マイクロソフト・リサーチ・インドでの実践が生んだ、 新たな解は《人そのもののアップグレード》だった。 著者の研究は万能な解決策などないことを思い知らせてくれる。 最貧困層の生活を向上させるテクノロジーは、 人間の行動特性と文化的相違への深い理解に基づいたもの でなくてはならないのだ。 ——ビル・ゲイツ いまだITスキルに大きな格差があるインド。学校では上位カーストの生徒がマウスとキーボードを占領している。 「これこそまさに、イノベーションにうってつけのチャンスだ。1台のパソコンに複数のマウスをつないだらどうだろう?…そしてすぐに〈マルチポイント〉と名付けた試作品と、専用の教育ソフトまで作ってしまった」。 しかしその結果は… 「ただでさえ生徒を勉強に集中させるのに苦労していた教師たちにとって、パソコンは支援どころか邪魔物以外のなんでもなかった。…テクノロジーは、すぐれた教師や優秀な学長の不在
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