困惑と反発が世界に広がった。 ローマ教皇フランシスコが、スイスのメディアとのインタビューで、ロシアの侵略を受けるウクライナについて「国民のことを考えて、白旗を揚げる勇気を持って交渉する人が強い」と発言した。 「白旗」は一般的に降伏を示すときに用いられる。ウクライナのクレバ外相が、X(旧ツイッター)への投稿で「私たちの旗は黄色と青だ。他の旗を揚げることはない」と反発したのは当然だ。 教皇は13億人の信徒を束ねるローマ・カトリック教会の指導者であり、発言の影響力は極めて大きい。国際法違反であるロシアのウクライナ侵略は到底許されないのだから、教皇が呼びかけるべきは、露軍の即時撤退ではないのか。 侵略から2年に合わせて発表した2月の談話でも、教皇は「外交的解決」を訴えた。この間、教皇が撤退を強調してこなかったことは極めて遺憾だ。 教皇庁報道官は、スイスメディアの記者が「白旗」という言葉を使ったので