首藤 一幸 首藤一幸: "ソフトウェアと論文", コンピュータソフトウェア, Vol.39, No.3, pp.88-89, (一社)日本ソフトウェア科学会, 2022年 7月 22日 「研究に欠かせないソフトウェアを開発しているのに、研究業績として評価してもらえない。」 たまにそんな愚痴を聞きます。 重いソフトウェア開発作業を、研究業績を必要とする人に勧めていいものか? ソフトウェア関連の研究者は実用ソフトの開発を経験すべきか? ソフトウェア工学の研究者は開発者を幸せにしようとしているか? などなど、筆者も大学院生の頃から考えてきました。 こうした問いはつまり、 ソフトウェアおよびその開発と、研究業績たる論文との間の相克についてのものです。 研究とは、狭い意味では、それまで人類が知らなかったことを見つけて人類の知識を増やす営為、でしょう。 ここで発見された新知識が研究成果です。 そのため