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  • 早川由紀夫の火山ブログ 災害ユートピアから脱却せよ

    災害に見舞われた直後は、みんなで助け合ってこの困難を乗り切ろうの機運が被災地に生まれる。これを災害ユートピアという。3ヵ月くらいはこれが続く。しかし、すべてのユートピアが幻想であるように、災害ユートピアも幻想である。やがて打ち砕かれる。 住民と行政の利害は、じつは一致しない。行政も、国・県・市町村の階層ごとに利害が激しく対立する。国と県が協力して知恵を出し合ってこの災害を乗り越えましょうは幻想である。そこには激しい緊張関係が存在する。 この意味で、松復興大臣が県知事に言った「知恵を出さないやつは助けない」は、相手の立場を思いやったたいへん親切なことばだった。しかしこれを、ジャーナリズムが悪意を持って報道し、それを見た住民とその他の日国民が情緒的に反応して大臣を辞任に追い込んだ。大臣は、その言葉を住民に向けて語ったのではなかった。県知事を諭したのだった。 みずから工夫して努力しようとせず

  • 早川由紀夫の火山ブログ 福島第一原発の警戒区域

    警戒区域は市町村長が設定すると災害対策基法63条が定めている。昨年4月21日11時、原子力災害対策部長である内閣総理大臣が原発から半径20キロを警戒区域にしろと福島県知事と各市町村長に指示した。南相馬市長はその指示に従って粛々と警戒区域を設定した。しかし浪江町長は、総理大臣からの指示をそのまま住民に伝達しただけでことをすませて警戒区域の設定をしなかった。そしてどういうわけか、警察が28キロ地点に柵を設置して検問し始めた。これが14カ月たったいまも継続している。(ツイートまとめ) ・2011年4月22日0時から半径20キロを警戒区域にしろと内閣総理大臣が指示。 ・南相馬市はそのとおりに警戒区域を設置した。しかし他の町は設置しなかったようだ。浪江町は、どういうわけか28キロ地点に検問を置いた。 ・2012年3月16日、福島簡裁がフランス人に罰金刑10万円。 ・雲仙岳1991年噴火のとき警戒

  • 早川由紀夫の火山ブログ ニセ科学批判運動の真の目的

    菊池誠をリーダーとするニセ科学批判クラスタと放射能安全を強調するクラスタは、かなりの部分が重なる。ニセ科学批判クラスタがこれまで攻撃対象としてきたのは、血液型性格診断、水からの伝言、マイナスイオン、ホメオパシーなどである。既存科学の体系と対立する主張を批判する科学的な社会運動だと一見みえた。 しかしほんとうにそうだったのだろうか。科学の体系と反することを許さないも、科学の輝かしい業績を踏みつけにすることを許さないも、彼らの運動にとってつけた理由だったようにいまは思われる。彼らの真の理由そして目的は、現社会体制の維持継続を不安にさせる要因を早期につぶすことだったのだろう。 そう考えると、菊池誠をリーダーとするニセ科学批判クラスタが今回科学をかなぐり捨てて、やみくもに放射能安全を強調する側に立ったことがよく理解できる。原発こそが、ほんらい彼らがもっとも力を入れて批判すべきニセ科学だったはずだ。

  • 早川由紀夫の火山ブログ

    御嶽山でも、浅間山でも、火口縁は意外と火山弾に当たりにくい。ほとんどの火山弾はそこに立つ登山者の頭の上を超えて遠くまで飛行する。高角度で投出される火山弾が少ないからだ。火口縁にいる登山者は、高空から落下してくる無数の火山れきに当たる。横からでなく上から襲われる。 20世紀の浅間山噴火死者30数人は、大きな火山弾が横から命中して打ち砕かれたと思っていたが、そうではなかったようだ。御嶽山2014年9月27日のように、火口縁にいた登山者は高空から降り注いだ無数の火山れきに当たって絶命したのだろう。 Eject!を用いて、初速150m/s、直径50cmで飛行軌跡を計算した。投出角度は35、40、45、50、55度の5通りだ。実際の火山爆発では、この角度で投出される火山弾が大部分を占める。どれも1800から2000メートル地点に着弾する。1800メートルより火口側に落ちる火山弾はあまりない。 角度を

  • 早川由紀夫の火山ブログ 物理の方法と地質学の方法

    「データ3つで標準偏差を計算するのはおかしい」とする主張を私は物理の方法と呼んで、それだけが自然を正しく記述する方法だとする立場を強く批判した(追記参照)。そういう物理の方法としては他に、「正確でない数字の前にはかならず「約」をつけなさい」「結果は有効数字で表現しなさい」が、ある。 複雑な自然をそのまままるごと研究対象にする地質学(や生態学など)は、観察結果を数量で表現することの有効性をもちろん知っている。しかし、歴史性や地理的要因のため、データ取得がしばしば思ったようにはできない。そのとき、数量的表現をあきらめる立場があろう。 しかし私はその立場をとらない。どんなに精度が悪くても、言わないより言うほうがはるかにましだと思っている。精度が悪い数量を日常的に使っていると、数字の前に「約」をつけたり有効数字にこだわることに意味が認められなくなる。すべての観測数値に誤差がある。 日語としても、

  • 早川由紀夫の火山ブログ 人間は月に行ってない 大学生の7割

    勤務先の教育学部で、必修授業「子どもと世界」を分担しています。1年生220人を前期110人、後期110人に分割して授業します。私の担当は、前期1回、後期1回です。 今年から内容を「子どもと科学 疑似科学を信じるこころ」に変更して、きょう授業しました。90分授業の前半で、まずアポロ計画を2枚のスライドで次のように説明しました。 アポロ計画 • 1969年7月、アポロ11号は月の「静かの海」に着陸した。その後1972年までに、5回にわたって宇宙飛行士が月に降り立ち、科学的調査や試料採集をした。 • しかし、これはフィクションなのではないかとする意見がある。 状況証拠 • 40年前に行ったきり、その後行ってないのはおかしい。そんな昔に、そんな高度な技術があったとは考えにくい。 • 当時は、東西冷戦だった。アメリカには、みずからの技術力をソ連にみせつけたい動機があった。 • ハリウッドで撮影したの

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