新型コロナウイルスに関する質問に答える国際医療福祉大の和田耕治教授=東京都千代田区で2020年6月9日、佐々木順一撮影 政府の新型コロナウイルス対策に助言をしてきた科学者たちはウイルスとどう向き合ってきたのか。連載2回目は厚生労働省クラスター対策班(現・疫学データ班)のメンバーで、政府の対策作りにも関わった和田耕治・国際医療福祉大学教授に聞いた。【聞き手 くらし医療部・金秀蓮】 当初から「重症化するリスク高い感染症」 Q:中国・武漢で原因不明の肺炎が発生していると初めて知ったのはいつですか。 A:昨年12月31日にニュースが流れました。直感的に「もしかして新しい感染症で世界に広まるかもしれない」と感じました。高いウイルス解析技術がある中国でも病原体が特定されていなかったので、新しい感染症だと考えられました。最初は海鮮市場で動物からヒトへの感染と考えさせるような話でした。ヒトからヒトへの感染