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ブックマーク / note.com/takeuchi_kazuto (11)

  • なぜ軍隊は調達戦略を策定し、防衛産業基盤を管理すべきなのか?|武内和人 / Takeuchi Kazuto

    ガンスラー(Jacques Gansler)は防衛経済学の研究者であり、彼の最初の著作である『防衛産業(The Defense Industry)』(1980)は、制度論的アプローチでアメリカ軍の調達戦略の課題を検討した研究です。ガンスラーの基的な考え方は、アメリカとして長期的な調達計画を策定し、防衛事業から撤退する企業の動きに歯止めをかけ、調達の安定化を図るべきというものです。そうしなければ、防衛産業基盤は空洞化し、戦時に調達を急増させなければならなくなっても、供給が追い付かなくなると予想されています。 ベトナム戦争でひどく消耗し、1975年に部隊を撤退させたアメリカでは、国防総省の予算が大幅に削られました。その結果、1970年代に防衛産業基盤を下支えしていた多数の下請業者が廃業し、供給網にボトルネックが生じたことがあります。著者は1980年の著作で、このような問題を指摘し、アメリカ

    なぜ軍隊は調達戦略を策定し、防衛産業基盤を管理すべきなのか?|武内和人 / Takeuchi Kazuto
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    repunit 2026/08/21
  • 軍隊に対する文民統制が機能するには文民スタッフの役割が重要である|武内和人

    国家と軍隊の関係を分析する政軍関係の研究では、国家の政治指導者が軍隊に対して文民統制(civilian control)を確立する上で事務官が重要な役割を負っていることが指摘されてきました。 通常、政治指導者は軍事知識を十分に持っていないため、自身の政治的意志に基づいて政策を展開しても、それを軍隊に実施させることができません。自分の知識だけでは軍人が政策に従っているかどうかが分からず、またその行動を有効に指導することが難しいのです。そのため、専門知識を持つ文民スタッフを持たなければならないのです。 現代の政軍関係論を代表するピーター・フィーバー(Peter D. Feaver)は、文民スタッフの役割を説明するため、プリンシパル・エージェント・モデル(principal-agent model)と呼ばれるゲーム理論のモデルを応用し、次のような理論を提起しました。 プリンシパル・エージェント・

    軍隊に対する文民統制が機能するには文民スタッフの役割が重要である|武内和人
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    repunit 2025/08/09
  • 経済的国政術とは何か? 台湾有事にどのように関係するのか?|武内和人 / Takeuchi Kazuto

    経済的国政術(economic statecraft)とは、政治的目的を達成するために経済的手段を戦略的に運用する方法をいいます。国家安全保障上の目的を達成するために経済的手段を戦略的に運用することもありますが、その場合は経済安全保障(economic security)と呼ぶこともあります。ただ、経済的国政術の方が特定の目的に縛らない概念であるため、より広い意味を持つ上位概念として整理することができるでしょう。 現在、中国台湾の関係が悪化しつつあることから、さまざまな分野で台湾有事の検討が進められていますが、経済的国政術がどのように使われる可能性があるのかを検討した研究も出てきています。 William J. Norris (2023) The Devil’s in the Differences: Ukraine and a Taiwan Contingency, The Washi

    経済的国政術とは何か? 台湾有事にどのように関係するのか?|武内和人 / Takeuchi Kazuto
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    repunit 2023/08/26
  • 戦争の原因を探ることの難しさを論じた『戦争の原因』(2010)の紹介|武内和人

    ジャック・レヴィ(Jack S. Levy)とウィリアム・トンプソン(William R. Thompson)は戦争の研究で数多くの業績があるアメリカ政治学者であり、2010年に『戦争の原因(Causes of War)』という著作を出版しています。これは戦争の原因を説明するために構築されてきた理論を系統的に整理し、紹介したもので、これまでの研究成果を概観するときに役に立ちます。 Levy, J. S. & W. R. Thompson. (2010). Causes of War. Wiley-Blackwell. 1 戦争学の序論 2 システム・レベルの理論 3 二国間の相互作用 4 国家と社会のレベル 5 意思決定:個人レベル 6 意思決定:組織レベル 7 内戦 8 結論:分析レベル、原因、戦争戦争は「広義には政治的組織の間の持続的か組織的な暴力」として定義されますが(p. 5)、

    戦争の原因を探ることの難しさを論じた『戦争の原因』(2010)の紹介|武内和人
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    repunit 2023/01/30
  • 論文紹介 現代の海上戦でも艦載砲が無意味になることはない|武内和人 / Takeuchi Kazuto

    艦載砲(艦砲)は水上艦艇に搭載された火器の一種です。巡航ミサイルのような誘導武器ではなく、専ら砲熕武器を指して使われている用語です。近世以降の海軍で砲熕武器が広く普及し、火力が海上戦の勝敗に直接的な影響を及ぼすようになったことで、艦載砲は艦艇を設計する際の最重要事項になりました。 19世紀後半以降には艦載砲の口径を拡大するため、巨大な戦艦が設計されたこともありましたが、第一次世界大戦以降に航空機が、冷戦以降に巡航ミサイルが使用され始めたことで、艦載砲の意義は相対的に低下してきたといえます。現代の海軍では、さらにステルス化、ドローン、電磁加速砲などの新技術を取り入れることで、水上艦艇の戦闘力を高めようとする動きもあります。 このような技術動向において艦載砲はその歴史的役割を終えつつあるように見えますが、それは一面でしかありません。艦載砲は依然として艦艇の重要な武器です。アイルランド国立大学ゴ

    論文紹介 現代の海上戦でも艦載砲が無意味になることはない|武内和人 / Takeuchi Kazuto
  • 論文紹介 軍隊に入った若者が忠実な国民になるとは限らない|武内和人

    兵役を国民の義務として、軍隊に入隊させたとしても、彼らの心に国民の自覚が芽生え、国家共同体と一体化し、愛国的な精神が育まれるとは限りません。軍隊教育が国民形成に寄与するかどうかは状況次第であり、このことはKrebsが「国民の学校? 兵役はいかに国民を形成しないのか、またいかにして国民を形成するかもしれないのか」(2004)で詳しく説明しています。 Krebs, R. R. (2004). A school for the nation? How military service does not build nations, and how it might. International Security, 28(4), 85-124. https://www.jstor.org/stable/4137450 兵役を義務化することによって、国民を一体化させることが可能であるという見解をさま

    論文紹介 軍隊に入った若者が忠実な国民になるとは限らない|武内和人
  • 今からでも間に合う軍事学の基礎知識|武内和人 / Takeuchi Kazuto

    世界の平和は人類の理想ですが、現実に戦争は起きており、近い将来になくなる見通しも立っていません。 もし自国の周辺で他国が武力に訴える兆候を示したならば、その意図と能力を正確に見積もり、将来に起こり得るあらゆる危険を予測し、最悪の事態を回避する手を打たなければなりません。国家が行政活動を通じて達成すべき最も基的な目標は安全保障であり、軍事学はその達成を支援するために研究されてきた学問といえます。 現在、日で軍事学の調査、教育、研究の主体になっているのは防衛省・自衛隊です。しかし、平時から国民全体に研究成果を広く知らせ、知識の向上に努めることも大事だと思います。このような観点から、軍事学がどのような学問なのかを一から解説する記事を作成することにしました。 あくまでも軍事学を知らない方が、その内容を大まかに見通せるようになることを目標としているので、あらゆる研究領域を網羅することはできません

    今からでも間に合う軍事学の基礎知識|武内和人 / Takeuchi Kazuto
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    repunit 2022/02/25
  • 戦略を研究する人なら知っておきたいゲーム理論の基礎的な研究成果を紹介する|武内和人 / Takeuchi Kazuto

    ゲーム理論(game theory)とは、利害が異なる行為主体が相互に影響を及ぼし合う状況で選択する行動を数理モデルで分析し、最適化を図るために作られた理論体系です。 ゲーム理論は1944年に数学者ジョン・フォン・ノイマン(John von Neumann)と経済学者オスカー・モルゲンシュテルン(Oskar Morgenstern)が出した共著『ゲームの理論と経済行動(Theory of Games and Economic Behavior)』によって理論的基礎が固められ、政治学、経済学、社会学など、あらゆる社会科学の研究者に受け入れられました。軍事学もその例外ではありません。 この記事では、ゲーム理論を応用した軍事学の研究をいくつか紹介してみようと思います。数式を使った解説は行っていないので、あまり専門的な内容には踏み込めていないのですが、主に戦略の研究でゲーム理論が使われていることに

    戦略を研究する人なら知っておきたいゲーム理論の基礎的な研究成果を紹介する|武内和人 / Takeuchi Kazuto
  • なぜタリバンはアフガニスタンで20年も戦い続けられたのか? 『タリバンの戦争』の文献紹介|武内和人 / Takeuchi Kazuto

    2021年現在、アフガニスタンの各地で武装勢力のタリバンが攻勢を強めています。2021年4月13日、米国のジョー・バイデン大統領はアフガニスタンに駐留する米軍の全部隊を9月11日(後日、8月31日に変更)までに撤退させることを発表しました。 米軍の全部隊が撤退しても、アフガニスタンにはタリバンに抵抗する能力があるというのがバイデン大統領の説明ですが、8月現在のタリバンはアフガニスタンの都市を次々と攻略し、勢力を急拡大させています。米国はタリバンと20年にわたって戦い続けてきましたが、アフガニスタンが抵抗力を発揮できなければ、2001年から続いたアフガニスタンの戦いの最終的な勝者はタリバンとなる見通しです。 20年近くにわたってタリバンが戦い続けることができた理由はさまざまあります。その詳しい勝因を知りたい方にAntonio Giustozziの『タリバンの戦争:2001-2018(The

    なぜタリバンはアフガニスタンで20年も戦い続けられたのか? 『タリバンの戦争』の文献紹介|武内和人 / Takeuchi Kazuto
  • なぜ自由民主党は日本で長期政権を実現できたのか?『競争なき日本の民主主義』の書評|武内和人|戦争から人と社会を考える

    世界各国の研究者が日政治に注目するのは、日が民主主義を採用しているにもかかわらず、ほとんど政権交代が起きていないためです。1955年に結党して以来、自由民主党(自民党)は長期にわたって政権を維持することに成功してきましたが、世論調査から自民党が日国民から圧倒的な支持を受けているという事実は確認できません。 これまでに研究者は自民党が日で長期政権を実現できたのは、選挙制度に適した支持基盤を巧妙な予算配分で強固な支持基盤を形成してきたためであると説明してきました。このような政治的手法は一般に恩顧主義(clientlism)と呼ばれています。 シャイナー(Ethan Scheiner)の『競争なき日の民主主義:一党優位制国家における野党の失敗(Democracy without Competition in Japan: Opposition Failure in a One-Par

    なぜ自由民主党は日本で長期政権を実現できたのか?『競争なき日本の民主主義』の書評|武内和人|戦争から人と社会を考える
  • 国際政治学の立場からボードゲーム『ディプロマシー』の特徴と、その問題点を考えてみる|武内和人

    20世紀に開発されたボードゲーム『ディプロマシー』、今でも高い知名度を誇る古典的作品です。『ディプロマシー』のテーマは第一次世界大戦であり、プレイヤーはイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア、ロシア、トルコの7か国に分かれ、ヨーロッパにおける領土の拡大を目指して、外交交渉と軍事戦略を駆使しなければなりません(ルールの詳細はWikipediaでも解説されています)。 大学における政治学の教育でボードゲームを利用する取り組みが広まったのは、おそらく1990年代に入ってからではないかと思いますが、当初から『ディプロマシー』は国際政治学の教育現場で教員と学生の双方から支持を受けてきました。日でも一部の大学で教育に活用する試みが見られます(例えば、大正大学では2013年にプチ・レクチャーの教材として使われたことがあるようです)。 ただし、このようなボードゲームの利用においては、教育的な

    国際政治学の立場からボードゲーム『ディプロマシー』の特徴と、その問題点を考えてみる|武内和人
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