歴史に残る“珍答弁”となるか──。相次ぐマイナンバートラブルを受け、政府の第三者機関である個人情報保護委員会(個情委)は近く、デジタル庁に立ち入り検査を実施する方針だが、大きな問題が残る。実は河野デジタル相、個情委の担当相も兼ねており、利益相反の恐れがあるのだ。まさか、一人二役の“二刀流”で国会答弁に臨む気なのか。 【写真】河野デジタル相「学歴&顔写真」ツイート…マイナ“総点検”中にお気楽投稿 ◇ ◇ ◇ 個情委は国家行政組織法3条に基づく「三条委員会」だ。高い独立性と政治的中立性が担保され、担当大臣から指揮監督を受けず、独自に権限を行使できる。 11日の立憲民主党の国対ヒアリングには個情委事務局が出席。河野氏の兼任について担当者は、個情委が「三条委員会」であると強調し、「委員長や委員が権限を独立して行使すると法的に明記されている。利益相反的な状態になることはない」と懸念払拭に必死だっ
マイナンバー制度がもはや暴走機関車と化している。問題が明らかになっても立ち止まることができなかったり、手段と目的を取り違えるといった話は、近代日本が抱える「病」そのものだが、再び同じ過ちを繰り返そうとしている。 【写真】アップルが警戒、政府主導の計画に潜むマイナンバーの「ヤバいリスク」 マイナンバー関連システムは、深刻なトラブルが相次いでおり、制度そのものの是非が問われる状況となりつつある。だが、政府は一貫して決まったスケジュールでのマイナンバーカード普及を絶対視しており、変更するそぶりは全く見せていない。 普通に考えれば、これだけ多くの問題が発生してる以上、全体のスケジュール見直しや、プロジェクトの再検討が行われてしかるべきであり、その方が結果的には良いシステムが出来上がるはずだ。だが現実はその反対であり、最悪の事態に向けて突っ走っているように見える。 全土が焼け野原になるまで止められな
閣議のため首相官邸に入る河野太郎デジタル相=東京都千代田区で2023年7月11日午前9時53分、竹内幹撮影 マイナンバーカードや制度全般に関する政府の問い合わせ先の電話口でたらい回しにされ、手続きができない人がいることについて、河野太郎デジタル相は11日の閣議後の記者会見で「そうしたことがあったら、大変申し訳ない」と陳謝した。 【図解で振り返るマイナの紆余曲折】 毎日新聞は情報提供窓口「つながる毎日新聞」に寄せられた投稿をもとに取材し、マイナンバー総合フリーダイヤルでたらい回しが生じていることを7日に報じていた。 取材によると、マイナンバーカードを使ってオンラインで行政手続きができるサービス「マイナポータル」で、自身が登録した公金受取口座の変更手続きができなくなった東京都新宿区の男性(55)がフリーダイヤルに電話。だが、担当者がころころ代わり、結局その時は口座変更ができなかった。男性は取材
マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいる。政府はかなりの経費を使って総点検を実施しているが、事態はもぐら叩きのような様相を呈している。まだこれからもミスや不具合がでてくるからマイナンバーカードの使用を一時停止すべきだという意見やマイナンバーカード返上の動きもある。 しかし各種証明書の交付等、ミスはあっても大勢としてはすでにそれなりに便利に使われているのだから使用停止は現実的ではない。これからもシステムエラーやヒューマンエラーは見つかるだろうが、その都度是正していくほかはない。数年後に予定されているカードのデザイン変更までに、あるいはさらに数年先にでも、国民だれもが使いやすく便利なカードの実現へ議論すべきだ。 ミスは是正できる カード交付のミスは自治体窓口職員の責任ではない。政府が交付促進を煽りすぎたために窓口が大混雑したのは報道の通りである。 筆者は昔、都庁の旅券交付窓口の応援に駆
トラブルが相次ぐマイナンバーカードに関して、“名称変更”に言及した河野大臣。SNSでは「そこじゃない」というつっこみも…(PHOTO:アフロ) 今年5月以降、マイナンバーカードを巡り、証明書を誤交付するトラブルや、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」で別人の医療情報が登録されるトラブルが続出。 【くわしく解説】マイナカード返納手順と、注意事項は…返納時は「本人確認書類」にならない!? マイナカードを使用するには毎回読み取り機を利用し、4桁のパスワードを入れること、さらに4桁のパスワードが3回の間違いでロックされ、ロック解除は居住の市区町村の窓口に行き、顔写真付き公的証明書が必要となることにも批判の声が相次いでいる。 実際、マイナ保険証を使用した際に「無効」と表示され、患者が10割負担を請求される事例も続出するなど、あまりのトラブルの多さから、厚労省は「従来の保険証も一
お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーラン(52)が、9日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜正午)に出演し、マイナンバーカードをめぐり続く混乱について自身の考えを示した。 【写真】「パックンマックン」のパックン(右)とマックン コンビニで他人の証明書が発行されたり、公金受け取り口座に別人の口座がひも付けされたりと、相変わらず重大なトラブルが絶えないマイナンバーカード。マイナ保険証にも別人の情報が誤登録されていたり、通信トラブルでマイナ保険証が使えない不具合で、患者が一時的に医療費全額を負担する事態も起きている。加藤勝信厚労相は6月の会見で、「念のためマイナンバーカードと併せて保険証を持参していただくことが考えられる」と述べたが、一連の混乱に嫌気が差した国民の一部からは、マイナンバーカードの返納が相次いでいる。 マイナンバーカードへの国民感情につい
私は新聞読み比べが趣味です。理由は同じテーマなのに新聞によって論調の違いがあるからです。それぞれを読み比べたうえで自分の考えをまとめるときに役立てるのが面白い。しかし、マイナンバーカード問題ではどの社説もほぼ同じです。みんなが「今のやり方はどうなの?」と訴えている。 たとえば読売新聞社説は、6月7日の時点で『保険証の廃止 見直しは今からでも遅くない』と書いていました。《現在、何ら不都合なく使えている保険証を廃止し、事実上、カードの取得を強制するかのような手法が、政府の目指す「人に優しいデジタル化」なのか》最近も《政府は来秋の保険証の廃止にこだわるより、当初の予定通り選択制とし、利便性を実感できる状況を作るほうが得策ではないか》と書いています(7月6日)。 同感です。デジタル化は大事だからこそ、人々が困ったり混乱する「過程」は避けるべきなのに、逆をしているように見える。振り返ると河野デジタル
河野太郎デジタル相は8日、マイナンバーカードを自主返納する動きが出ていることについて「本当に微々たる数だ」と述べ、返納は少数にとどまるとの認識を示した。 【図解】マイナンバーひも付け デジタル庁の点検結果 河野氏はカードの申請は全国で1日当たり1万件を超えていると強調し、「返納、返納と言わない方がいい」と語った。視察先の静岡市内で、記者団の取材に応じた。 河野氏はまた、「(マイナカードを)返納されている方もクレジットカードを毎日のように使い、むしろいろいろな個人の情報はクレジットカードで分かる。あまり変なことに惑わされない方がいい」と述べた。 マイナカードを巡っては、相次ぐトラブルへの不信などから、自主返納の動きが出ている。総務省によると、自主返納を含むカードの廃止枚数は2016年1月から今年6月末までの累計で約47万枚。5月末から約2万枚増えた。引っ越しの際に手続きをせずに失効したケース
自民党役員会に向かう岸田文雄首相(手前)=2023年7月4日、東京・永田町の同党本部 - 写真=時事通信フォト ■役人の天下り確保で、4兆円以上が消えた 週刊誌の連載記事が、政権を崩壊させることがある。 【この記事の画像を見る】 週刊現代で2001年から約1年間続いた連載記事「『年金崩壊』のウソ 誰が安心を食い潰したのか」を覚えているだろうか。 筆者であるノンフィクション・ライターの岩瀬達哉氏は丹念な取材で、国民から集めた「掛金」が健康福祉センター(サンピア)や大規模年金保養基地(グリーンピア)などの建設に流用され、官僚たちの「利権」と「天下り先」になっていることを突き止めた。その結果、総額約4兆3000億円の年金財源が失われたことがわかった。 この連載は年金問題の先駆けとなり、国民の怒りに火をつけた。岩瀬氏は民主党(当時)の長妻昭議員とタッグを組み、「消えた年金問題」を長妻が国会で徹底追
マイナンバー(個人番号)に別人の情報が登録された一連の問題で、個人情報保護委員会(個情委)が、デジタル庁に立ち入り検査をする方針であることがわかった。早ければ月内にも実施する。個情委は重要な個人情報であるマイナンバーの利用に際し、「リスク管理と対策ができていなかった」とデジタル庁の責任を重くみており、マイナンバー法にもとづく行政指導も視野に検討を進めている。 【インフォ】マイナンバー総点検のための情報照会の流れ。1件10円かかる マイナンバーやマイナンバーカードをめぐっては、政府が普及と利用の拡大を急ぐ一方で、他人の健康保険証や年金情報とひもづけられるなど個人情報の漏洩(ろうえい)が相次いでいる。行政指導が実施されれば、制度を直接所管する官庁に対する異例の措置となる。 個情委は今月5日の会合で事案ごとに対応方針を整理し公表した。このうち、国民が給付金を受け取るための公金受取口座登録制度で他
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