前回、ドイツの「エネルギー転換」にとって、北海やバルト海の洋上風力発電の電気をいかに産業が立地するドイツ南部に運ぶかが課題となったが、そのための高圧送電線の建設がはかどっていない、と言及した。 2017年8月7日の公共放送ARDのニュースで、バイエルン州コーブルクでの送電線建設反対の集会を報じていた。政治的な立場を問わず住民1500人が集まり、その1週間前に発表された11万ボルトの送電線を38万ボルトに増強する計画への反対を訴えた。 ドイツ統一後、テューリンゲンの森を南北に貫いて、高速道路、鉄道、高圧電線が建設された。旧東西ドイツ地域の経済的一体性を取り戻すとともに、旧東の再建を促すため、両地域をつなぐインフラ整備が急がれたからだ。旧東西ドイツの境界に位置した旧西のコーブルクはこうしたネットワークの通過地域となった。(旧東のテューリンゲン州と旧西のバイエルン州は北と南の位置関係になる。)