久しぶりの研究者列伝は、二人同時紹介になります。 これまで、古気候を再現する方法として同位体分析を紹介してきました。貝殻化石を用いたユーリー。海底堆積物に含まれる有孔虫化石を用いたエミリアーニとシャックルトン。しかし、同位体比が保存されるのは何も生物だけではないはずです。 ダンスガードはかなり早い段階で氷床に目をつけていました。シャックルトンは、「氷床の量に応じて海水の同位体比が変化するため、海水を利用するプランクトンの同位体比が氷床の量に応じて変化する」ことを見出しました。ならば、氷床そのものに含まれる同位体比を分析すれば面白いデータが得られるのではないか? 「軽い水」と「重い水」の循環を示す図。氷床が発達するほど、海水は重い水が優越することがわかる。 ところで、氷床もの同位体比も変化しそうじゃないか?山形大学HPより(再掲)。 この予想を裏付けるために、ダンスガードは世界各地で雨や雪を
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