人物記事に望みたい“切れ味”(1/3) 新聞記者の仕事はもちろん文章を書くことですが、その前にもっと大事なことがあります。それは、人物を見分けることです。 配布された文書をもとに記事にする場合は別ですが、取材をしている相手がどのような人物なのか、嘘をついていないかどうかを見分けなければ、いくら立派な文章を書いたところで、誤った情報になってしまうおそれがあります。 人物を見分けるのは、実は容易なことではありません。ですから、新聞記者が文章を書く場合、最も難しく、読む側からすると、最も面白いのが、人物評とも呼ぶ人物記事です。その人物記事が最近めっきり少なくなってしまったことを寂しく感じています。 もちろん、各社とも「人物紹介欄」はあります。新しく役職についた人とか、何か特記すべきことをした人のことを紹介する欄ですが、これは大体、褒め言葉で終始し、人物を深く洞察した上での人物記事とは、少々