圧倒的な力を背景に、長期にわたりマスコミを支配し続けてきた広告代理店・電通グループ。だが、「驕れるもの久しからず」。広告料不正請求事件や過労死事件に象徴されるように、綻びが目立ち始め、ついに巨額の赤字決算を計上。利権と縁故にまみれた広告業界のガリバー企業は、音を立てて崩れ落ちようとしている。 業界独占体制の確立 日本の総広告費はGDPの拡大とともに年々増加の一途をたどり、今や7兆円に迫る規模に達している。電通は商業テレビがスタートした1953年以来、そうした日本の総広告費の約4分の1を常に独占してきた。メディア4媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)における売上シェアは常に首位をキープ。とくにテレビのタイム・スポットCMは、4割近くものシェアを占める主力部門であり続けている。 本間龍著書の『電通巨大利権』 特定の1社がこのように長期にわたって広告業界を占有し続けるのは、世界でも例のないことだと