ガンスラー(Jacques Gansler)は防衛経済学の研究者であり、彼の最初の著作である『防衛産業(The Defense Industry)』(1980)は、制度論的アプローチでアメリカ軍の調達戦略の課題を検討した研究です。ガンスラーの基本的な考え方は、アメリカとして長期的な調達計画を策定し、防衛事業から撤退する企業の動きに歯止めをかけ、調達の安定化を図るべきというものです。そうしなければ、防衛産業基盤は空洞化し、戦時に調達を急増させなければならなくなっても、供給が追い付かなくなると予想されています。 ベトナム戦争でひどく消耗し、1975年に部隊を撤退させたアメリカでは、国防総省の予算が大幅に削られました。その結果、1970年代に防衛産業基盤を下支えしていた多数の下請業者が廃業し、供給網にボトルネックが生じたことがあります。著者は1980年の著作で、このような問題を指摘し、アメリカ軍

