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ブックマーク / movie.maeda-y.com (11)

  • 超映画批評「シン・ゴジラ」90点(100点満点中)

    「シン・ゴジラ」90点(100点満点中) 監督:樋口真嗣 出演:長谷川博己 竹野内豊 ハリウッド版をすら凌駕する、これぞ2016年の日にふさわしい新ゴジラ 私は「シン・ゴジラ」が完成した直後、その事をある制作スタッフから聞いた。やがて試写予定についても別会社のスタッフから知らされていた。だが結局、公開までに通常の大々的なマスコミ向け試写会は行われなかった。 あの庵野秀明総監督の事だから、完成といいつつポスプロの沼に嵌ったか、あるいは初号試写を見た宣伝チームが急きょ事前に我々に見せることをやめる判断をしたのか。いずれにしても映画ライターの間ではこういう場合、ろくな結果にならないとの経験則がある。 しかも、たまたま見に行った都心の映画館の入りがきわめて悪かった(上映10分前の段階でなんと私一人)事もあり、不安は増大する一方だったが、なかなかどうして、「シン・ゴジラ」は期待をはるかに上回る大傑

    超映画批評「シン・ゴジラ」90点(100点満点中)
    retlet
    retlet 2016/07/31
  • 超映画批評「寄生獣」25点(100点満点中)

    「寄生獣」25点(100点満点中) 監督:山崎貴 出演:染谷将太 深津絵里 これじゃない感が強い 岩明均の原作コミックを実写映画化した「寄生獣」はこの秋一番の大作として期待される話題作。だからこそ大ヒット請負人の山崎貴監督で挑んだわけだが、残念ながら失敗作に終わった。 のちにパラサイトと人類が呼ぶことになる奇妙な寄生生物に脳をい破られる寸前、とっさの判断でい止めた高校生・泉新一(染谷将太)は、しかし右手に寄生されてしまう。はからずも共生関係となったその生物をミギー(声:阿部サダヲ)を名付けた新一だが、他の寄生された者たちは他の人間を料とすべく、周囲の人々をひそかに襲い始めていた。 脳すなわち人間らしさを残したまま寄生獣の力を得た人間の高校生が、100%寄生獣となった元人間たちと戦うホラー風味のアクションドラマ。この「人間らしさ」と母性の関係性というものが、重要な物語の要素となっている

  • 超映画批評「オール・ユー・ニード・イズ・キル」85点(100点満点中)

    「オール・ユー・ニード・イズ・キル」85点(100点満点中) 監督:ダグ・ライマン 出演:トム・クルーズ エミリー・ブラント チャラ男トム・クルーズのゲームブック人生原作の超大作がこの夏は続くわけだが、圧倒的イチオシの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は、原作要素を大幅に改編した大胆さが功を奏した。 近未来、異生物による侵略を受けた人類は、空爆が効果を上げない敵に対し重武装の歩兵で対峙していた。戦況は芳しくなく、民間人へのプロパガンダを受け持っていたウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)まで最前線におくられることになったが、戦闘訓練を受けていないケイジは戦闘開始数分で戦死する。だがその瞬間、彼は出撃前日の朝へとタイムリープしているのだった。 桜坂洋のライトノベルがハリウッドの予算178億円の超大作になるときいて、これはとんでもないジャパニーズ(?)ドリームだと思ったものだが、実際

  • 超映画批評「ガッチャマン」4点(100点満点中)

    「ガッチャマン」4点(100点満点中) Gatchaman 2013年8月24日公開 全国東宝系 2013年/日/カラー/113分/配給:東宝 原作:竜の子プロダクション 監督:佐藤東弥 脚:渡辺雄介 スタントコーディネーター:小池達朗 キャラクターデザイン:荒牧伸志(『APPLESEED』監督) VFX:白組 キャスト:松坂桃李 綾野剛 剛力彩芽 濱田龍臣 鈴木亮平 光石研 剛力ジュンが、原作ファンを過激に挑発 先ほど更新した「スター・トレック イントゥ・ダークネス」の記事で、「邦画エンタテイメントはハリウッドに比べて社会問題をテーマにするのが下手」と述べたが、その典型例がこれである。しかも、娯楽と時事性を高度に両立させて国の批評家筋から高い評価を得た前者と同週公開とは皮肉である。 21世紀初頭、侵略者ギャラクターにより地球の半分が壊滅した。彼らに対抗できるのは「石」の力を引き出せ

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    retlet 2013/08/22
  • 超映画批評『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』70点(100点満点中)

    『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』70点(100点満点中) EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO. 2012年/日/カラー/配給:カラー、ティ・ジョイ 総監督:庵野秀明 監督;鶴巻和哉 キャラクターデザイン;貞義行 メカニックデザイン;山下いくと アニメーションスタジオ:カラースタジオ プロデューサー:大月俊倫 声の出演:緒方恵美 林原めぐみ 宮村優子 坂真綾 奈落へと落される 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の上映館がとんでもないことになっているとのうわさを聞きつけ、さっそく見に行ってきた。 前作は新宿だったので今回は六木の状況を把握しようとヒルズの上映館を選んだが、驚くべきことに都内有数のあの巨大劇場が、平日午後1番の回だというのに半分以上埋まるという信じがたい光景を目の当たりにすることになった。 見たところ女性客は少数、男性一人客が多いようだったが

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    retlet 2012/12/11
  • 超映画批評『ガール』5点(100点満点中)

    『ガール』5点(100点満点中) 2012年5月26日(土)全国東宝系ロードショー 2012年/日/カラー/2時間4分/シネマスコープ/ドルビーSRD  配給:東宝 原作:奥田英朗(講談社刊) 監督:深川栄洋 脚:篠崎絵里子 キャスト:香里奈 麻生久美子 吉瀬美智子 板谷由夏 上地雄輔 要潤 1800円で不愉快を買う 女子力のバイブルなどと称される奥田英朗の同名原作を映画化した作は、すべてに気でがんばるGIRLたちに贈る、とのキャッチコピーがついている通り、女性たちに向けた女性映画である。 会社も仕事もバラバラながら、気の合う女子4人組。29歳から36歳まで、多感な年ごろの彼女たちは、ファッション結婚、子育てとそれぞれ複数の悩みを抱えながら、やりたいこととの両立に前向きに頑張っていた。そろそろギャル系ファッションが似合わなくなってきた由紀子(香里奈)、年下の男性部下をうまく使えな

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    retlet 2012/06/01
  • 超映画批評『2012』80点(100点満点中)

    『2012』80点(100点満点中) 2012 2009年11月21日(土)、丸の内ルーブル他全国ロードショー 2009年/アメリカ/カラー/158分/配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 監督:ローランド・エメリッヒ 脚:ローランド・エメリッヒ、ハラルド・クローザー 出演:ジョン・キューザック キゥエテル・イジョーフォー アマンダ・ピート ダニー・グローバー オリバー・プラット タンディ・ニュートン どう考えても映画史上ナンバーワンのスペクタクル 『2012』には、人々がローランド・エメリッヒ(「デイ・アフター・トゥモロー」(04)、「インデペンデンス・デイ」(96)監督)に望むものがすべてある。彼の映画を好きな人なら、この秋必見の超大作である。 不意ながらリムジンドライバーとしてなんとか生計を立てている作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は、離婚したの元で暮らす子供た

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    retlet 2010/03/24
  • 超映画批評『サイレントヒル』75点(100点満点中)

    『サイレントヒル』75点(100点満点中) 今夏最高の格ホラームービー コナミのゲームソフト『サイレントヒル』といえば、カプコンの『バイオハザード』と並ぶ、プレステ時代の傑作ホラータイトルだ。しかし、ゲーム的な、ライトなアクションホラーとして映画化された『バイオハザード』とは、映画化のコンセプトが大きく異なる。 ストーリーは、ゲーム版のパート1を元にしている。ゲーム版では父親だった主人公が、母親に変更されている。これにより、テーマが母子愛という、誰の目にもわかりやすい、普遍的なものとなった。この方が、アメリカでの受けはよいだろうし、なにより、演技力を備えた美人女優で知られるラダ・ミッチェルがヒロイン(しかも妙に体の線丸出しな薄着)なら、世界中の男性客が喜ぶ。商業面でも一石二鳥というわけだ。 主人公ローズ(ラダ・ミッチェル)は、情緒不安定な9歳の娘シャロンが口走る「サイレントヒル」という地

  • 超映画批評『ダークナイト』97点(100点満点中)

    『ダークナイト』97点(100点満点中) The Dark Knight 2008年8月9日(土)より丸の内プラゼール他全国ロードショー 2008年/アメリカ/カラー/152分/配給:ワーナー・ブラザース映画 監督:クリストファー・ノーラン、脚:ジョナサン・ノーラン クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、マギー・ギレンホール 歴代バットマン映画最高成績にして最高傑作 『ダークナイト』は、米国ではいまや興行新記録の投売り大セール状態である。その勢いたるや、永遠に破れないと言われた「タイタニック」の不沈神話にも迫る勢いだ。世界の映画史上、間違いなく記録に残る作品となったこの特大話題作は、中身のほうも文句なしの大傑作である。 ゴッサムシティに前代未聞の冷酷な犯罪者ジョーカー(ヒース・レジャー)が現れた。バットマン(クリスチャン・ベイル)とその

  • 超映画批評『魔法にかけられて』85点(100点満点中)

    『魔法にかけられて』85点(100点満点中) Enchanted 2008年3月14日(金)より日劇3ほか全国ロードショー 2007年/アメリカ/108分/配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン ディズニーによるセルフパロディ 『魔法にかけられて』は、ディズニー映画やTDR大好きなアナタがみたら、ショックで椅子から転げ落ちるか、腹を抱えて大笑いするかのどちらかという大問題作だ。 魔法の国"アンダレーシア"の森で暮らすジゼル(声:エイミー・アダムス)。やがて夢に見た王子(声:ジェームズ・マースデン)と出会い、結婚を目前にした彼女は、魔女(声:スーザン・サランドン)にだまされおそろしい国へと続く穴の中へ突き落とされてしまう。 伝統回帰の手描きフルアニメーションはさすが天下のディズニー、うっとりするような美しさ。だが、かわいらしいお姫様が魔女に追いやられた「

  • 超映画批評『明日、君がいない』97点(100点満点中)

    『明日、君がいない』97点(100点満点中) 2:37 2007年4月21日、渋谷アミューズCQNにてロードショー 2006年/オーストラリア/99min./配給:シネカノン ほかのどんな巨匠にも作れない映画を目指した点が立派だ この職業をやっていると、毎日各社から膨大な数の試写状が届く。ためしに今手元にあるのを数えてみたら40枚以上あった。非常に残念だが、物理的な時間不足によりそのすべてを見ることは出来ない。やむなくスケジュールに合う中から、何か気になる作品を選ぶことになる。 私が『明日、君がいない』の試写会に行こうと思い立った最大の理由は、この映画の監督ムラーリ・K・タルリは、なんとこの映画を19歳のときに作り始めたという一点にあった。しかも、カンヌ国際映画祭で好評だったという。アカデミー賞よりカンヌの評価に共感する事が多い私としては、どうしてもこの作品を見ておきたかった。 舞台は現代

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