若気のいたり 幸伸丸に乗船してから、1年が過ぎようとしていた。 血の気が多く、若い連中が乗り合うマグロ漁船は楽しかった。 楽しい日々の中で、僕は僕自身を知らないうちに取り戻していた。 航海の操業が終わり、入港した時の話し。 ごく稀にだが、入港地で親友の乗ったマグロ漁船と 同時に入港することがある。 1991年 春 幸伸丸は、宮城県の塩釜港に入港した。 船は岸壁に着岸し、水揚げの準備をしている時 「ケイジ!」と、岸壁から僕を呼ぶ声がした。 岸壁を見ると、久しぶりの顔が3人あった。 幼馴染みで、中学生の時毎晩のようにバカなことをして遊んだ タイジ、シンイチ、マサカズの三人が、ニコニコとした顔で僕を見ていた。 3人共、中学を卒業するとすぐにマグロ船の漁師になった。 僕が高校生の頃、一人一人とは会って遊んだことはあったが 4人が揃うのは、6〜7年振りだった。 「おおー!久しぶりだなぁー!」と僕は3
今年度も今日で終わりですね。今年は、5年前に東大で研究室を立ち上げた時に入学してきた畑中君が、無事博士を取って卒業。 そして、3年半にわたって研究室の中心となって活躍してきた、助教の宮地君がパーマネントの職を得て独立します。 学生だけでなく、研究員にとっても、大学の研究室は通過点。 ポスドク問題と言われるように、今や大学でパーマネントの職に就くのは非常に厳しい。 竹内研での活躍を評価されて、激戦を勝ち抜いたのは、本当にうれしいです。 これからは自分の研究室を立ち上げることになるのですが、健闘を祈ります。 さて、半導体メーカーが苦境に陥り、リストラが相次いでいる中で、よく「学生の就職はどうしているのですか?」と聞かれます。 今まで半導体業界の凋落と学生の就職を結びつけて考えたことが、実はありません。 今や、学生には「この会社、業界に就職しろ」と教員が指導する時代ではないです。 完全に学生の意
幸伸丸 僕の乗った幸伸丸は、南下を続けた。 進路は南南東。 目指すは南方海域、ミクロネシア連邦付近。 僕の寝台は、なぜかブリッジ(船橋)の船頭と同室で 船頭の寝台の下だった。 出港した翌日から、午前7時起床のベルが鳴る。 船員全員が朝食を済ませると、作業が開始された。 船が南下中の作業は、マグロはえ縄漁をするための漁具の整備。 僕は、マグロはえ縄船の漁師として4年目を迎えていた。 船が替わっても、それまでやってきた作業と内容は変わらない。 手慣れた手つきで、作業を淡々とこなした。 船員全員、年齢が近いこともあり、作業中は会話は弾んだ。 話題は主に“女”“パチンコ”。 僕より4歳年下のタカオと僕以外は、全員彼女がいなかった。 僕は、ジュリアのことは内緒にしていた。 話す必要もなかったし、何となく秘密にしておきたかった。 鎮魂の汽笛 出港して7日目の夕刻。 僕は寝台で本を読んでいた。 僕の寝台
再出港 船舶火災事故は、僕の家族に深い後遺症を残した。 船の船頭でもあった父親は 事故から生還して以来、心を塞ぎ全く喋らなくなった。 ある日の食事中、母は父に向って言った。 「海を見る度に辛くなるんでしょ?一度、海から離れてみたら?」 父は精神疾患の人が保養する事の出来る、療養所に入所することになった。 この頃の事はあまり覚えていない。 これからどうなるんだろう? 祖父や父が守り、受け継いで来たマグロ漁船とい稼業が 無くなってしまった・・・ それだけ、考えていた。 淡い記憶にあるのは、隣町の市街から離れた山の中腹にある 父の入所している、保養所の真っ白い壁と塞ぎ込み丸くなった 父の背中。 僕は、マグロ船に乗ることが定められた家に生まれ育った。 高校3年の時、就職面接講習も一般教養の授業も受ける必要がなかった。 同級生が面接講習を受けている時、一人校舎の屋上でラジオを聞きながら タバコをふか
enchantmoon オプティマイズとトレードオフ。または仕事に刺激を与える法 - UEI shi3zの日記 BASICとJavaScriptに関するつぶやき。あとFlexに飛び蹴り - Togetter のコメントにも書いたとおり自意識過剰なんだけど、もしtogetterが僕が書いたことへの反応も含んでいるのだとしたらフォローしておきたい。 僕は、 enchantMOONは単体アプリでは駄目なんだろうか - yhgnの「プログラミングの楽しさを取り戻したい(主に自分が)」日記 と書いたけど、enchantMOONを批判してるのではなくて、これは素朴な僕の疑問だ。 筆圧感知可のAndroidデバイスとか色々発売されているけれど、僕は貧乏で持ってないし、多くの端末をいじったことがない。 正直、僕は無知なのでどうなのかよくわからない。 多分、門外漢なことを書いてると思う。 あと、僕はアラン先
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