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読書に関するreqanuiのブックマーク (12)

  • 認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』 - 基本読書

    英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860) 作者:今井 むつみ発売日: 2020/12/19メディア: 新書この『英語独習法』は、認知科学や発達心理学を専門とする今井むつみによる、認知科学の観点から考えた最強の英語学習について書かれた一冊である。『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。』といったり、多読がそこまで良くはない理由を解説したり、一般的に良しとされる学習法から離れたやり方を語っている。 特徴としては、「何が合理的な学習方法なのか」を披露するだけではなく、「なぜそれが合理的なのか」という根拠を説明しているところにある。だから、これを読んだらなぜ一般的な英単語の学習法(たとえば、英単語と日語の意味を両方セットで暗記していく)が成果を上げないのか、その理屈がわかるはずだ。認知科学のバックボーンから出

    認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』 - 基本読書
  • 10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書

    アンソロジーが記憶に残った年 今年を振り返って記憶に残ったのは、やはり10年という区切りの年だったこともあってか優れたアンソロジーが多数刊行されたこと。たとえば、『なめらかな世界と、その敵』の伴名練が編者に入った『2010年代SF傑作選1・2』(大森望・伴名練編)は野崎まどの笑撃作「第五の地平」から小川一水による数学SFの傑作「アリスマ王の愛した魔物」、ベテランから新鋭まで幅広く取り揃えたアンソロジーだ。 2010年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ピーター トライアス,郝 景芳,アナリー ニューイッツ,ピーター ワッツ,サム・J ミラー,チャールズ ユウ,ケン リュウ,陳 楸帆,チャイナ ミエヴィル,カリン ティドベック,テッド チャン発売日: 2020/12/17メディア: 文庫今年は海外編も前回の年代別傑作選から十八年ぶりに『2000年代海外SF傑作選』、『2010年代海

    10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書
  • キリの悪い所でやめるメソッド - 基本読書

    小ネタ。よく学習法で「一日たったの五分でOK!」みたいな謳い文句で売り込んでくるケースが見受けられるが、あれは信用ならない。なぜなら何においても「はじめる」のが非常に億劫なのであって、一度はじめてしまえば五分なんていわずに二十分でも三十分でもできるものである。そういう経験がだれにでもあるのではないだろうか。 五分でOKなのか! と喜び勇んでやってみてもその五分の壁が厚い。その壁さえ乗り越えてしまえばあとはすいすいできる。なぜはじめるのだけがやたらと難しいのか理由はわからない。はじめるとやる気成分が出てくるみたいな話をどっかで読んだような気もする。だから問題は一日に何分でOKというその時間の短さではなく、いかにして始めるかだ。 MORI LOG ACADEMYという作家の森博嗣さんの著作の中で「キリの悪いやめ方を心がける」というメソッドが出てくる。これがなかなか素晴らしいメソッドで、もう長い

    キリの悪い所でやめるメソッド - 基本読書
    reqanui
    reqanui 2021/01/10
    やる気を出すための踏み台を用意しておくのね
  • 続きがでなくて悲しかった最近のSFたち - 基本読書

    25日発売のSFマガジン2020年10月号、ハヤカワ文庫SF50周年号で、50周年を記念して渡邊利道さん、鳴庭真人さんと僕の3人で座談会をやっています。 SFマガジン 2020年 10 月号 発売日: 2020/08/25メディア: 雑誌あまり明確なテーマはなくざっくばらんに最近のハヤカワ文庫SFや創元SF文庫について話そう、といったかんじで楽しく話したんですが、その座談会に備えて近年(5年ぐらい)のラインナップを見返したり、どのジャンルが何冊ぐらい出ているのかを数えていたら、「そういえばこれ続きが結局出なかったな……」とか、「というかなんで出なかったんだよ!!」と怨念が蘇ってきたので、供養代わりに記事にしようかと思います。ちなみに早川の編集さんにはその場で続きを出せ! といってます。 ラメズ・ナム『ネクサス(上・下)』 ネクサス(上) (ハヤカワ文庫SF) 作者:ラメズ ナム発売日: 2

    続きがでなくて悲しかった最近のSFたち - 基本読書
    reqanui
    reqanui 2020/08/26
    ニーヴンのノウンスペースシリーズはリングワールドのドラマ化で未訳作がきっと出る!…といいなあ…。パペッティア人の惑星船団が舞台の『Fleet of Worlds』を読みたいんだ。
  • 人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』 - 基本読書

    もうダメかも 作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター発売日: 2020/04/13メディア: 単行我々はウルトラマンに守られているわけではないのだから、死ぬときがきたら死ぬしかない。その事実は多くの人が認識しているだろう。が、実際に自分が人生の各フェイズでどれぐらい死ぬ確率があるのか、多くの人はそこまで認識してはいないのではないだろうか。10代、20代なら自分が死ぬことなど意識しないだろうし、30代でもそう大きくは違わないだろう。だが、人は何歳であろうともポカっと死ぬものだ。 というわけでこの『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』は、ノームと名付けられてこの世に生を受けた一人の男性の成長を歩調をあわせて、人生の各フェイズでどのような死亡リスクがあるのかを細かく統計でみていこう、というである。 たとえば、交通事故、出産時、タバコを一吸った時、放射線を浴びた時、

    人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』 - 基本読書
    reqanui
    reqanui 2020/04/20
    ピアスンのパペッティア人必読
  • 実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSFなデビュー作──『最後にして最初のアイドル』 - 基本読書

    最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA) 作者: 草野原々,TNSK出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/01/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る著者自身によって、「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」という長すぎてTwitterに流しにくい、ジャンルだかキャッチコピーだかを名付けられ世に送り出された「最後にして最初のアイドル」。 書はその中篇を表題作として、ガチャと宇宙の真理に到達する「エヴォリューションがーるず」、声優たちが殺し合いエーテルに満ちた宇宙をかけめぐる「暗黒声優」の計三を収録した、著者草野原々のデビュー作品集である。世に出た最初の作品である「最後にして最初のアイドル」はもともとラブライブの二次創作同人誌を改稿してハヤカワのSFコンテストに送ってきた問題作だ(ちなみに特別賞を受賞した)。*1 「

    実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSFなデビュー作──『最後にして最初のアイドル』 - 基本読書
    reqanui
    reqanui 2020/03/25
    『暗黒声優』の王道冒険モノが好き。
  • 銀河サイズの超知能AIはどのように思考するか? などはるか未来の知能の在り方が模索される──『LIFE3.0――人工知能時代に人間であるということ』 - 基本読書

    LIFE3.0──人工知能時代に人間であるということ 作者:マックス・テグマーク出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/12/27メディア: 単行この『LIFE3.0』は人間の知能を遥かに超えた超知能AIが出現したら何が起こり得るのかを、AIの安全性研究や有識者会議をとりまとめる著者が記した一冊になる。 超知能AIや、シンギュラリティ(技術的特異点)概念はどうやってそれが起こり得るのか技術的な道筋もわからないし、起こった後どうなるのか予測も不可能なので、この手のは大抵できの悪いサイエンス・フィクションになっているのだけれども、作はその中でもわりとできの良い方である。SFなのには変わりがないが、現在の技術的な観点からがんばって予測しようとしていて、その道筋自体はおもしろい。 書名に入っている「LIFE3.0」は、著者が生命をレベル分けした概念にあたる。話の筋からするとほぼ

    銀河サイズの超知能AIはどのように思考するか? などはるか未来の知能の在り方が模索される──『LIFE3.0――人工知能時代に人間であるということ』 - 基本読書
    reqanui
    reqanui 2020/01/12
    超知能文明でも宇宙の寿命はどうしようもないしバクスターの『ジーリー』みたいに別の宇宙に脱出するしかないのかなあ
  • 数学的原理に裏打ちされたファンタジー小説──『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』 - 基本読書

    精霊の箱 上: チューリングマシンをめぐる冒険 作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2016/10/26メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険 作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2016/10/26メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る書は副題にチューリングマシンをめぐる冒険とあるように、「チューリングマシン」について、その諸原理や応用問題を取り扱った一冊である。チューリングマシンとは計算を数学的にモデル化するために生み出されたもので──と説明を始めたらキリがないので一旦終わるが、それと同時に、書は「格ファンタジー」でもある。 ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を筆頭として、ストーリー仕立てで現実の経営論や

    数学的原理に裏打ちされたファンタジー小説──『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』 - 基本読書
  • 黄色い部屋の秘密 by ガストン・ルルー - 基本読書

    黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: ガストン・ルルー,高野優,竹若理衣出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/10/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る今やカレーといえば福神漬ぐらいのレベルでミステリといえば密室物ぐらいに切っても切れない関係性にある。書は『オペラ座の怪人』などで知られるガストン・ルルーによって1908年に刊行され、最初期の密室作品群のうち「実は抜け穴がありましたー」などというがっかりな結末でない「完全な密室状態」であることを作品の中心に置いた、時代を代表する作品である(完全な密室状態を書いた最初の作品とは解説にも書いてないからこれぐらいが妥当な表現だろう)。 さまざまな批判はあったものの、今日まで『黄色い部屋の秘密』が個展中の古典として読み継がれてきた最大の理由は、完全な密室にこだわった、という点にあるのだろう。

    黄色い部屋の秘密 by ガストン・ルルー - 基本読書
  • 魔術×ミステリ──『魔術師を探せ! 』 by ランドル・ギャレット - 基本読書

    魔術師を探せ! 〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: ランドルギャレット,旭ハジメ,公手成幸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る書『魔術師を探せ!』はランドル・ギャレットによる魔術が当たり前に存在する世界での殺人事件を探偵役が解決していくファンジックミステリだ。翻訳は1978年が初出なので実に40年近くの時を経て新訳で復活した。長篇ではなく、「その眼は見た」「シェルブールの呪い」「青い死体」の3篇を集めた中篇集となる。 それにしても、魔術が存在する世界でのミステリって、自由度が高くていろいろ実験的なこともできそうだし、もっとたくさん数があってもいいと思うんだけれどもあんまり数がないのはやっぱりその理論的な構築が難しいからだろうか。 たとえば、問答無用で遠く離れた相手の首を魔術でひねり潰せるのであれば殺人

    魔術×ミステリ──『魔術師を探せ! 』 by ランドル・ギャレット - 基本読書
  • 清涼院流水のここが凄い - 基本読書

    あまりにも世間での流水大先生の評価が低いのでなんとかして流水先生の凄さをわかってもらいたい。もはやこのサイトはただのサイトではあらず。今日から流水ファンサイトとして活動していってもいいぐらいである。コズミック・ゼロ刊行決定(のような気がする)に合わせてずっと前に書いたものをこうしてアップする。ここでは清涼院流水をまったく読んだ事がない人にもわかるように凄さを書いてく。 1.世界でただ一人の流水大説家である。 いわずもがな、大説といえば流水大先生であり流水大先生といえば大説である。今のところ大説をかけるのは流水大先生だけであり、世界で唯一の使い手である。大説とは自分もよくわからないのだが小説に対して大とついているのだから少なくとも小説よりはでかい枠で物語を捉えたものだということはわかる。流水先生によると大説はある意味で「声に出して読みたい文Show」らしい。また文章(文Show)も小説とは一

    清涼院流水のここが凄い - 基本読書
  • 人の意識を機械に移植できるのか──『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』 - 基本読書

    脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者: 渡辺正峰出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/11/18メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る人の意識は機械に移植できるのだろうか。 SFなどではおなじみのテーマだけれども、現実的にはまだまだぜんぜん無理だ。でも、その可能性を検討することはできる。果たしてどうやって意識を移植するのか? そもそも移植すべき意識は脳のどこに、どんな過程で宿るものなのか? 仮に意識の領域、発生プロセスが確定したとして、それを移植したとして、どうやったら「機械への意識の移植が成功した」と確認をとることができるのだろうか? 書『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』はそんな脳の意識をめぐる脳神経科学の歴史と成果、それとちょっとばかりの飛躍として、機械の意識について語られた一冊である。これがまあ、基礎的な脳神経科学

    人の意識を機械に移植できるのか──『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』 - 基本読書
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