◇「牛との真剣勝負」から分業、機械化 牛を引いてトラックから降りてくる男性、牛がいなくなった係留場を掃除する職人、水の中にひじまでつけて内臓を洗う女性たち……。大阪府中部に位置する松原市の屠場(とじょう)を撮影した写真家で映画監督の本橋成一さん(69)のモノクロプリントだ。本橋さんは、80年代と現在の屠場で働く人々を収めた写真集を今年出版する予定。屠場の撮影はいわばライフワークだ。 本橋さんは東京で公開中の映画「バオバブの記憶」など、世界各地で自然や動植物と深くかかわる人々の暮らしを記録してきた。松原とのつながりは、86年公開のドキュメンタリー映画「人間の街」の製作時にスチールのカメラマンとして、松原市立と畜場(当時。現在は南大阪食肉市場に再編)の人たちを撮影したのが始まりだ。 国内の屠場は現在、衛生上の理由や作業の効率化のために、オンライン方式で牛や豚を解体する。牛の場合、失神させた後、

