【ジュネーブ=石黒穣】強毒性鳥インフルエンザ「H5N1」に関する研究論文2本の科学誌への掲載が見合わされている問題を協議する専門家会議が16日、ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部で始まった。 論文のうち1本に携わった東大医科学研究所の河岡義裕教授のほか、国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長ら日本人研究者を含む22人が招かれ、17日までの議論で論文公開の是非や方法を巡って見解のとりまとめを目指す。 2本の論文は「生物テロに悪用される」との懸念から昨年、米英の2誌が掲載を見送った。論文にかかわった研究者らは1月20日、研究を自主的に60日間停止するとの声明を発表し、その間に、テロ防止と科学者の情報共有を両立できる対応策を練るよう求めた。WHOはこれを受け、専門家会議を招集していた。