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ブックマーク / p-shirokuma.hatenadiary.com (41)

  • わかってもわからなくても、信仰は生活のなかにあるよ - シロクマの屑籠

    blog.tinect.jp 黄金頭さんが、books&appsにて「おれたち日人には『信仰』がわかるのだろうか」というタイトルの文章を寄稿してらっしゃった。そこに登場する宗教の話は、前半はドーキンスや無神論とその周辺の話、後半は吉隆明や鈴木大拙などを引用した日で宗教について真剣に考えた人の話だった。 日人にとっての仏教や神道は、ひいては私自身や黄金頭さんにとっての仏教や神道がどこまで信仰たり得るのか、たり得ないのかを考えるにあたって、東西の宗教論は参考になる。それらの宗教論に基づき、あの人のは信仰たり得る、あの人のは信仰たり得ない、といったことを考えることは可能だ。 私も大学卒業の前後ぐらいから仏教についてお勉強をしたから、宗教や信仰の輪郭について考えてみたことがある。そして浄土真宗の家に生まれた者としてや、日の大乗仏教全般を思想として好んでいる者としても、私なりに色々考えたこ

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    repunit 2024/07/03
  • 40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること - シロクマの屑籠

    残り時間がどれぐらいかわからないなかで、どう日々を過ごし、年を取っていくか。 1975年生まれの私は、今、40代最後の時間を過ごしている。40代のはじめのうちは、中年になったことの驚きがあり、そこに今までに無い面白さを見出していた。その驚きと面白さを言語化したのが『「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?』だったが、5年以上の歳月が流れ、当時の驚きと面白さは過去のものになった。老年期が始まった時に再び面白さと驚きを発見するかもしれないが、現在の私は中年期のたぶん真ん中にいて、とにかく中年をやっている。 そうしたなか、40代最後の時間を全力で駆け抜けてきた。寿命が縮むような橋も渡ってしまっただろう。そのかわり自分がやりたいことをやりたいように・悔いの残らないように挑戦できたのはとても良かったと思う。 年を取っていくスタンスには大きな個人差があり、年齢の数字にこだわ

    40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること - シロクマの屑籠
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    repunit 2024/03/27
  • 現代人は本当に思想に飼われている - シロクマの屑籠

    president.jp リンク先の文章は、拙著『人間はどこまで家畜か』を一部引用しつつ、ひとまとまりの読み物として再編成しプレジデントオンラインさんに載せていただいたものだ。私たちは資主義にいいように飼い馴らされ、その資主義をますます充実させるための資の乗り物、それか家畜として使役されちゃっていませんか? といった話が中心になっている。 だが、現代人のマインドに根を下ろし、現代人をいいように飼い馴らし、現代人を動機づけている思想は資主義だけでもあるまい。 ぜんぶ挙げようとするときりがないが、『人間はどこまで家畜か』では、現代人を飼い馴らす思想として、資主義に加えて個人主義と社会契約、それから功利主義を挙げている。思想などという実体のないものに何ほどの力があるのか? と疑う人もいらっしゃるだろうし、そうした思想をつくりだしたホッブズやルソーやベンサムといった思想家の重要性は実感し

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    repunit 2024/03/19
  • 反出生主義という人類滅亡のミーム - シロクマの屑籠

    ※この文章は、黄金頭さんへの返信のかたちをとった、私なりの反出生主義についての考えをまとめた文章です※ blog.tinect.jp こんにちは黄金頭さん、p_shirokumaです。拙著『人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)』をお読みくださり、ありがとうございました。今回私は、どうしてもこのを読んでもらいたいブロガーさん数名におそれながら献させていただきました。受け取ってくださったうえ、ご見解まで書いてくださり大変うれしかったです。 『人間はどこまで家畜か』を黄金頭さんに献したかった理由は2つあります。 ひとつは、黄金頭さんが書いたこのブログ記事のおかげで『リベラル優生主義と正義』に出会えたからです。 リベラル優生主義と正義 作者:桜井 徹ナカニシヤ出版Amazon 今は8000円台で推移していますが、一時期、このには30000円ぐらいのプレミアがついていま

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    repunit 2024/03/02
  • 「いにしえの00年代のインターネットへの憧れ」はわかる気がする - シロクマの屑籠

    今の10代の人の間で、「ゼロ年代のいにしえのインターネットへの憧れ」がそこそこ共有されているっぽいのに最近気づいてる— highland (@highland_sh) 2023年12月18日 highlandさんの上掲投稿を見かけて、その少し前に読んだ00年代のブロガーの文章を連想せずにはいられなかった。 amamako.hateblo.jp gothedistance.hatenadiary.jp 未経験な世代の憧れを牽引し、その時代を経験した世代も懐古的に当時を語る、その00年代のインターネットとはどういうものだったのか? 私も思い出したくなったので少しだけ書く。 「当時のインターネットは良いことづくめじゃなかった」という一面 この問題について、同じくhighlandさんは絶対に無視できない一面にも触れている。 おもしろい個人サイトとか、フラッシュ動画とか、2ちゃんの面白コピペとか見て

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    repunit 2023/12/21
  • いつまでも あるかわからぬ 長寿の国 - シロクマの屑籠

    今日、ある方から「日人のエイジングについて」質問をいただいたこともあり、久しぶりに日人の平均寿命についてググってみたんですよ。そうしたら、以下のような読み取りやすいグラフがあって。 *こちらのグラフは高齢者住宅ジャーナルさんが出典となります* 皆さんは、この表を見て何を感じますか。病院に勤務している人なら、2020~2021年あたりは高齢者があまり亡くならない年だった、そのぶん2022年は亡くなる高齢者が多かった、などと思い出すかもしれません。コロナ禍の影響はここにも現れていますね。 私は、ぼんやりグラフを眺めながらこう疑問に思いました。「20年後、同じぐらい高齢者の平均寿命は長いものだろうか?」と。 このグラフの目の付けどころはどこでしょう? 医療行政の充実や医療技術の発展によって平均寿命が延びているさま、ひいては国民の健康が促進されているさま、と着眼する人は多いでしょうし、それ自体

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    repunit 2023/11/11
  • 誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ - シロクマの屑籠

    今回の内容は、以前にも誰かが書いていたかもしれない。でもこれから私が書くことを一字一句違わず書いた人はいないはずだから、誰かに届くかもと期待しながら記してみる。 インターネットの普及期と現在を比較して、違っているところを挙げるとしたら何が挙がるだろう? アングラ感の強弱。インターネットの多数派がどんな人なのか。コミュニケーションの主な手段がウェブサイトかブログかSNSか動画か。挙げれば色々ある。 今日、まとめたいのは「誰もが表現者になれる時代の終わり」についてだ。 インターネットではさまざまな新しいネットサービスが流行っては廃れを繰り返してきた。そして共通点がある。どのサービスでも、流行期には「誰もが表現者になれる」という夢が薄らぼんやりと漂い、それに釣られて集まってくる人々がいた。 90年代から00年代のはじめはウェブサイトの時代だった。この頃インターネットをはじめたアーリーアダプターた

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    repunit 2023/08/30
    シュレディンガーの表現者?
  • 絵本の周波数で宮崎駿アニメを観てみませんか - シロクマの屑籠

    (この文章は『君たちはどう生きるか』のネタバレをあまり含みません。終盤にちょっと含みますが、twitterほどは含まないでしょう。それから宮崎駿アニメ全体の話についてがメインです) 漫画 君たちはどう生きるか 作者:吉野源三郎,羽賀翔一マガジンハウスAmazon 『君たちはどう生きるか』が公開されて一週間が経った。SNSnoteはてなブログなどにはたくさんの感想や批評や見方がズラリと並んでいる。個人的には、博覧強記で経験豊かなアニメ愛好家が読み解いたネタバレ記事に惹かれた。専門家みたいな読み解きかたは難しい。それだけに、それが出来る人の文章にはリスペクトを感じる。 反面、あまり楽しめていない人、つまんないって言っている人も結構みかけた。インフルエンサーによる「駄作だ」というメンションに「いいね」が集まっていることも。それもわかる気がする。もはや国民的アニメでもあるいにしえの宮崎駿アニメ

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    repunit 2023/07/22
  • ますます静かに・安全になっていく社会は人間を自由にするか - シロクマの屑籠

    anond.hatelabo.jp リンク先の文章には、近隣の公園の喧騒に過敏になり、クレームをつけるに至った人の体験談が丁寧に記されている。いつものようにはてなブックマークにはたくさんのコメントが集まっていて、さまざまな意見、見解、感想が入り混じっている。 コメントのなかには、筆者の体験を病的であるとみなし精神科病院に行くよう勧めるもの、逆に精神科病院に行くよう勧めることが問題の個人化を促し、環境の改善がおざなりになってしまうのを懸念する声も見受けられた。なるほど。とても現代的だ。ここでは、近隣での騒ぎ声についての悩みが医療化されていると同時に、行政にクレームをつけることで改善を期待するさまが読み取れる。どちらも昭和時代以前には稀なソリューションだったに違いない。 昭和時代だったらどんなソリューションになっただろうか。 決まっている。「コラー!」である。 「子供が公園で自由に騒げた時代」

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    repunit 2023/06/09
  • 40代になってからも限界はみえない。それでもできることは減っている。 - シロクマの屑籠

    2023年度のGWも終わって、何というでないけれどもくたびれている。このままギアを落とさず5月をやっていくのかーと思うと気分が晴れない。五月病など、あってはならないことだ。 仕事と原稿と家庭に忙殺される日々を振り返って、思う。ああ、すごくできることが増えたけれども、すごくできることが減ったなぁ、と。以下に書くことがすべての中年に当てはまるとは、私も思っちゃいない。けれども私のようなパターンにはまる中年もいるはずだし、そういう人には刺さるかなと思って、四十代後半になった一人の人間の成長と限界について書き置きしておく。 「中年の成長の限界」の予想と現実 私は昔から成長の限界について考えるくせがあって、もう20代の頃から自分の限界はどこなのか、もし限界が来るとしたらどう身を処すべきか意識してきた。不安だったのだろう。というか今でもまあまあ不安だ。 そうして20~30代の頃に想像していた「中年の限

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    repunit 2023/05/12
  • もうスポーツ選手や動画配信者は"野良犬のヒーロー"ではない - シロクマの屑籠

    大谷選手やボクシング井上選手など、最近の若手スーパーヒーローはみんな遊ばずに品行方正なのは世界のスポーツや格闘技のレベルが上がりすぎてその世界で圧倒的なチャンプで居続けるには遊んでたり横見たちに逸れる余裕がなくなってるだけな気がしてる。サボってるとすぐに追い越されてしまう時代。— ポンデべッキオ (@pondebekkio) 2023年3月9日 WBCが開催され、大谷翔平選手が出場していたりする中、上掲のようなツイートを見かけた。いや、当に。スポーツ選手は品行方正になり、長く活躍する選手はフィジカルやメンタルの管理に余念がなく、「遊び」にうつつを抜かしているようにはみえない。発言、という点でもそうだろう。舌禍は一流選手にあってはならない。「口は悪いが腕は良い」などということが、今日日、どこまであり得るだろうか。 過去を振り返ってみれば、スポーツはもっと行儀の悪いもので「遊び」を多々含むも

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    repunit 2023/03/11
  • 上等な百合アニメだった──『リコリスリコイル』、雑感 - シロクマの屑籠

    ねんどろいど リコリス リコイル 錦木千束 ノンスケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア グッドスマイルカンパニー(GOOD SMILE COMPANY)Amazon リコリスリコイルを上質な百合アニメだとみなすようになったのは、いつ頃からだっただろうか。 「そんなの最初からに決まっている」という人もいるだろう。序盤から千束とたきなの二人はかわいらしく、かしましかった。オープニングテーマの蹴りあうシーンは、何度見ても飽きない。 いや、そういうことじゃなくて。 「『リコリスリコイル』はとにかく上質な百合アニメとみなして眺めれば良い、それぐらいの目線で見るのがベストだ」と自覚して、視聴態度というか、視聴照度というかを変更したのはいつ頃だったのかな? と振り返ったりした。 それは中盤あたりからだったように思う。 はじめ、『リコリスリコイル』は、千束とたきなのかしましさや、ガンアクションが

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    repunit 2022/09/29
  • 「中年に惑ったら、髪型を変えろ、車を変えろ」 - シロクマの屑籠

    times.abema.tv 先日8月3日、ABEMA Prime さんにて「中高年のうつ病」という特集があってゲストとしてお邪魔させてもらった。思っていた以上に中高年のうつ病についての話が真面目かつ広く取り扱われて、限られた放送時間のなかでいろいろな話題が出て良かったんじゃないかと思う。そこで、中年危機について良さそうなアイデアが語られていたので、これは書き残したほうがいいと思ったので書いておく。 パックン「中年危機になったら髪型変えればいいんですよ」 そのアイデアは、番組のなかで中年危機の話になっていた時にぽろっと出てきた。隣の席のパックンさんがこうおっしゃったのだ。「アメリカでは中年危機って言葉はすごくポピュラー。中年危機になったらね、髪型変えればいいんです」。 おお、さすが中年危機がカジュアルに語られる国だけのことはある。そう出るか! 中年危機は英語でmidlife crisis

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    repunit 2022/08/05
  • リングフィットアドベンチャー無しでは保てない身体になっている - シロクマの屑籠

    例年、格的な夏の頃には体重が落ちてくるのだけど、今年はなかなか落ちてこない。なぜだろう? と思って生活を振り返ったら、リングフィットアドベンチャーをやっていなかったことに気が付いた。 リングフィット アドベンチャー -Switch 任天堂Amazon 私は怠惰なので、リングフィットアドベンチャーをやるといっても、せいぜい週2回、カロリー数にして合計80kcalぐらいのものだ。あとは散歩やジョギングをいくらか。フィットネスジムに通って毎週200も300もカロリーを使ってくる人々の、あの勤勉さは不可能だと私はあきらめていた。 そうしたなか、リングフィットアドベンチャーは怠惰な私にも定着したほうだった。ゲームとして遊んでいたのは過去のことで、今では体調を整えるための手段として、カスタムモードのオリジナルメニューを定期でこなすだけになっている。普段、なかなか動かせない筋肉を動かすと気持ちが良い。

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    repunit 2022/07/03
  • 生きに生きて40歳、俺らは結構長く生きた - シロクマの屑籠

    pha.hateblo.jp phaさんのエッセイは、焼きたての手作り菓子のようで、そのようなエッセイにツッコミや言及を入れるのは野暮であり、無粋でもあるのだけど、寒くてどこにも出かけたくない気分だったので、これを書くことにした。 まずphaさんへの私信のようなものとして。 「過ぎ去った若さについて書くとしても、50代になってから書くと、もう完全に枯れきった感じの遠い目線になってしまうと思うんですよ。でも、40代初めの今ならまだみずみずしい喪失感を書けるんじゃないでしょうか」 確かに、それはそうかもしれない。それは今しか書けないことな気がする。 40代くらいで、僕と同じような虚無を抱いている人は他にもいるだろう。そういう人たちに向けた文章になるのだろうか。中年には中年にしか書けないことがあるのかもしれない。そういう方向性でちょっとやってみようか。 https://pha.hateblo.j

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    repunit 2022/02/07
  • 適切な言葉遣いは、身を助ける防具にも敵を排除する武器にもなる - シロクマの屑籠

    blog.tinect.jp 上掲リンク先の文章は「適切な言葉遣い」の重要性について書かれたものだ。混同しそうな言葉のひとつひとつを丁寧に、面倒くさがらず、厳密に選択していく必要性が経験談とともに紹介されている。 だが上司は、非常に言葉にうるさかった。 例えば「問題」と「課題」のちがい。 これは専用のテキストまであり、「絶対に混同して使うな」と教えられた。 これはのちに、小難しい議論を好む人ほど 「問題」じゃない、「課題」だ と強く主張することが結構多く、「厳密に教えてもらっていてよかった」と強く思った。 あるいは「失敗」と言うな、「成長ネタ」と言いなさい、とも言われた。 正直なところ、「馬鹿馬鹿しい」と最初は思った。 小学生じゃあるまいし、「失敗」と言って何が悪い、と。 しかし、「失敗」の発表の場で、誰が発表したいと思うだろうか。 社長が「成長ネタ」を披露してください、とコンサルタントに

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    repunit 2021/09/17
  • 「僕たちの文明では感情は精神疾患」まであと何歩? - シロクマの屑籠

    私の気持ちは、誰のもの?(熊代亨:精神科医)#もやもやする気持ちへの処方箋|「こころ」のための専門メディア 金子書房 リンク先は、金子書房さんのnote記事に寄稿させていただいた「私の気持ちは誰のもの?」という文章だ。 社会から不適切な感情がどんどんなくなり、怒りや気分の落ち込みや不注意がどんどん治療やマネジメントの対象になっていくとしたら、私たちの気持ちはいったい誰のものなのか──そういった疑問を書き綴ったものだ。 でもって、この文章の終盤で、私は『魔法少女まどか☆マギカ』のキュウべえのセリフを拝借した。 10年ほど前にヒットしたアニメーションで、効率主義の異星人が「僕たちの文明では、感情という現象は稀な精神疾患でしかない」と主人公に言い放つ場面を見たことがあります。当時はその異星人の非-人間性に戦慄しましたが、最近の私には、それが他人事には聞こえません。効率性や生産性の妨げとなる感情や

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  • ある研修医が見た就職氷河期の記憶 - シロクマの屑籠

    芽吹いてきた新緑を眺めていて、ふと、昔話がしたくなった。 別に珍しい話ではない。 一人の研修医から見た、就職氷河期当時の思い出話についてだ。 1. 私が研修医になる前から、それは始まりかけていた。私は医学部にこもりっきりなのが性に合わなくて、他学部の学生がたむろしている場所に好んで出入りしていた。そこで出会った他学部の先輩たちが「就職活動が大変だよ」と言っているのを耳にしたりもしていた。とはいえ1994年度、1995年度に卒業した他学部の先輩がたの就職先はなかなかのものだった。ゲームと登山に熱狂して留年しまくっていた先輩が、大手自動車メーカーに入社できた話を聞いた時はびっくりした。あのゲームばかりやって山ばかり登っている先輩ですら大手自動車メーカーに入社できる。そういう希望があった。 1996年。1997年。 この頃から様子がおかしくなってきた。私と同学年に相当する彼らは就職活動に苦戦して

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    repunit 2021/04/16
  • 「TPOのできた発達障害な人でも働きにくい社会」とそのコンセンサス - シロクマの屑籠

    私の場合、診察室はもとより、私生活でも「大人の発達障害」と診断された人によく出会う。私が好きで好きでしようがないインターネットやサブカルチャーの領域にも「大人の発達障害」と診断される人がごまんといて、彼らなりに活躍していたり苦労していたりする。 「大人の発達障害」と診断される人々に診察室で出会っても、プライベートで出会っても、彼らの大半は礼節や礼儀作法をしっかり身に付けている。少なくとも、そういったTPOがなっていない人にはあまり出くわさない。もちろん、空気を読んで当意即妙の発言ができる/できないであるとか、会話中の手足の挙動とか、そういった部分から発達障害の特性が垣間見えることは、ある。けれども古典的な自閉症のような重度の発達障害ならいざ知らず、「いまどきの大人の発達障害」と診断されている人のなかには一定のTPOを身に付けている人がたくさんいるし、そのおかげでプライベートな付き合いが成立

    「TPOのできた発達障害な人でも働きにくい社会」とそのコンセンサス - シロクマの屑籠
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    repunit 2021/02/19
  • 男性性欲が医療によって管理される未来 - シロクマの屑籠

    この文章は、先週twitterでつぶやいた話をブログ用に書き直したものだ。もっと長文でまとめてみたい、と思ったからだ。 「賢者タイムは生産的」→「というより、男性性欲のあれって認知や行動の障害では?」 「賢者タイム」というインターネットスラングをご存じだろうか。 賢者タイムとは、男性が射精後に性的関心がなくなり、冷静になっている状態を指す言葉だ。賢者タイムがあるということは、いわば愚者タイムとでもいうべき時間もあり、男性、とりわけ若い男性はしばしば、性欲や性衝動によって冷静さを失う。そして生産的でも合理的でもない行動、たとえば普段は欲しいとも思わないポルノグッズを衝動的に買ってしまったり、向こう見ずな行動をとってしまったりする。 だから若い男性のなかには、冷静さを取り戻すために、ほとんどそれが目的でマスターベーションを行う人すらいる。 「睾丸毒」というネットスラングも過去にはあった。これも

    男性性欲が医療によって管理される未来 - シロクマの屑籠