野上大樹@『ソコレの最終便』発売中 @Taiki_Nogami 過日頂いた文学賞『細谷正充賞』を受賞したときの気持ちをまとめました。 エンタメ単行本の初版が二千部とかいう絶望しかない時代に9年書き続けた無名作家の記録が誰かの糧になれば幸いです。 #細谷正充賞 note.com/taiki_nogami/n… 2024-11-23 20:18:11

この記事はCINRAが運営するPodcast番組『聞くCINRA』で配信したエピソードの内容を編集しています。ノーカット版のインタビューもぜひPodcastでお楽しみください。 ―『スメラミシング』は6編の短編が収録されており、すべて宗教や信仰がテーマになっています。なぜこのテーマを選んだのでしょうか? 小川:もともと、小説の原点は聖書にあるんじゃないかという考えがあって、最初に収録されている『七十人の翻訳者たち』という作品を書きました。 そもそも、なぜ人は他者に対して何かを話したり、語りかけたりするんだろうと考えたとき、そこには宗教という存在があり、自分が信じるものを他人に伝えて、信じさせるために魅力的なお話をつくるんじゃないかと思ったんです。 宗教とか神様について考えることは、根源的に人間の欲望に内蔵されているもので、それについて考えることは、小説について考えることにもつながるだろうと
ただ、これ、読み終えたからいえるのですが、なろう小説はあまり関係ないんじゃないかなあ。 最初から最後まで舞台は現代社会だし、「転生」という概念をキーに物語が進むことはたしかであるものの、逆にいうとそれだけのことでしかなく、「なろう小説らしさ」はほとんどない。 なろう的なものからインスパイアされていることはたしかだとしても、とくになろうに対するパロディ性とか批評性も感じない。いちおうネタバレを避けたうえでいうなら、SFとしてもそこまですごい作品ではないと思う。 ただ、それなら箸にも棒にも掛からぬ駄作なのかといえばそこまででもない感じではあるので、ぼくの感想は「うーん、普通?」というどうにも煮え切らないものになってしまう。 しょうじき、「読む前は見下していたけれど、思わぬ傑作でした!」とか「あまりのつまらなさに大草原不可避wwwwwwwwww」みたいなことを書けたら良いと思うのだが、どうもそう
『地面師たち ファイナル・ベッツ』(集英社) この夏、最も話題になった映像作品といえば、Netflixの『地面師たち』だろう。2019年に出版された新庄耕の小説『地面師たち』(集英社)をベースにした、ハリソン山中(豊川悦司)と拓海(綾野剛)らの不動産詐欺師グループが繰り広げるクライムエンターテインメントは瞬く間に評判を呼び、Netflixの国内ランキングでは首位を独走。誰かと会うたび「地面師たち見た?」と聞かれるほどだった。そしてこの7月には続編となる『地面師たち ファイナル・ベッツ』(集英社)が出版され、前作をはるかに超えるスケール感が話題になっている。今回は原作者の新庄耕に『地面師たち』2作に対する思いを聞いた。 撮影現場で見た、俳優・綾野剛の細部へのこだわり ――まずはNetflix版『地面師たち』のヒット、おめでとうございます。実際に映像化されたものを見て、どう思いましたか。 新庄
呪いを解く者 作者:フランシス・ハーディング東京創元社Amazonこの『呪いを解く者』はジュブナイル系ファンタジイ長篇の名手フランシス・ハーディングの最新邦訳作にして、呪いとそれを解きほぐすことをテーマにした異世界ファンタジイだ。ハーディングのこれまでの邦訳作には『嘘の木』、『カッコーの歌』、『影を呑んだ少女』、『ガラスの顔』(すべて少年少女を主人公にしたファンタジイ)があるが、どれも違った傾向を持ちながら素晴らしい長篇ばかりで、一言でいえば「おそろしく各作品の平均点の高い作家」といえる。そのため、ハーディングは新刊が出たらまっさきに「次に読むリスト」の最上位にくる作家になっている。 で、今回も刊行されてからすぐに読んだのだけど、やーはりこれがおもしろかった。ハーディング作品は毎回単発の長篇でそれぞれ凝った設定をお出ししてくるのだけど、今回は『HUNTER☓HUNTER』の暗黒大陸みたいな
この記事には複数の問題があります。 改善やノートページでの議論にご協力ください。 出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2017年2月) 独自研究が含まれているおそれがあります。(2017年2月) 出典検索?: "コージー・ミステリ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL コージー・ミステリ(cozy mystery)とは、推理小説のジャンルのひとつ。イギリスで第二次世界大戦時に発祥した小説形式で、当時アメリカで流行していたハードボイルド形式の小説の反義語として用いられた。ハードボイルドのニヒルでクールなイメージに対し、「地域社会が親密である」「居心地が良い」といった意味を持つ「コージー(cozy)」を使用し、日常的な場面でのミステリーであることを示
古典部シリーズは最新作「いまさら翼といわれても」で計6作品刊行されています(2022年8月現在)。 そんな古典部シリーズの幻の最終巻ってどういうことですか? 折木さん教えてください! わたし気になります! 幻の3作目にして最終巻、さよなら妖精 古典部シリーズの第3作目といえばクドリャフカの順番。みんな大好きわらしべ長者な文化祭の話です。 が、実はその前に幻の3作目「さよなら妖精」が存在しています。 しかも古典部シリーズは氷菓、愚者のエンドロールに続いてさよなら妖精で完結する予定でした。 しかし、さよなら妖精の執筆が進んだ段階で発刊できないことに。 なんと古典部シリーズが刊行されていた角川スニーカー文庫ミステリー倶楽部がレーベルごと休止が決まったのです。 完結どころか既刊まで絶版に レーベル休止により、さよなら妖精で完結どころか既刊の氷菓と愚者のエンドロールもが絶版。 さほど氷菓も愚者のエン
堂々の1位は、米澤さんの原点でもあるデビュー作『氷菓』です!私は本作を読んで、初めて<コージーミステリー>を開拓することができました。<コージーミステリー>とは、日常の小さな謎を解くという推理小説のジャンルのひとつ。今までは「人の死なないミステリーなんて!」と思っていましたが、本作で認識を改めました。 『氷菓』は、<古典部シリーズ>の一作目です。とある高校の古典部に所属する折木奉太郎(ホータロー)は、自他ともに認める省エネ主義者。ホータローのモットーは「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」という徹底っぷりです。豪農・千反田家の一人娘である千反田えるは、清楚なお嬢様風の見た目に反して好奇心旺盛。「わたし、気になります。」の口癖は時折まわりを凍り付かせます。同じ古典部に所属する他のメンバーもおしなべて個性派揃い!とにかく"どのキャラも立っている"のが本シリーズ
まあ、どのくらいの数のよねぽオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、 「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないミステリの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」 ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、よねぽのことを紹介するために読ませるべき10作を選んでみたいのだけれど。 (要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にミステリを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として) あくまで「入口」なので、情緒に過大な負担を伴う短編集は避けたい。 できれば長編、シリーズものでも最初の方にとどめたい。 あと、いくらよねぽ的に基礎といっても雑誌でしか読めないものは避けたい。 よねぽの歴史小説好きが「安寿と厨子王ファーストツアー」は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。 そういう
かかし朝浩@自称漫画家 @kakashiasa 『無職転生』のアニメ版を見て、やっぱこの作品はなろう小説においての金字塔で、同時に異形でもあるなと改めて思ったので、「何が」傑出しているのかちょっと書き起こしてみます。 2021-02-28 11:27:05 かかし朝浩@自称漫画家 @kakashiasa 『無職』の異様さは、「低俗の肯定」にある。 後発作品では「意図的にフック・サービスとして描く」か、無意識にマイルドにされている性描写が平然と「ここではそういうもの」として置いてある。 親は子供がいても二人目作ろうと毎日お盛んだし、貴族は子供の前でもメイドで性処理する。 2021-02-28 11:27:05 かかし朝浩@自称漫画家 @kakashiasa ものすごく微妙な違いだけど、「こうだったらいいな」ではなく「こうであるはず」、願望から逆算で作られたご都合ハッピーエロスではなく、人類史
テレビアニメ『無職転生』の第二期を見ている。 第一期はハイレベルの作画と何とも「わかっている」演出で「小説家になろう」発の異世界転生もののなかでも傑作と名高かったが、この第二期も面白い。 いや、フィッツ先輩、最初から正体を明かしてしまうのね。まあ、原作でもバレバレだったけれど……。 第0話 守護術師フィッツ 内山夕実 Amazon とにかくいわゆる「なろうアニメ」のなかでは出色の出来なので、原作を読んでおられない方もぜひ見てみてほしい。オススメ。 原作もマンガも読んでいるので一応は筋立てを知っているのだが、それにしても不思議なストーリーだよなあと思うのだ。 長いあいだ「なろう」でランキングトップを維持していたくらいで面白いことはまちがいないのだが、この作品の魅力がどこにあるのか、明確に言語化することはむずかしい。 ただ、何といっても興味深いのは主人公であるルーデウスのキャラクターだろう。ル
『無職転生』のアニメが好評である。 このアニメのために新しい制作会社まで立ち上げたという気合の入りようで その美麗な作画と丁寧な翻案には原作ファンからも称賛が集まっている。 その評価とともに、 「無職転生こそなろう系の元祖である」 「無職転生が異世界転生のテンプレを作った」 といった言説が広まりつつある。 これは本当なのだろうか? 結論から言えば誤りである。 『無職転生』が「なろう」に投稿されたのは2012年11月だが、 これは『魔法科高校の劣等生』や『ログ・ホライズン』が書籍化されて人気を博し、 ヒーロー文庫が創刊されて「なろう」からの刊行ブームが始まったあとのこと。 「なろう」というウェブサイトが飛躍的な拡大を迎えていた頃であり、 いわば「黎明期の終わり」あるいは「成熟期の始まり」というタイミングだった。 そして、その頃には既に多くの「なろうテンプレ」が出揃っていたのである。投稿日タイ
ノックスの十戒(ノックスのじっかい、英: Knox's Ten Commandments)は、ロナルド・ノックスが、1928年に編纂・刊行したアンソロジー THE BEST DETECTIVE STORIES OF THE YEAR 1928 (ヘンリー・ハリントンと共編)[1]の序文において発表した、推理小説を書く際のルールである[2]。「探偵小説十戒」(英: Detective Story Decalogue)[3][4]ともいう。本記事では単に「十戒」と表記する。 S・S・ヴァン=ダインによる「ヴァン・ダインの二十則」と並んで推理小説の基本指針となっている。 日本では探偵小説家の甲賀三郎が1935年に雑誌『月刊探偵』で紹介(「探偵小説入門」1935年12月号、1936年1月号、4月号)、翌1936年3月には評論家・翻訳家の井上良夫が、ノックス『陸橋殺人事件』の翻訳(柳香書院『世界探偵
今もっとも勢いのあるアニメ映画監督といえば『君の名は。』『天気の子』そして『すずめの戸締まり』と大ヒットを続けている新海誠で異論はないと思う。 今回はそんな新海誠監督に影響を与えてきたり、オススメしている作品をまとめたので紹介していく。SF小説と、ダメな大人が出てくる作品が多め。 ダ・ヴィンチ 2022年12月号 より ダ・ヴィンチ 2022年12月号 [雑誌] 『三体』 劉慈欣著 三体 作者:劉 慈欣 早川書房 Amazon 中国のSF作家劉慈欣による長編小説。現代でSF小説といえば本作といっても過言ではない程有名なので、読んだことない人でもタイトルぐらい聞いたことある人は多いだろう。全5巻と長いのでAudibleで聞くのもアリ。映像化も予定されている。 本の雑誌であるダ・ヴィンチらしい質問としてオススメの本の質問に対して新海誠監督は『三体』と答えている。スペースでも同じようにオススメし
ふと見るとレビューの評価が著しく落ちていたため、普段は書かないが、擁護のために書こうと思う。低評価を下している方は『グレイト・ギャツビー』を念頭に置いて『夜はやさし』は駄作だということを述べている。「そう感じるのもよく分かる」ので、正直やりづらい。 この作品の私の中での評価は「失敗作」だ。少なくとも万人受けする作品ではない。退屈だ。にもかかわらず偏愛している。そして『夜はやさし』を好き好む人の多くはそういう人ではないかと思う。不器用な作品なのだ。 読み終えた直後、正直私もピンと来なかった。ギャツビーの方がメリハリが効いているし、情緒的な盛り上がりもあって素晴らしいと思った。しかし何年かして思い返すのは『夜はやさし』の方なのだ。不思議な作品だと思った。 まず、この作品を読むならギャツビーとは時間の流れが違うことを理解する必要がある。ギャツビーに比べて時間も文章もゆったりしている。この「たるみ
田中芳樹さんの小説「銀河英雄伝説」は、私にとって民主主義の「入門書」とも言える存在だ。 遠い未来の宇宙を舞台に、専制政治の銀河帝国と民主共和制の自由惑星同盟の対立を描くこの作品は、両陣営の名将たちが知略を尽くして艦隊戦を繰り広げるさまが醍醐味だが、腐敗した民主主義と、善政を敷く独裁制のどちらがいいのかという究極の問いを突きつけてくる。 高校生のころ、民主主義という言葉は知っていたものの、それ以上ではなかった自分にとって、この作品は衝撃で、全10巻と外伝4巻を徹夜しながら読みふけった。 田中芳樹さんの原作をもとに製作されたアニメ「銀河英雄伝説」。主人公のラインハルト(右)とヤン・ウェンリー=©田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー ©加藤直之 そして今から10年前の2012年5月。田中さんにインタビューする機会を得た。私は当時、モスクワ特派員で、プー
丸善ジュンク堂書店【公式】 @maruzeninfo 先ほど、第166回(2021年下半期) #直木賞 が発表されました。 今村翔吾さんの『塞王の楯』(集英社) honto.jp/netstore/pd-bo… 米澤穂信さんの『黒牢城』(KADOKAWA) honto.jp/netstore/pd-bo… の2作品です。おめでとうございます🎊 pic.twitter.com/7PuBMn6LJb 2022-01-19 18:06:39 リンク NHKニュース 第166回直木賞は今村翔吾さんと米澤穂信さん | NHKニュース 【NHK】第166回芥川賞と直木賞の選考会が東京で開かれ、直木賞に▽今村翔吾さんの「塞王の楯」と▽米澤穂信さんの、「黒牢城」が選ば… 47 users 1104
ゴールデン・グローブ賞を受賞した記念に、「女のいない男たち」に収録されている「ドライブ・マイ・カー」をもう一度読み直した。 女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 監督の濱口竜介は、原作に強く惹きつけられて映像化したくなったらしい。 確かに凄く印象的な作品だ。 村上春樹の文体と言えば独特のシニカルさがあって、「やれやれ」を始めとしてよく特徴を上げる人が多い。(それだけ特徴があるというだけで凄い) 個人的には、ある時期から文体を変えたのかな?と感じている。 元々「影響を受けた小説三選」に「ロンググッドバイ」を上げているように、ある程度ハードボイルドの影響を受けているのだと思う。 (文体としての)ハードボイルドとは何ぞや、という村上春樹の考えは「ロンググッドバイ」の後書きに詳しい。 ヘミングウェイはその登場によって、アメリカ文学の文体の可能性を革命的に大きく押し
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