「ガートナー カスタマー 360 サミット 2017」に登壇したオイシックスの奥谷氏は、まず「なぜ顧客時間なのか?」について説明した。 従来のいわゆるマーケティングでは、POSデータを中心とした購入時点のみなど、ピンポイントでの評価が主体だった。だがここだけで見ていては、「何が売れた」のかはわかっても、その売れた理由まではわからない。 たとえば、ある人が喉が渇いてコンビニでお茶を買った。だが、さかのぼって調べると最初は水を買うつもりだったのが、たまたまあるお茶がセールだったのでそちらに変えたということがわかったりする。 この人の行動には、「水を買おう(動機)→安いお茶の方が得では?(検討)→お茶の方を買う(購入)」といった一連のプロセスがあり、このプロセスに寄り添う形で流れているのが「顧客時間」だと奥谷氏は主張する。 「ネットの世界は、このプロセスの情報が取りやすい。しかし、リアルの店舗は