9月28日の放送で完結したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」。東日本大震災に見舞われた東北・岩手の「北三陸」を主な舞台にした物語は幅広い支持を集め、社会現象にもなった。原作と脚本を担当した宮藤官九郎さん(43)に、ドラマに込めた思いを聞いた。(三品貴志) 「(震災で)登場人物の誰かが亡くなるという描き方もあったと思う。でも、やらなかった。スタッフとさんざん話し合って、悩んだ末の結論。これ以外ないと思ったけれど、不安でした」 9月初旬の第23週から、平成23年に起きた東日本大震災と、その後を描いた。視聴者もやがて訪れる「悲劇」を知り、予感していた展開だけに、重圧も大きかったようだ。 震災当日、東京で翌日のライブの準備をしていた主人公、アキ(能年玲奈)らは、被害を伝えるテレビを呆然(ぼうぜん)と見つめる。一方、アキの親友、ユイ(橋本愛)は「北鉄」のトンネル内で被災。その外に出た瞬間、故郷の惨状