体のうち「銅造如来立像」(国指定重要文化財)の返還は求めているが、もう1体の長崎県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」には言及していない。また関係者によると、訴訟当事者としての資格などに疑問があり、正式な訴訟になるか不透明という。 慧門氏は実は、日本など海外にある朝鮮半島由来の文化財を取り戻す市民団体の代表も務めている。請求権問題が「完全かつ最終的