宇宙には「検閲官」がいる——。 理屈上、宇宙にあってはならないはずの「特異点」(厳密には「裸の特異点」)。この特異点を“取り締まる”存在が宇宙にはいるはずだ——そんな魅力的な「宇宙検閲官仮説」をわかりやすく解説した、真貝寿明『宇宙検閲官仮説』が話題になっています。 この仮説には、アインシュタインが考え抜いた「特殊相対性理論」「一般相対性理論」が深く関わっており、本書のなかでは二つの相対性理論についても解説がなされています。 ところで、相対性理論で知られるアインシュタインですが、じつは彼のノーベル物理学賞受賞の理由は、相対性理論ではありませんでした。 そんな、意外だけど深い『宇宙検閲官仮説』のコラムよりお届けします。 アインシュタイン、来日 アインシュタインは1922年の11月から12月にかけて、出版社の改造社に招聘されて来日し、日本各地で講演をしました。当時43歳、すでに世界的な有名人だっ