まさかこれほど野球が変わるとは思わなかった。12球団の使用球を公平にするため、今季から導入された低反発の統一球、いわゆる「飛ばない球」がかつてない投高打低現象を引き起こしているのはご存じの通りだ。 当初は牛皮の使用部位、縫い目の高さや幅の違いから指先の繊細な感触が生命線の投手陣への影響が懸念されていた。ところが、いざフタを開けてみると長打を気にせず、思い切って内角を攻める強気の投球ができることから、勝ち星量産の追い風に。 日本ハムのダルビッシュは前半戦で、早くも昨年の12勝を上回る13勝、巨人の内海もリーグ2けた一番乗りの10勝をマーク。投手防御率をみても日本ハムの武田勝(1.21)をはじめ両リーグ合わせて1点台がナント10人。これまででは考えられない事態である。 当然のように、打者にとっては悩みのタネ。なかでも一番の被害を受けているのが“空中戦”を得意としていた巨人だ。初めて低反発