君待秋ラは透きとおる 作者: 詠坂雄二出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2019/06/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るどうやら能力バトル物らしい、というだけでそれ以外の情報を何も仕入れずにこの『君待秋ラは透きとおる』に手を出してみたが、これがたいへんにおもしろい。著者はミステリィの著作を多く持つ詠坂雄二。本作も主軸としては能力──本作においては「匿技」──を持つ人々がいる”社会”と、匿技士たちの関係性、時にその戦いを描きながら、同時に鮮やかな能力ミステリィとしてオトしてみせる。 匿技士たちはみな、透明になるとか鉄筋を生み出すとか、固有の能力を持っている。本書は、そうした匿技がどのような物理法則にのっとって、あるいは物理法則に則っていないとしたらどの部分がそうなのか? といった科学的な検証をきちっと詰めていってくれる能力バトル物であり、その戦闘のロジカルな展開や